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藤村隆史論文ヒッチコック・ホークス主義
ヒッチコック回想表
1映画開始後に起きた出来事を新しく作られたイメージ映像で回想する
●「三十九夜」殺された女スパイがロバート・ドーナットに情報を教えるシーンの回想、
●「下り坂」(1927)雑貨屋の娘が盗難事件のあらましを述べるシーン
●「農夫の妻」(1928)終わった結婚パーティを回想するショット、
●「ゆすり」(1929)殺された画家の奇妙な手の映像、
●「シャンパン」(1928)男たちのクローズアップの映像
2映画の中の時間の出来事でありながら映像として撮られていなかった出来事の映像をあとから流したもの
●「めまい」教会で実際に起きた殺人シーンをキム・ノヴァクが回想する
●「引き裂かれたカーテン」タクシーの運転手が警察で証言している時に入る短い回想、
●「フレンジー」ウエイトレス(アンナ・マッシー)が殺害されるシーン
3映画の時間の中で実際に流された映像が短い回想で一瞬映し出されるもの
●「バルカン超特急」マーガレット・ロックウッドが直前の女友達の駅の見送りシーンを回想する
●「逃走迷路」スパイの住所の書かれた封筒の回想
●「トパーズ」終盤の飛行機の中での短い回想など、
4声だけの回想
●「巌窟の野獣」チャールズ・ロートンが召使いを呼ぶ時の「セージュイック!」という声がラストシーンで流される
●「白い恐怖」レオ・G・キャロルが発した「knew」という声だけが何度も反復される
●「フレンジー」法廷で無実を叫ぶジョン・フィンチの声の回想、
ここに提示された回想はすべて映画開始後の出来事を一瞬だけする回想であり映画以前に生起した「過去」の回想を長きにわたって挿入するのとは異なる。
5過去の出来事の回想
●「下宿人」●「ふしだらな女」●「舞台恐怖症」●「私は告白する」●「マーニー」