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藤村隆史
ヒッチコックデータ
★はヒッチコック 「未」は未公開 全54本
撮影場所、製作者 |
撮影 |
脚本 |
原作 |
美術 |
音楽 |
役者 |
制作会社、時代背景、その他 |
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1925 |
快楽の園(未・The Pleasuer Garden) |
独・マイケル・バルコン、エーリッヒ・ポマー |
バロン・ヴェンティミグリア |
エリオット・スタナード |
オリヴァー・サンディス |
ヴァージニア・ヴァリ、カメリータ・ゲラーティ(田舎から出て来た娘)、マイルズ・マンダー(狂う夫)、ジョン・スチュアート(ゲラーティの恋人だった男 |
デビュー作。ゲインズポロー社。ドイツのウーファ撮影所で撮る。アメリカのスター、ヴァージニア・ヴァリを呼び寄せめ。熱病にかかって発狂するマイルズ・マンダーは「殺人!」(1930)でもチョイ役で出演。 |
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1926 |
山鷲(未・The mountain Eagle) |
ドイツ・マイケル・バルコン |
バロン・ヴェンティミグリア |
エリオット・スタナード |
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アメリカのバンプ女優、ニタ・ナルディ主演。フィルム不在。 |
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下宿人(未・The Rodger) |
英・マイケル・バルコン |
バロン・ヴェンティミグリア |
★・エリオット・スタナード |
ベロック・ロウンデス |
C・ウィルフレッド・アーノルド・バートラム・エヴァンズ |
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アイヴァ・ノヴェロ(下宿人)、ジューン(娘)、マルコム・キーン(刑事)、マリー・オールト(下宿の女将)、アーサー・チェスニー(下宿の主人)。 |
ヒッチコック最初のイギリス映画。ヒッチコックが初めてみずからの映画に出る。アイヴァ・ノヴェロは続いて「下宿人」(1926)にも出演。刑事役のマルコム・キーンは「マンクスマン」(1928)にも出演。 |
1927 |
下り坂(未・Downhill) |
英・マイケル・バルコン |
クロード・L・マクドネル |
エリオット・スタナード |
戯曲・アイヴァ・ノヴェロ・コンスタンス・コリア |
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アイヴァ・ノヴェロ、ロビン・アーヴィン(親友)、イアン・ハンター(イザベル・ジーンズの恋人)、イザベル・ジーンズ(悪女)、ハンナ・ジョーンズ、バイオレット・フェアブラザー、アネット・ベンソン・((雑貨屋の娘。アイヴァ・ノヴェロを告発する)ヴァージニア・ヴァリ、カメリータ・ゲラーティ |
イアン・ハンターはこの後「ふしだらな女」「リング」と立て続けに出演。ミュージックホールの光線によってグロテスクに照らされた女バイオレット・フェアブラザーは次の「ふしだらな女」でロビン・アーヴィンの母親役、「殺人!」(1930)では陪審員役で出演。イザベル・ジーンズは続けて「ふしだらな女」(1927)に主演。イザベル・ジーンズの衣装係役のハンナ・ジョーンズは「シャンパン」(1928)ではキャバレーの使用人、「ゆすり」(1929)では画家の死体を発見して悲鳴を上げる管理人、「殺人!」(1930)ではフィリス・コンスタム、エドワード・チャップマン夫婦のアパートの家主、「リッチ・アンド・ストレンジ」(1932)では若夫婦のアパートの家政婦として出演している。 |
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ふしだらな女(未・Easy Virtue) |
英・マイケル・バルコン |
クロード・L・マクドネル |
エリオット・スタナード |
戯曲・ノエル・カワード |
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イザベル・ジーンズ、ロビン・アーヴィン、イアン・ハンター、フランクリン・ダイアル(夫)、エリック・ブランスビー・ウィリアムズ(画家)、バイオレット・フェアブラザー(光で年がばれてしまう女)。、 |
前作「下り坂」では脇役のイザベル・ジーンズとロビン・アーヴィンが主役に 。イザベル・ジーンズはのちに「断崖」(1941)で車に乗ってジョーン・フォンテーンの横を通り過ぎる噂好きな女を演じている。 |
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リング(未・The Ring) |
英・ジョン・マックスウェル |
ジャック・コックス |
★・アルマ・レヴィ |
★ |
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カール・ブリッソン、リリアン・ホール=デイヴィス(恋人から妻へ)、イアン・ハンター(ライバルのボクサー)、ゴードン・ハーカー(トレーナー)、フォレスター・パヴェイ(プロモーター)、ハリー・テリー(小屋のオーナー)。 |
ゲインズボロー社からブリティッシュ・インターナショナル・ピクチャーズに転じての第一作。ヒッチコック初の原案。脚色のアルマ・レヴィはヒッチコックの妻。キャメラマンのジャック・コックスと初めて組む。ヒロインのリリアン・ホール=デイヴィスは続けて「農夫の妻」(1928)にも出演している。ゴードン・ハーカーは続けて「農夫の妻」(1928)「シャンパン」(1928)、そして未見だが「エルストリー・コーリング」(1929)にも出演している。主役のカール・ブリッソンは元ボクサーで「マンクスマン」(1928)にも主演。 |
1928 |
農夫の妻(未・The Farmar's Wife) |
