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成瀬巳喜男の部屋
題名赤字は現存しない作品。撮影所「蒲田」は松竹蒲田。「成瀬」とは成瀬巳喜男。現存68本、喪失22本
撮影所 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術 | 音楽 | 録音 | 編集 | 時代背景、その他 | |||
1930 | チャンバラ夫婦 | 蒲田 | 杉本正次郎 | 赤穂春雄(城戸四郎) | 赤穂春雄(城戸四郎) | 監督デビュー作。城戸四郎原作。夫婦喧嘩の短編ドタバタコメディ。吉谷久雄。妻吉川満子。息子青木富夫。女給若葉信子。 | ||||||
純情 | 蒲田 | 杉本正次郎 | 水島あやめ | 水島あやめ | 短編。涙の名子役、高尾光子主演。弟の進学のため東京で働くことを決心し家を出る少女の物語 | |||||||
押切新婚記 | 蒲田 | 杉本正次郎 | 池田忠雄 | 成瀬 | 短編コメディ。密かに恋した娘が実は親友に惚れていて、男は書き置きを残して家出をする。 | |||||||
不景気時代 | 蒲田 | 杉本正次郎 | 柳井隆雄 | 成瀬 | 短編喜劇 | |||||||
愛は力だ | 蒲田 | 杉本正次郎 | 柳井隆雄 | 柳井隆雄 | 6巻もの。戦争成金の息子結城一郎は許婚の川崎弘子に実は愛している男、毛利輝夫がいると知って助力し、自分も密かに思いを寄せていた女給の龍田静江と結ばれるメロドラマ。成瀬は監督失格の烙印を押され、ローテーションをはずされる。 | |||||||
1931 | ねえ興奮しちやいやよ | 蒲田 | 杉本正次郎 | 池田忠雄 | 池田忠雄 | 斎藤寅次郎の代役で撮った短編ナンセンス喜劇 | ||||||
二階の悲鳴 | 蒲田 | 三浦光男 | 成瀬 | 成瀬 | 成瀬初の原作・脚本兼任。居候をめぐる夫婦喧嘩の短編。吉谷久雄。妻・若葉信子。居候・山口勇。 | |||||||
腰弁頑張れ | 蒲田 | 三浦光男 | 成瀬 | 成瀬 | 現存する成瀬巳喜男の最古のフィルム ★9満州事変勃発 山口勇。浪花友子・妻。加藤清一・息子。明山静江・戸口の妻。菅原秀雄・戸口の息子。関時男・保険勧誘員。 |
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浮気は列車に乗って | 蒲田 | 三浦光男 | 成瀬 | 貧乏を抜け出すために息子を女房の実家に預けようと考えた画家が夫婦と息子で実家のある漁村へ行くったところ、親達から追い出されて逃げ帰るという話。3巻もの | ||||||||
髭の力 | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 成瀬 | 成瀬 | 子連れ夫婦のナンセンス喜劇。3巻もの | |||||||
隣の屋根の下 | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 木村義勇 | 木村義勇 | 夫婦もののコメディ。4巻もの | |||||||
1932 | 女は袂を御用心 | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 成瀬 | 成瀬 | 独身サラリーマンの恋人捜し喜劇。3巻もの | ||||||
青空に泣く | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 水島あやめ | 水島あやめ | 親を失った姉弟の物語。ラストシーンは、死んだ弟の欲しがっていた玩具の飛行機を、姉が川に流すというもの。5巻もの。 | |||||||
偉くなれ | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 成瀬 | 成瀬 | 子連れ夫婦のコメディ。4巻もの | |||||||
蝕める春 | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 小田喬 | 菊池寛 | サウンド。14巻で初の大作。恋愛ドラマ。 | |||||||
チョコレートガール | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 永見隆二 | 永見隆二 | 水久保澄子主演の青春映画。6巻。女給の水久保澄子か最後は結婚して家を出る。 | |||||||
生さぬ仲 | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 野田高悟 | 柳川春葉 | 野口省三 | 浜田辰雄 | 池田義信の処女作のリメイク。ヘンリー・キング「ステラ・ダラス」(1925)の影響あり。 | |||||
菓子のある東京風景 | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 明治製菓嘱託の宣伝映画 | |||||||||
1933 | 君と別れて | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 成瀬 | 成瀬 | 野口省三 | 浜田辰雄 | 成瀬のオリジナル映画 「小津は二人要らない」と所長の城戸四郎に言われる。吉川満子。磯野秋雄・弟。水久保澄子。河村黎吉・父。富士龍子・母。藤田陽子・妹。突貫小僧・弟。関口小太郎。若宮満・以上不良少年。小藤田正一・学生。新井淳・吉川満子の夫。飯田蝶子・芸者屋の女将。若水絹子。若水照子。藤田房子。光川京子・以上芸者。竹内良一。小林十九二。日守新一。江川宇礼雄・以上お客。 |
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夜ごとの夢 | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 池田忠雄 | 成瀬 | 野口省三 | 浜田辰雄 | 五所平之助を中心とした映画同人会「スタジオ・F」に参加、藤本真澄と知り合う | |||||
