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2番館 2025年版

2番館。2025年以降に映画館以外で見た作品の批評です。更新は下から上へと順次なされます。基本的に見た順序で書かれていますが書きたい作品があるとき時間が前後することはあります。藤村隆史 2025年1月5日。

評価 照明 短評 監督、スタッフ、鑑賞日、その他
オッペンハイマー
OPPENHEIMER
2023 米
60 60 監督クリストファー・ノーラン撮影ホイテ・ヴァン・ホイテマ役者キリアン・マーフィ

取り立てて何かが特別に悪いわけではない。外部を忠実に内部へ移行させ大衆社会の共感を得ている。

主人公のキリアン・マーフィは目を逸らしては合わす、逸らしては合わせるアクターズ・スタジオ演技を反復させているが賞を頂くにはこのバカでも出来る演技が一番だろう。

仮に物理的に一台のキャメラで別々に撮られているとしても画面は「ずれ」てはいない。会話が画面を先導する「同じ写真」の繰り返しで「ずれ」ることはない。

決して悪くはない。一抹の淋しさが漂い続けるが決してひどいわけでもない。
関心領域
THE ZONE OF INTEREST
2023 米英ほか
69 69 監督ジョナサン・グレイザー撮影ウカス・ジャル

キャメラの性能で撮っている。テレビならそれでいい。だが映画をキャメラの性能で撮ると甚だ視点を欠いた「美しい画面」で終わる。視点さえ確保できればどんなキャメラでも映画は撮れる。その逆ではない。