英・ジョン・マックスウェル |
ジャック・コックス |
アルマ・レヴィル |
戯曲イーデン・フィルポッツ |
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ジェームソン・トーマス(農夫)、リリアン・ホール=デイヴィス(家政婦)、ゴードン・ハーカー(下男) |
キャメラマンが病気でヒッチコックみずからキャメラを回す。「リング」のリリアン・ホール=デイヴィスが続いて出演している。 |
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シャンパン(未・Champagne) |
英・ジョン・マックスウェル |
ジャック・コックス |
エリオット・スタナード |
ウオルター・C・マイクロフト |
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ベティ・ボルファー(富豪の娘)、ゴードン・ハーカー(父親)、ジーン・バーディン、フェルディナンド・フォン・アルテン |
「リング」ではトレーナーを「農夫の妻」では下男を演じていたゴードン・ハーカーが父親役。 |
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マンクスマン(未・The Manxman) |
英・ジョン・マックスウェル |
ジャック・コックス |
エリオット・スタナード |
サー・ホール・ケイン |
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カール・ブリッソン、マルコム・キーン、アニー・オンドラ、ランドル・エイルトン(オンドラの父)。 |
ヒッチコック最後のサイレント映画。「マンクスマン」とはアイルランド海に浮かぶマン島人のこと。「リング」に続いてカール・ブリッソンが主演。「下宿人」(1926)の刑事マルコム・キーンがアニー・オンドラの浮気相手の弁護士として出演。 |
1929 |
ゆすり(未・Blackmail) |
英・ジョン・マックスウェル |
ジャック・コックス |
★・チャールズ・ベネット、 |
チャールズ・ベネット |
C・ウィルフレッド・アーノルド |
キャンベル・&コネリー |
アニー・オンドラ、ジョン・ロングデン(刑事)、サラ・オールグット(オンドラの母親)、ドナルド・カールスロップ(ゆすり屋)、ハンナ・ジョーンズ(画家のアパートの管理人)、フィリス・コンスタム(ナイフ!と連呼する女) |
ヒッチコックのトーキー第一作は英のトーキー第一作。「マンクスマン」に続いてアニー・オンドラが主役。 ドイツ人のため英語が話せずアニー・オンドラの声はのちに「リッチ・アンド・ストレンジ」(1932)で主演する英女優ジョーン・バリーが同時録音の吹き替えをした。サラ・オールグッドが映画初出演、母親役で出演。チャールズ・ベネットと初めて組む。刑事役のロングデンはその後「ジュノーと孔雀」(1930・弁護士役)、「スキンゲーム」(1931・エドマンド・グウェインの長男)、「第3逃亡者」(1937・刑事役)、「巌窟の野獣」(1939)の警官隊役で出演している。画家の死体を発見して悲鳴を上げる管理人のハンナ・ジョーンズは「下り坂」参照。ゆすり男のドナルド・カールスロップは「殺人!」(1930)でも舞台俳優のチョイ役で、「第十七番」(1932)でも敵ボスとして出演。 |
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エルストリー・コーリング |
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ゴードン・ハーカー |
現存・未見。1つか2つのシークエンスを撮っただけとされる。 |
1930 |
ジュノーと孔雀(未。Juno and the paycock) |
英・ジョン・マックスウェル |
ジャック・コックス |
★・アルマ・レヴィル |
戯曲ショーン・オケーシー |
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サラ・オールグッド、エドワード・チャップマン、ジョン・ロングデン、バリー・フィッツジェラルドメイア・オニール(マディガン夫人)、シドニー・モーガン(ジョクサー)、ジョン・ローリー(息子)、デイブ・ノリス(娘の恋人)、キャサリーン・オリガン(娘)。 |
アイルランドの俳優で撮る。「ゆすり」のサラ・オールグッドが続いて母親役で出演。 エドワード・チャップマンは次作の「殺人!」(1930)、「スキンゲーム」(1931)と二本続けて出演しているが、それぞれまったく違う性質の人物を演じ分けていて、普通に見ていると同一人物に見えない。これがイギリス流役者術。息子のジョン・ローリーは「三十九夜」(1935)の農家の厳格な夫役を演じている。 |
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殺人!(未・Murder!) |
英・ジョン・マックスウェル |
ジャック・コックス |
アルマ・レヴィル |
戯曲・クレメンス・デイン、ヘレン・シンプスン |
ジョン・ミード |
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ハーバート・マーシャル、ノア・ベアリング、フィリス・コンスタム、エドワード・チャップマン、R.E. ジェフリー、エスメ・パーシー(真犯人)、ハンナ・ジョーンズ(アパートの家主)、ドナルド・カールスロップ、ウナ・オコナー(子沢山の巡査の妻)。バイオレット・フェアブラザー(陪審員) |
ドイツ版も存在する。モノローグを試行する。ハーバート・マーシャルは「海外特派員」とこの二本に出演。演出家の妻を演じたフィリス・コンスタムは次作の「スキンゲーム」(1931)のクロエ役で出演。実はノンクレジットで「シャンパン」(1928)にも出ているらしく、さらに「ゆすり」(1929)で「ナイフ!ナイフ!」と連呼する女もこのフィリス・コンスタム。それぞれがまったく違う雰囲気の役を演じ分けている。陪審員長役で出ているR.E. ジェフリーは次作「スキンゲーム」(1931)に密告者役として出演。 |
