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藤村隆史論文ヒッチコック・ホークス主義

ヒッチコック協力者表

これまで通り
作品名が黑とはスキル喪失運動の作品。赤字ピンクはスキル運動の作品。は人間んそのものへと向けられたスキル運動。


レヴェル1  事情を知らずスキルも有していない協力者

●「三十九夜」(1935)牛乳配達の男フレデリック・パイパー。宿屋の夫婦
●「第3逃亡者」(1937)のノヴァ・ピルビームの伯父ベイジル・ラドフォード。目隠しゲームで主人公を逃がしてやる

●「バルカン超特急」(1938)イギリス人二人組・不倫カップル。
●「逃走迷路」(1942)トラックの運転手マーレイ・アルパー。
★『巻き込まれ型』のヒロイン→スパイ事件解決のスキルなし。①~③は映画途中で事情を知り「レヴェル3」へと転化する。
①「三十九夜」(1935)新聞記者マデリーン・キャロル。手錠から抜けるスキルしかなし。
②「第3逃亡者」(1937)警察長官の娘ノヴァ・ピルビーム・警官の父親のスキルを利用するどころか容疑者の男と逃避行を演じて父親を危うく辞職に追い込んでいる。叔父のベイジル・ラドフォード。鬼ごっこをして主人公をパーティから逃がしてくれる。
③「逃走迷路」(1942)ハイウェイの看板モデル・プリシラ・レイン。トラック運転手マーレイ・アルパー
●「バルカン超特急」(1938)の音楽家マイケル・レッドグレーヴ
●「海外特派員」(1940)の政治活動家ラレイン・デイ(彼女はみずから「アマチュア」であることを肯定的に誇示する民間の政治運動家であってアルバート・バッサーマン誘拐事件を解決に導く権力を利用できる立場にはない)。彼らもまた映画中途で「3」へと転化する。
●「知りすぎていた男」(1956)アパートに押しかけてきた友人たち
●「北北西に進路を取れ」(1959)ケーリー・グラントの母親ジェシー・ロイス・ランディス(事情を信じていない)

レヴェル2 スキルを有しているが事情を知らない協力者

●「裏窓」(1954)刑事ウエンデル・コリー(事件そのものを信じていない)

レヴェル3 事情を知っているがスキルの乏しい協力者

●「暗殺者の家」(1934)親友ヒュー・ウェイクフィールド。
●「三十九夜」(1935)農家の妻ペギー・アシュクロフト
●「第3逃亡者」(1937)浮浪者エドワード・リグビー
●「バルカン超特急」(1938)舞踊研究家マイケル・レッドグレーヴ。英国紳士2人組。終盤事情を知って協力する。
「逃走迷路」(1942)盲人ボウハン・グレイザー。サーカス団の人々
「見知らぬ乗客」(1951)恋人ルース・ローマン
「私は告白する」(1952)元恋人アン・バクスター
●「裏窓」(1954)恋人でモデル関係の仕事をしているグレース・ケリー。家政婦セルマ・リッター
「泥棒成金」(1955)富豪のジェシー・ロイス・ランディスとその娘グレース・ケリー。
「ハリーの災難(1956) 4人の主人公
「間違えられた男」(1957)妻・主婦ヴェラ・マイルズ
「めまい」(1958)元婚約者・デザイナーのバーバラ・ベル・ゲデス。
●「北北西に進路を取れ」(1959)母、ジェシー・ロイス・ランディス
●「鳥」(1963)弁護士ロッド・テイラー(主役をティッピ・ヘドレンとした場合)
「引き裂かれたカーテン」(1966)婚約者兼秘書ジュリー・アンドリュース
●「フレンジー」(1972)恋人でウエイトレス・アンナ・マッシー、ビリー・ホワイトロウ(戦友の妻)クライヴ・スウィフト(戦友)

レヴェル4 事情を知っていてかつスキルを有している協力者(主体的な者) 

「ゆすり」(1929)刑事ジョン・ロングデン。
●「殺人!」(19
30)劇団員の夫婦、フィリス・コンスタムとエドワード・チャップマン(役を演じることのスキルを有している)
「サボタージュ」(1936)刑事ジョン・ロダー。
「バルカン超特急」(1
938)尼僧 グージー・ウィザーズ
「巌窟の野獣」(1939)刑事ロバート・ニュートン
「海外特派員」(1940)記者ジョージ・サンダース
「白い恐怖」(1945) バーグマン。マイケル・チェーホフ(バーグマンの恩師)
「疑惑の影」(1943)刑事マクドナルド・ケリー。
「パラダイン夫人の恋」(1947) 弁護士グレゴリー・ペック(アリダ・ヴァリから見て)、弁護士チャールズ・コバーン
「ロープ」(1948) ジョン・ドルー、ファーリー・グレンジャーの共犯犯罪なのでお互いが協力者でもある。
「山羊座のもとに」(1949)貴族マイケル・ワイルディング
「舞台恐怖症」(1950)ジェーン・ワイマンの父親のアラステア・シム。刑事マイケル・ワイルディング
「汚名」(1946)ケーリー・グラント(バーグマンから見た時)とルイス・カルハーンらFBIの仲間たち。
「ダイヤルMを廻せ!」(1954)アンソニー・ドーソン・過去に殺しもしている詐欺師。ロバート・カミングス→グレース・ケリーの浮気相手(恋人)、推理作家が推理をして真犯人をそれなりに言い当てる。刑事ジョン・ウィリアムズ(以上グレース・ケリーの協力者)
「泥棒成金」(1955)保険会社社員ジョン・ウィリアムズ
「間違えられた男」(1957)弁護士アンソニー・クエイル
「知りすぎていた男」(1956)警部ラルフ・トルーマン
「北北西に進路を取れ」(1959)アメリカ側のスパイ・エヴァ・マリー・セイント、FBIレオ・G・キャロル
「サイコ」(1960)探偵
マーティン・バルサム。
「マーニー」(1964)夫ショーン・コネリー
「引き裂かれたカーテン」(1966)レジスタンスたち
「トパーズ」(1969)レジスタンスたち。

協力者なし

●「レベッカ」(1940)ジョーン・フォンテーン
●「断崖」(1941)ジョーン・フォンテーン
●「サイコ」(1960)ジャネット・リー