撮影場所、製作者 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 美術 | 音楽 | 役者 | その他 | ||
1931 |
いかさま勝負(未・The Skin Game) |
英・ジョン・マックスウェル |
ジャック・コックス |
★・アルマ・レヴィル |
戯曲・ジョン・ゴールズワーシー |
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C・V・フランス(当主)、ヘレン・ヘイ(妻)、ジル・エズモンド(娘、以上、ヒルクリスト家)、エドマンド・グウェイン(成金)、ジョン・ロングデン(長男)、フィリス・コンスタム(嫁)、フランク・ロートン(次男・以上ホーンブローワー家)、エドワード・チャップマン、R.E. ジェフリー(密告者)、 |
エドマンド・グウェインは「海外特派員」の殺し屋役、さらに「ハリーの災難」にも出演。 |
1932 |
リッチ・アンド・ストレンジ(未・Rich and Strange) |
英・ジョン・マックスウェル |
ジャック・コックス、チャールズ・マーティン |
アルマ・レヴィル、ヴァル・ヴァレンタイン |
デイル・コリンズ |
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ハル・ドルフ |
ヘンリー・ケンドール、ジョーン・バリー、パーシー・マーモント、ベティ・アマン、エルシー・ランドルフ(コミカルな女性)、ハンナ・ジョーンズ(アパートの家政婦)、ベティ・アマン(王女)。 |
女の脚が細くなる。 パーシー・マーモントはこの後「間諜最後の日」「第3逃亡者」に出演。主演のジョーン・バリーは「ゆすり」(1929)で英語のしゃべれないアニー・オンドラの声の吹き替えをしている。コミカルな中年女を演じたエルシー・ランドルフはイギリスレビューの人気女優で40年後に「フレンジー」(1972)でジョン・フィンチを密告するホテルの受付の女の役で出演している。 |
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第十七番(未・Number Seventeen) |
英・ジョン・マックスウェル |
ジャック・コックス |
★ |
戯曲・小説ジェファースン・ファージョン |
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レオン・M・ライオン、アン・グレイ、ジョン・ステュアート(刑事)、ドナルド・カールスロップ(敵ボス)、アン・カッスン(屋根から落ちて来る娘)。 |
ドナルド・カールスロップは「ゆすり」(1929)のゆすり屋を演じ、「殺人!」(1930)でもチョイ役で出演している。 |
1933 |
ウィーンからのワルツ(未。Waltzes from Vienna) |
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トム・アーノルドブロへ。初のコスチューム・プレイ |
1934 |
暗殺者の家(The Man Who New Too Mach) |
英・マイケル・バルコン |
カート・クーラント |
A・R・ロウリンスン、エドウィン・グリーンウッド、チャールズ・ベネット |
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アレフレッド・ジャンジ、ピーター・プラウド |
アーサー・ベンジャミン |
レスリー・バンクス、エドナ・ベスト、ピーター・ローレ、ピエール・フレネー、ノヴァ・ピルビーム、フランク・ヴォスパー(ポマードの射撃の名手)、ヒュー・ウェイクフィールド(親友)、ジョージ・カーズン(外務省秘書官ギブソン)、 |
ゴーモンブリティッシュ作品。再びマイケル・バルコンに拾われ、ゴーモン・ブリティッシュへ。ハンガリー出身のピーター・ローレのイギリス映画初出演。イギリス時代の最大のヒット作。アメリカでも大ヒット。最初に殺されるフランス人はピエール・フレネー。リメイク版ではダニエル・ジェランが演じた。日本で初めて公開されたヒッチコック映画。少女役のノヴァ・ピルビーム(14歳)は18歳で「第三逃亡者」のヒロイン役として再度出演。外務省の秘書官ギブソンを演じたジョージ・カーズンは「第3逃亡者」(1937)の「まばたき男」として出演。 |
1935 |
三十九夜(THE 39 STEPS) |
英・マイケル・バルコン・アイヴァ・モンタギュ |
バーナード・ノウルズ |
チャールズ・ベネット、アルマ・レヴィル |
ジョン・バカン |
オットー・ウエンドルフ、アルバート・ジュリオン |
ルイズ・レヴィ | ロバート・ドーナット、マデリーン・キャロル、ルシー・マンハイム(女スパイ)、ゴッドフリー・ティアール(小指のない男)、ペギー・アシュクロフト(農夫の妻)、ジョン・ローリー(農夫、)ウィリー・ワトスン(ミスター・メモリー)、フレデリック・パイパー(牛乳屋)。 |
ゴーモンブリティッシュ作品。ヒッチコックの敬愛するジョン・バカンの原作。マクガフィンが四方八方に炸裂する強烈な作品。マデリーン・キャロルはイギリスの女優だが当時既にジョン・フォード「世界は動く」(1934)でハリウッド映画に出演していた。次作「間諜最後の日」(1936)のヒロインとしても出演。ジョン・ローリは「ジュノーと孔雀」(1930)の息子役で出演している。 |
1936 |
間諜最後の日(SECRET |
英・マイケル・バルコン・アイヴァ・モンタギュ |
バーナード・ノウルズ |
チャールズ・ベネット |
小説サマセット・モーム・戯曲キャンベル・ディクスン |
オットー・ウエンドルフ、アルバート・ジュリオン |
ルイズ・レヴィ |
マデリーン・キャロル、ジョン・ギルバート、ピーター・ローレ、ロバート・ヤング、パーシー・マーモント、フローレンス・カーン(妻)。 |
ゴーモンブリティッシュ作品。第一次大戦期のスパイもの。「三十九夜」のマデリーン・キャロルと「暗殺者の家」(1934)のピーター・ローレが再び出演。原題はよく「THE SECRET AGENT」とされているが実際は「THE」が付かない。馭者を演じたのはフランスの舞台俳優ミシェル・サン=ドニ。 |
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サボタージュ(未・Sabotage) |
英・マイケル・バルコン、アイヴァ・モンタギュ |
バーナード・ノウルズ |
チャールズ・ベネット |
ジョゼフ・コンラッド |
オットー・ウエンドルフ、アルバート・ジュリオン |
ルイズ・レヴィ |
シルヴィア・シドニー、オスカー・ホモルカ、ジョン・ロダー(刑事)、スティーヴ=デズモンド・テスター(弟)。 |
シェファード=ゴーモンブリティッシュ作品。子供を爆弾で死なせたシークエンスについてヒッチコックはしきりに後悔している。 |
1937 |
第3逃亡者(Young and Innocent) |
英・エドワード・ブラック |
バーナード・ノウルズ |
チャールズ・ベネット、エドウィン・グリーンウッド、アンソニー・アームストロングジェラルド・サヴォリ |
ジョセフィーン・ティ |
アルフレッド・ジャンジ |
ルイズ・レヴィ |
ノヴァ・ピルビーム、パーシー・マーモント、エドワード・リグビー(浮浪者)、ジョージ・カーズン(まばたき男)、ベイジル・ラドフォード(ピルビームの伯父)。メリー・クレア(ノヴァ・ピルビームの伯母。 |
ゲインズボロー=ゴーモンブリティッシュ作品。「暗殺者の家」(1934)で誘拐される子供を演じたノヴァ・ピルビームがヒロイン。見事な変貌を遂げている。ノヴァ・ピルビームの叔父役で出演のベイジル・ラドフォードは次の「バルカン超特急」(1938)「巌窟の野獣」(1939)と3作続けて出演、伯母役のメリー・クレアも「バルカン超特急」に伯爵夫人役として続けて出演。「まばはき男」ジョージ・カーズンは「暗殺者の家」(1934)でイギリス外務省の秘書官ギブソン役で「巌窟の野獣」(1939)ではチャールズ・ロートンの知人役で出演している。 |
1938 |
バルカン超特急(The Lady vanishes) |
英・エドワード・ブラック |
ジャック・コックス |
シドニー・ギリアット、フランク・ローンダー |
エセル・リナ・ホワイト |
アレック・ヴェチンスキーモーリス・カーター、アルバート・ジュリオン |
ルイズ・レヴィ |
マーガレット・ロックウッド、マイケル・レッドグレープ、ポール・ルーカス(医者)、ディム・メイ・ウィッティ(消える女性)、セシル・パーカー(不倫の男)、リンデン・トラヴァース(不倫の女)、ノートン・ウェイン(英紳士二人組)、ベイジル・ラドフォード(紳士二人組)、メアリー・クレア(伯爵夫人)、グーギー・ウィザーズ(尼僧姿の女)、セルマ・バズ・ディアス(イタリア人奇術師)、メリー・クレア(伯爵夫人) |
ゲインズボロー作品。本物の列車の車輛を一台使っただけ。あとはすべてスクリーンプロセスとミニチュアで撮る。ディム・メイ・ウィッティは「断崖」(1941)でジョーン・フォンテーンの母役で出演。ベイジル・ラドフォードとノートン・ウェインの英紳士コンビはキャロル・リード「ミュンヘンへの夜行列車」(1940)でもまったく同じ役柄で出演している。 |
1939 |
巌窟の野獣(Jamaica Inn) |
英・エーリッヒ・ポマー、チャールズ・ロートン |
バーナード・ノウルズ、ハリー・ストラドリング |
シドニー・ギリアット、ジョーン・ハリソン |
ダフネ・デュ・モーリア |
トーマス・N・モラハン |
エリック・ファンビー |
チャールズ・ロートン、モーリン・オハラ、ロバート・ニュートン、レスリー・バンクス、マリー・ネイ(オハラの叔母)、ベイジル・ラドフォード、ジョン・ロングデン |
エーリッヒ・ポマーとは処女作「快楽の園」(1925)以来に組む。ボス、ジョン役には「暗殺者の家」(1934)のレスリー・バンクスが演じているが、強烈なメイクから同一人物には見えない。チャールズ・ロートンは「パラダイン夫人の恋」(1947)にも出演。大ヒット。ダフネ・デュ・モーリアの原作はその後「レベッカ」(1940)、「鳥」(1963)でも採用。 |
撮影場所、製作者 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 美術 | 音楽 | 役者 | その他 | ||
1940 |
レベッカ(Rebecca) |
米・セルズニック |
ショージ・バーンズ |
ロバート・E・シャーウッド、ジョーン・ハリソン |
ダフネ・デュ・モーリア |
ライル・ホイラー |
フランツ・ワックスマン |
ローレンス・オリヴィエ、ジョーン・フォンテイン、ジョージ・サンダース(遊び人)、ジュディス・アンダーソン(家政婦)、ナイジェル・ブルース(義兄)、セシル・オーブリー・スミス(財産管理人)、フローレンス・ベイツ(意地悪な女主人)、レジナルド・デニー、、レオ・G・キャロル(医者)、グラディス・クーパー(オリヴィエの姉)、 |
アメリカ初の作品。アカデミー賞作品賞。フローレンス・ベイツはヒッチコックが舞台から引っ張ってきた女優で映画初出演。ジョージ・サンダースは次の「海外特派員」(1940)に続いて出演。ジョーン・フォンテーンはナイジェル・ブルースと共に「断崖」(1941)と二度の出演。医師役のレオ・G・キャロルは続いて「断崖」(1941)「白い恐怖」(1945)「パラダイン夫人の恋」(1947)「見知らぬ乗客」(1951)「北北西に進路を取れ」(1959)とヒッチコックの俳優では最多の六本に出演。次はケーリー・グラントとジェームズ・スチュワートの4本。 |
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海外特派員(Foreign Correspondent) |
米・ウォルター・ウェンジャー |
ルドルフ・マテ |
チャールズ・ベネット、ジョーン・ハリソン |
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ウィリアム・キャメロン・メンジス、アレグザンダー・ゴリツェン |
アレフレッド・ニューマン |
ジョエル・マックリー、ラレイン・デイ、ハーバート・マーシャル、アルバート・バッサーマン(誘拐される男)、ジョージ・サンダース(記者)、ロバート・ベンチリー(記者)、ハリー・ダヴェンポート、イアン・ウルフ、フランシス・カーソン(ロンドンの午餐会で知り合う女)、チャールズ・ホールトン(記者) |
ウォルター・ウェンジャー=ユナイト。B級映画プロデューサ、ウォルター・ウェンジャー、そしてルドルフ・マテのヒッチコック映画参加はこの作品だけ。ストーリーの大筋を決めたのはウェンジャー。最後はベン・ヘクトが脚本と台詞を仕上げる。ナチのゲッペルスが大好きな映画。ハーバート・マーシャルの家の召使役のイアン・ウルフは「逃走迷路」(1942)でもオットー・クルーガーの屋敷の使用人として出演。フランシス・カーソンは「逃走迷路」(1942)の慈善パーティでアルマ・クルーガーを呼びに来る女の役で、また「疑惑の影」(1943)では未亡人役で出演。記者でチョイ役のチャールズ・ホールトンは続く「スミス夫妻」(1941)でロバート・モンゴメリーに結婚無効を告げる役人ディーバを、「逃走迷路」(1942)では保安官役で出演している。 |
1941 |
スミス夫妻(Mr. and Mrs. Smith) |
米・ハリー・E・エディントン |
ハリー・ストラドリング |
ノーマン・クラスナ |
ノーマン・クラスナ |
ヴァン・ネスト・ポルグレイズ、 |
ロイ・ウェッブ |
キャロル・ロンバート、ロバート・モンゴメリー、ジーン・レイモンド、ジャック・カーソン、マーレイ・アルパー(タクシー運転手)、チャールズ・ホールトン(役人ディーバ) |
RKO。日本で89年に劇場公開。 タクシー運転手役のマーレイ・アルパーはその後「逃走迷路」(1942)のトラック運転手、「見知らぬ乗客」(1951)の遊園地のボート係として出演。助監督にジュールス・ダッシン。 |
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断崖(Susption) |
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ハリー・ストラドリング |
サムソン・ラファウルソン、ジョーン・ハリソン、アルマ・レヴィル |
フランシス・アイルズ |
ヴァン・ネスト・ポルグレイズ |
フランツ・ワックスマン |
ケイリー・グラント、ジョーン・フォンテーン、ナイジェル・ブルース(親友)、セドリック・ハードウィック(フォンテーンの父)、ディム・メイ・ウィッティ(母)、イザベル・ジーンズ(車に乗っている女)、レオ・G・キャロル(不動産屋)、ヘザー・エンジェル(メイド)、オーリオル・リー(小説家)、 |
RKO。モーリン・オハラで撮る予定がフォンテーンになる。ケーリー・グラントはヒッチコック映画初出演。その後「汚名」(1946)、「泥棒成金」(1955)、「北北西に進路を取れ」(1959)に出演。フォンテーンがアカデミー主演女優賞受賞。セドリック・ハードウィックは「ロープ」(1948)にも出演。イザベル・ジーンズは「ふしだらな女」(1927)以来の出演。メイドのヘザー・エンジェルは「救命艇」(1944)で赤ん坊の母親役で出演。 |
1942 |
逃走迷路(Saboteur) |
米・フランク・ロイド、ジャック・H・スカーバル |
ジョセフ・ヴァレンタイン |
ピーター・ヴィアテル、ジョーン・ハリソン、ドロシー・パーカー |
ヒッチコック |
ジャック・オターソン |
チャールズ・プレヴィン、フランク・スキナー |
ロバート・カミングス、プリシラ・レイン、オットー・クルーガー(敵ボス)、ノーマン・ロイド、ボウハン・グレイザー(盲人)、ペドロ・デ・コルドバ(サーカス団団長)、ビリー・カーティス(小柄の大佐)、イアン・ウルフ(敵ボスの召使い)、アルマ・クルーガー(サットン夫人)、マーレイ・アルパー(トラック運転手)、フランシス・カーソン(慈善パーティでアルマ・クルーガーを呼びに来る女)、アラン・バクスター(子供を溺愛する若いスパイ)。チャールズ・ホールトン(保安官)。 |
企画をセルズニックがユニヴァーサルに売った初のユニヴァーサル作品。撮影中真珠湾が攻撃される。ユニヴァーサルに俳優を押し付けられた。オットー・クルーガーの役はハリー・ケリーにやらせたかった。ジョン・ハウスマンがノーマン・ロイドを見つけロイドは生涯ヒッチコックの朋友となる。ノーマン・ロイドは「白い恐怖」(1945)の患者役でも出演。 |
1943 |
疑惑の影(Shadow of a Doubt) |
ジャック・H・スカーバル |
ジョセフ・ヴァレンタイン |
ソートン・ワイルダー、アルマ・レヴィル、サリー・ベンソン |
ゴードン・マクドネル |
ジョン・B・グッドマン、ロバート・ボイル、セットデザイン・R・A・ガウスマン、L・R・ロビンソン |
ディミトリ・ティオムキン |
テレサ・ライト、ジョセフ・コットン、マクドナルド・ケリー(刑事)、ヘンリー・トラヴァース、パトリシア・コリンジ、ヒューム・クローニン、ウォーレス・フォード(刑事)、フランシス・カーソン(未亡人) |
ユニヴァーサル作品。ソートン・ワイルダーの協力にヒッチコックは感謝し冒頭賛辞を捧げている。ヒューム・クローニンの映画デビュー作。彼は続いて「救命艇」に出演。ウォーレス・フォードは「白い恐怖」(1945)でホテルのベンチでバーグマンにちょっかいを出す迷惑男として出演。 |
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救命艇(未・Lifeboat) |
ケネス・マックゴワン |
グレン・マック・ウィリアムズ |
ジョー・スワーリング | ジョン・スタインベック |
ジェイムズ・バセヴィ、モーリス・ランスフォード |
ヒューゴ・フリードホーファー |
タルラ・バンクヘッド(記者)、ウィリアム・ベンディックス、ヴァルター・シュレザーク、メアリー・アンダーソン、ジョン・ホディアク、ヘンリー・ハル、ヒューム・クローニン、カナダ・リー、ヘザー・エンジェル(赤ん坊の母親) |
20世紀フォックス作品。最後はベン・ヘクトが脚本の手直しに加わる。ドイツ人船長役のヴァルター・シュレザークはカール・ドライヤー「ミカエル」(1924)の主人公のきりりとした青年。 |
1945 |
白い恐怖(Spellbound) |
米・セルズニック |
ジョージ・バーンズ |
ヘン・ヘクト、潤色アンガス・マクファイル |
フランシス・ビーディング |
ジェイムズ・バセヴィ、ジョン・エウイング |
ミクロス・ローザ |
イングリッド・バーグマン、グレゴリー・ペック、 レオ・G・キャロル、ノーマン・ロイド、ロンダ・フレミング、マイケル・チェーホフ(恩師の教授)、ウォーレス・フォード(ホテルのロビーの迷惑な男)、アーヴィング・ベーコン(ラストシーンの駅員)、 |
セルズニック・インターナショナル=ユナイト作品。夢のシーンのデザインはサルバドール・ダリ。バーグマンは次の「汚名」(1946)「山羊座のもとで」(1949)に出演。音楽のミクロス・ローザがアカデミー賞獲得。配収700万ドルの大ヒット。 |
撮影場所、製作者 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 美術 | 音楽 | 役者 | その他 | ||
1946 |
汚名(Notorious) |
★・バーバラ・ケオン |
テッド・テズラフ |
ベン・ヘクト |
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アルバート・S・ダゴスティーノ、キャロル・クラーク、ダレル・シルヴェラ、クロード・カーペンター |
ロイ・ウエッブ |
ケーリー・グラント、イングリッド・バーグマン、ケーリー・グラント、クロード・レインズ、ルイス・カルハーン、レオポルディン・コンスタンティン、レインホルド・シュンツェル(科学者)、アイヴァン・トリーソール(車で同僚のナチを殺した男)。 |
RKO。セルズニックがまるごとRKOに売り飛ばした作品。ベン・ヘクトとふたりで脚本を書く。200万ドルの製作費で800万ドルの純益をあげる。原爆を扱ったせいでヒッチコックは3ヶ月FBIに尾行される。 |
1947 |
パラダイン夫人の恋(The Paradine Case) |
セルズニック |
リー・ガームス |
セルズニック、潤色アルマ・レヴィル |
ロバート・ヒチェンス |
ジョゼフ・マクミラン、トーマス・N・モラハン |
フランツ・ワックスマン |
グレゴリー・ペック、アリダ・ヴァリ、アン・トッド(ペックの妻)、チャールズ・ロートン(判事)、チャールズ・コバーン(弁護士)、エセル・バリモア、ルイ・ジュールダン、レオ・G・キャロル(検事)、ジョーン・テッツェル(コバーンの娘) |
セルズニック・インターナショナル=ユナイト作品。アリダ・ヴァリの役にはグレタ・ガルボを画策したが失敗。セルズニックと組んだ最後の作品。ベン・ヘクトがノンクレジットで参加 |
1948 |
ロープ(Rope) |
★・シドニー・バーンスタイン |
ジョセフ・ヴァレンタイン? |
潤色ヒューム・クローニン |
パトリック・ハミルトン |
ペリー・ファーグスン(「市民ケーン」(1941)の美術補佐。) |
レオ・F・フォーブスタイン |
ジェームズ・スチュワート、ジョン・ドール、ファーリー・グレンジャー、サー・セドリック・ハードウィック(被害者の父)、コンスタンス・コリアイーディス・エヴァンソン(家政婦)、ジョーン・チャンドラー(ジョン・ドールの元恋人)、ダグラス・ディック(ケネス)、ディック・ホーガン(デーヴィット・殺される男)、、 |
トランスアトランティック・ピクチャーズ=ワーナー。 62年日本公開。ヒッチコック初のカラー映画。ヒッチコックが初めて独立プロデューサとして撮った作品。ベン・ヘクトがノンクレジットで参加。ジョン・ドールの役はこの年デビューのモンゴメリー・クリフトにやらせたかったらしい。家政婦役のイーディス・エヴァンソンは「マーニー」(1964)の耳の遠い掃除婦役で出演。ファーリー・グレンジャーは「見知らぬ乗客」(1951)の主人公でも出演。 |
1949 |
山羊座のもとに(未・Under Capricorn) |
英・★・シドニー・バーンスタイン |
ジャック・カーディフ、ポール・ビースン、イアン・クレイグ、テ゜イウ゜ィッド・マックネイリージャック・ヘイスト |
ジェイムズ・ブライディ、潤色ヒューム・クローニン |
ヘレン・シンプスン |
トーマス・N・モナハン |
リチャード・アディンセル |
バーグマン。ジョセフ・コットン、マイケル・ワイルディング、マーガレット・レイトン、セシル・パーカー(知事)、ジャック・ワトリング(秘書ウインター) |
トランスアトランティック・ピクチャーズ=ワーナー。イギリスで撮る。三作目にして最後のコステューム・プレイ。「ロープ」に次いでヒッチコックが独立プロデューサとなって撮った。カラー。完成直前にバーグマンはロッセリーニと知り合いその後イタリアへ駆け落ち。マイケル・ワイルディングは次の「舞台恐怖症」(1950)に続けて出演。ヒューム・クローニンにシナリオの協力を頼んでしまったのが間違い。脚本にジェイムズ・ブライディを起用したのも間違いとヒッチコック。バーグマンは長回しに怒り狂ったとヒッチ。 |
1950 |
舞台恐怖症(未・STAGE FRIGHT) |
★ |
ウィルキー・クーパー |
ホイットフィールド・クック・潤色アルマ・レヴィル |
セルウィン・ジェプスン、 |
テレンス・ヴェリティ |
レイントン・ルーカス |
ジェーン・ワイマン、マレーネ・デートリッヒ、マイケル・ワイルディング、リチャード・トッド、アラステア・シム(ワイマンの父)、、シビル・ソーンダイク(ワイマンの母)、ヘクター・マクレガー(デートリッヒのマネージャー) |
A・B・P・C=ワーナー・ブラザーズ作品。モノクロ。ロンドンで撮影。ジェーン・ワイマンはロナルド・ケーガンと離婚直後で出演。アルマ・レヴィル最後のクレジット。偽りの回想が問題となる。 |
1951 |
見知らぬ乗客(Strangers on a train) |
★ |
ロバート・バークス |
レイモンド・チャンドラー、チェンチ・オーモンド脚色ホイットフィールド・クック |
パトリシア・ハイスミス |
エドワード・S・ハワース、ジョージ・ジェイムズ・ホプキンス |
ディミトリ・ティオムキン |
ファーリー・グレンジャー、ロバート・ウォーカー、ルース・ローマン、レオ・G・キャロル、パトリシア・ヒッチコック、ローラ・エリオット(殺される妻)、マリオン・ローン(ウォーカーの母)、ロバート・ギスト、ノーマ・バーデン(パーティで首を絞められる女)、マーレイ・アルパー(貸しボート係) |
ワーナー・ブラザーズ作品。モノクロ。前二作の不評を挽回。ヒッチコック自信が選んだ題材。クレジットのチャンドラーとは上手く行かず。犯人役のロバート・ウォーカーは翌年急死。ファーリー・グレンジャーではなく、ウィリアム・ホールデンにやらせたかったとヒッチコック。 |
1952 |
私は告白する(I Confess) |
★・バーバラ・ケオン |
ロバート・バークス |
ジョージ・タボリ、ウィリアム・アーチボルド |
ポール・アンセルメ(戯曲) |
エドワード・S・ハワース、ジョージ・ジェイムズ・ホプキンス |
ディミトリ・ティオムキン |
モンゴメリー・クリフト、アン・バクスター、カール・マルデン(刑事)、ブライアン・エイハーン(検事)、O・E・ハッセ(使用人)、ドリー・ハース(妻)ロジャー・ダン(バクスターの夫)、ドリー・ハース、シャルル・アンドレ(ミレ神父)、オヴィラ・ルガール(弁護士) |
ワーナー・ブラザーズ作品。モノクロ。いやいや買わされた企画とヒッチは言う。モンゴメリー・クリフト、カール・マルデンはアクターズ・スタジオ出身。ヒッチコックはアン・バクスターの代わりに「令嬢ジュリー」に出演したアニタ・ビョルクを使いたかった。 |
1954 |
ダイヤルMを廻せ!」(Dial M for Murder) |
★ |
ロバート・バークス |
フレデリック・ノット |
フレデリック・ノット(戯曲) |
エドワード・キャレール |
ディミトリ・ティオムキン |
レイ・ミランド、グレース・ケリー、ロバート・カミングス、ジョン・ウィリアムズ(刑事)、アンソニー・ドーソン(殺される男)、 |
ワーナー・ブラザーズ作品。カラー。3D用に撮られたが3Dブームが去ったため公開は普通版となる。グレース・ケリー初のヒッチコック出演。その後「裏窓」(1954)「泥棒成金」(1955)と二本続けて出演。「逃走迷路」(1942)のロバート・カミングスがグレース・ケリーの恋人役。刑事のジョン・ウィリアムズは「泥棒成金」(1955)でも出演。 |
|
裏窓(Rear Window) |
★ |
ロバート・バークス |
脚色ジョン・マイクル・ヘイズ |
コーネル・ウールリッチ |
ハル・ペレイラ、ジョゼフ・マクミラン・ジョンスン、サム・コマー、レイ・メイヤー |
フランツ・ワックスマン |
ジェームズ・スチュワート、グレース・ケリー、セルマ・リッター、ウェンディル・コリー、レイモンド・バー、ジュディス・イヴリン(ミス・ロンリーハート)、 |
パラマウント作品。カラー。アパート全体が実物大のセット。ヒッチコックは「純粋な見た目のショットの映画だね」と語っている。 |
1955 |
泥棒成金(To Catch a Thief) |
★ |
ロバート・バークス |
脚色ジョン・マイクル・ヘイズ |
デヴィッド・ドッジ |
ハル・ペレイラ、ジョゼフ・マクミラン・ジョンスン、サム・コマー |
リン・マーレイ |
ケーリー・グラント、グレース・ケリー、ジェシー・ロイス・ランディス(ケリーの母)、ジョン・ウィリアムズ、シャルル・ヴァネル、ブリジット・オベール(ダニエル)、/ |
パラマウント作品。引退していたケーリー・グラントがヒッチコックに「グレース・ケリーとキスさせてやるから出ろ」と言われて出る。 |
1956 |
ハリーの災難(The Trouble with Harry) |
★ |
ロバート・バークス |
脚色ジョン・マイクル・ヘイズ |
ジャック・トレヴァー |
ハル・ペレイラ、ジョン・グッドマン、サム・コマー、エミール・クリ |
バーナード・ハーマン |
エドマンド・グウェイン、ジョン・フォーサイス、シャーリー・マクレーン、ミルドレッド・ナトウィック、ロイヤル・ダノ(保安官)、ミルドレッド・ダンノック(雑貨屋の女主人)。 |
パラマウント作品。カラー。31日で撮られる。シャーリー・マクレーン映画初出演。ジョン・フォーサイスはこの後「トパーズ」(1969)で出演・ヒッチコック劇場にも常連として出る。 |
|
知りすぎていた男(The Man Who Knew Too Match) |
★ |
ロバート・バークス |
ジョン・マイクル・ヘイズ 、アンガス・マックフェイル |
チャールズ・ベネット、D・B・ウィンダム・ルイス |
ハル・ペレイラ、ヘンリー・バムステッド |
バーナード・ハーマン。「ケ・セラ・セラ」はジェイ・リビングストン作詞レイ・エバンズ作曲。アルバートホールの曲はアーサー・ベンジャミン「ストーム・クラウド・カンタータ」 |
ジェームズ・スチュワート、ドリス・デイ、ダニエル・ジェラン(殺されるエージェント)、ブレンダ・デ・バンジー(スパイ夫婦)、バーナード・マイルズ(スパイ夫婦)、ラルフ・トルーマン(警部)、レジー・ナルダー(暗殺者)、 |
フィルワイト・プロダクションズ=パラマウント作品。カラー。パラマウントの意向で「暗殺者の家」(1934)をセルフリメイク。音楽のバーナード・ハーマンは指揮者で出演。美術のヘンリー・バムステッドと初めて組む。 |
1957 |
間違えられた男(The Wrong Man) |
● |
ロバート・バークス |
マックスウェル・アンダーソン、アンガス・マックフェイル |
マックスウェル・アンダーソン |
ポール・シルバート、ウィリアム・L・キュエール |
バーナード・ハーマン |
ヘンリー・フォンダ、ヴェラ・マイルズ、アンソニー・クエイル(弁護士)、ハロルド・J・ストーン(警部)、チャールズ・クーパー(刑事)、 |
ワーナー・ブラザーズ作品。モノクロ。ヒッチコック初の実話の映画化。 |
1958 |
めまい(Vertigo) |
★ |
ロバート・バークス |
アレック・コペル、サミュエル・テイラー |
ピエール・ボワロー、トーマ・ナルスジャック |
ハル・ペレイラ、ヘンリー・バムステッド、サム・コマー、フランク・マッケルヴェイ |
バーナード・ハーマン |
ジェームズ・スチュワート、キム・ノヴァク、バーバラ・ベル・ゲデス、トム・ヘルモア、 |
パラマウント作品。カラー。以降「サイコ」(1960)以外はすべてカラー。ヒッチコックはヴェラ・マイルズのために構想したがヴェラ・マイルズが妊娠ため果たせず。ヒットせず。 |
1959 |
北北西に進路を取れ(North by Northwest) |
★ |
ロバート・バークス |
アーネスト・レーマン |
|
ロバート・ボイル、ウィリアム・A・ホーニング、メリル・パイ、ヘンリー・グレイス、フランク・マッケルヴェイ |
バーナード・ハーマン |
ケーリー・グラント、エヴァ・マリー・セイント、ジェイムズ・メイスン、ジェシー・ロイス・ランディス、レオ・G・キャロル、マーティン・ランドー、アダム・ウィリアムズ(ナイフ使い) |
初のMGM作品。エヴァ・マリー・セイントはアクターズ・スタジオ出身。ヒッチコックはシド・チャリシーをヒロインにしたかった。終盤の隠れ家は、フランク・ロイド・ライトの設計した邸のコピー。ラストシーンで列車がトンネルの中に入ってゆくのは男根のシンボル |
1960 |
サイコ(Psycho) |
★ |
ジョン・L・ラッセル |
ジョゼフ・ステファーノ |
ロバート・ブロック |
ジョゼフ・ハーレイ、ロバート・クラトウォーシー、ジョージ・ミロ |
バーナード・ハーマン |
ジャネット・リー、アンソニー・パーキンス、ヴェラ・マイルズ、ジョン・ギャヴィン、マーティン・バルサム、ジョン・マッキンタイア、サイモン・オークランド、パトリシア・ヒッチコック、フランク・アルバートソン(不動産の取引相手) |
パラマウント作品。モノクロ。製作費わずか80万ドルで大ヒット。テレビのスタッフで撮る。 |
1963 |
鳥(The Birds) |
★ |
ロバート・バークス |
エヴァン・ハンター |
ダフネ・デュ・モーリア |
ロバート・ボイル、ジョージ・ミロ |
バーナード・ハーマン |
ロッド・テイラー、ティッピ・ヘドレン、ジェシカ・ダンディ、スザンナ・プレシェット、ベロニカ・カートライト、 |
ユニヴァーサル作品。音楽のない映画。はじめて電子で効果音を出す。雀が暖炉から入って来たあとのシークエンスについて初めて即興演出をする。ティッピ・ヘドレンの映画デビュー作。ティッピ・ヘドレンは続いて「マーニー」(1964)にも出演。 |
1964 |
マーニー(Marnie) |
★ |
ロバート・バークス |
ジェイ・プレッスン・アレン |
ウィンストン・グレアム |
ロバート・ボイル、ジョージ・ミロ |
バーナード・ハーマン |
ティッピ・ヘドレン、ショーン・コネリー、ダイアン・ベイカー、マーティン・ギャベル、ルイーズ・ラサム、マリエット・ハートレイ(秘書)、ブルース・ダーン(水兵)、ミルトン・セルツァー(競馬場のしつこい男)。 |
ユニヴァーサル作品。ヒッチコックはグレース・ケリーで撮りたかった。撮影中にケネディが暗殺される。ロバート・バークス、バーナード・ハーマン、編集のジョージ・トマシーニとはこれが最後の仕事となる。 |
1966 |
引き裂かれたカーテン(Torn Curtain) |
★ |
ジョン・F・ウォーレン |
ブライアン・ムーア |
ブライアン・ムーア |
フランク・アリゴ、ヘイン・ヘックロス、ジョージ・ミロ |
ジョン・アディソン |
ポール・ニューマン、ジュリー・アンドリュース、リラ・ケドロヴァ(亡命希望の伯爵夫人)、ハンスイェルク・フェレミー(秘密国家警察ボス)、ウォルフガング・キーリング(オーブンで焼かれる男)、タマラ・トゥマノーヴァ(バレリーナ)、ギュンター・ストラック(マンフレッド教授)、ルドウィッヒ・ドナト(教授)、 |
ユニヴァーサル作品。バーナード・ハーマンとの確執で彼との最後の作品となる。照明はほとんど自然光をレフ版に反射させて、どのシーンも薄いグレーの紗をかけて撮影。 |
1969 |
トパーズ(Topaz) |
★ |
ジャック・ヒルドヤード |
サミュエル・テイラー |
レオン・ユリス |
|
モーリス・ジャール |
フレデリック・スタフォード、ダニー・ロバン(妻)、ジョン・ヴァーノン(キューバの幹部)、カレン・ドール(未亡人)、ミシェル・ピッコリ、フィリップ・ノワレ、クロード・ジャド、ミシェル・シュボール、ロスコー・リー(黒人の部下) |
ユニヴァーサル作品。ヒッチコックの企画でなく、原作からキャスティングまですべて押し付けられて撮る。 |
1972 |
フレンジー(Frenzy |
★ |
ジル・テイラー |
アンソニー・シェーファー |
アーサー・ラ・バーン |
ボブ・ラング |
ロン・グットセウィン |
ジョン・フィンチ(ブレイニー)、アレック・マッコーエン(警部)、バリー・フォスター(ラスク)、バーバラ・リー=ハント(元妻)、アンナ・マッシー(バブス)、ヴィヴィアン・マーチャント(警部夫人)、ビリー・ホワイトロウ(戦友の妻)、クライヴ・スウィフト(戦友)、マイクル・ベイツ(刑事)、ジーン・マーシュ(秘書)、バーナード・クリヴィンス(パブの店長)、エルシー・ランドルフ(ホテルの受付係) |
ユニヴァーサル作品。「舞台恐怖症」(1950)以来21年ぶりに故郷のロンドンで撮る。音楽はヘンリー・マンシーニが途中で降ろされる。ホテルの受付嬢のエルシー・ランドルフは「リッチ・アンド・ストレンジ」(1932)以来の出演。 |
1976 |
ファミリープロット(Famiry Plot) |
★ |
レナード・J・サウス |
アーネスト・レーマン |
ヴィクター・カニング |
舞台装置 ジェームズ・W・ペイン? |
ジョン・ウィリアムズ |
バーバラ・ハリス、ブルース・ダーン、カレン・ブラック、ウィリアム・ディヴェイン、エド・ローター、チャールズ・タイナー(石屋)。 |
ユニヴァーサル作品。53本目のヒッチコック映画で遺作。ヒッチコック73歳。脚本は「北北西に進路を取れ」(1959)以来のアーネスト・レーマン。音楽のジョン・ウィリアムズと初めて組む。ブルース・ダーンの役はアル・パチーノに頼みたかったがギャラが高くて実現せず。 |