僕の丸髷 | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 斎藤良輔 | 斎藤良輔 | 水久保澄子主演のラブコメディで、恋人共々同じアパートに下宿する映画とのこと。二人は結婚して終わる。 | |||||||
双眸 | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 柳井隆雄 | 題名は「そうぼう」、と読む。田中絹代主演のメロドラマ。逢初夢子が敵役。 | ||||||||
謹賀新年 | 蒲田 | 蒲田専属俳優の、新年のご挨拶映画。 | ||||||||||
1934 | 限りなき舗道 | 蒲田 | 猪飼助太郎 | 池田実三 | 北村小松 | 野口省三 | 周襄吉 | 6月、松竹に辞表を提出し、PCLへ移籍 | ||||
撮影所 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術 | 音楽 | 録音 | 編集 | ||||
1935 | 乙女ごヽろ三人姉妹 | PCL | 鈴木博 | 成瀬 | 川端康成 | 久保一雄 | 紙恭輔 | 杉井幸一 | 岩下廣一 | PCLへ移籍。成瀬初のトーキー映画。 | ||
女優と詩人 | PCL | 鈴木博 | 永見隆二 | 中野実 | 久保一雄 | 伊藤昇 | 杉井幸一 | 岩下廣一 | 後に結婚する千葉早智子と初の仕事 | |||
妻よ薔薇のやうに | PCL | 鈴木博 | 成瀬 | 中野実 | 久保一雄 | 伊藤昇 | 杉井幸一 | 岩下廣一 | キネマ旬報ベスト1。1937年、ニューヨークで日本のトーキー映画初の海外公開。だがフランク・S・ニュージェント(当時批評家)に酷評され、一週間で打ち切り。 | |||
サーカス五人組 | PCL | 鈴木博 | 伊馬鵜平 | 古川緑波 | 山崎醇之輔 | 紙恭輔 | 市井綱二 | 岩下廣一 | 古川緑波の舞台台本「悲しきジンタ」が原作 | |||
噂の娘 | PCL | 鈴木博 | 成瀬 | 成瀬 | 山崎醇之輔 | 伊藤昇 | 道源勇二 | 岩下廣一 | チェーホフ「桜の園」に想を得る。「君と別れて」以来の成瀬オリジナル | |||
1936 | 桃中軒雲右衛門 | PCL | 鈴木博 | 成瀬 | 真山青果 | 北猛夫 | 伊藤昇 | 山口淳 | 岩下廣一 | 2.26事件 4月29日公開 |
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君と行く路 | PCL | 鈴木博 | 成瀬 | 三宅由岐子 | 北猛夫 | 伊藤昇 | 道源勇二 | 岩下廣一 | ★秋頃から、内務省の検閲基準が国粋主義的に。輸入規制・接吻・姦通厳禁 | |||
朝の並木道 | PCL | 鈴木博 | 成瀬 | 成瀬 | 北猛夫 | 伊藤昇 | 山口淳 | 岩下廣一 | 成瀬巳喜男のオリジナル | |||
1937 | 女人哀愁 | PCL・入江プロ | 三浦光雄 | 成瀬・田中千禾夫(田中澄江の夫) | 成瀬 | 戸塚正夫 | 江口夜詩 | 道源勇二 | 岩下廣一 | 1月、女優の千葉早智子と結婚。婿養子として戸籍上は千葉姓となる。 | ||
雪崩 | PCL | 立花幹也 | 成瀬 | 大佛次郎 | 北猛夫 | 飯田信夫 | 鈴木勇 | 岩下廣一 | 助監督黒澤明。酷評される。ここから「めし」に至る14年間が、成瀬のスランプ時代と「一般には」言われている。 | |||
禍福 前編 | PCL・入江プロ・高田プロ | 三浦光雄 | 岩崎文隆 | 菊池寛 | 北猛夫 | 仁木他喜雄 | 鈴木勇 | 後藤敏雄 | 7.7盧溝橋事変 10月1日「禍福・前編」(1937)公開。 |
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禍福 後編 | 鈴木博 | 岩崎文隆 | 菊池寛 | 北猛夫 | 伊藤昇 | 鈴木勇 | 後藤敏雄 | 前編とキャメラマン、音楽が違う。 | ||||
1938 | 鶴八鶴次郎 | 東宝 | 伊藤武夫 | 成瀬 | 川口松太郎 | 久保一雄 | 飯田信夫 | 道源勇二 | 岩下廣一 | アメリカ映画「ボレロ」の翻案。明治もの。山田五十鈴東宝入社第一作。伊藤武夫は長谷川一夫の専属カメラマン | ||
撮影所 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術 | 音楽 | 録音 | 編集 | ||||
1939 | はたらく一家 | 東宝 | 鈴木博 | 成瀬 | 徳永直 | 岸田九一郎 | 松山崇 | 太田忠 | 下永尚 | 岩下廣一 | 4.5映画法公布 9第二次世界大戦開始 |
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まごヽろ | 東宝 | 鈴木博 | 成瀬 | 石坂洋次郎 | 藤林甲 | 中古智 | 服部正 | 下永尚 | 井出玉江 | 中古智、成瀬との初の仕事。 | ||
1940 | 旅役者 | 東宝東京 | 木塚誠一 | 成瀬 | 宇井無愁 | 佐藤快哉 | 安倍輝明 | 早坂文雄 | 長谷部慶次 | 後藤敏雄 | この当時、千葉早智子と離婚 ●検閲に「小市民映画、個人の幸福のみを描くものを一切禁止する」が加わる |
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1941 | なつかしの顔 | 東宝京都 | 木塚誠一 | 成瀬 | 丸川武郎 | 北村高敏 | 太田忠 | 荏原信 | 松浦茂 | 短編映画。 1内務省、劇映画・製作本数制限実施・劇映画の二本立て不可能に |
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上海の月 | 東宝東京・中華電影公司 | 三村明 | 山形雄策 | 松崎啓次 | 大沼正喜 | 松山崇 | 服部良一 | 荏原信 | 岩下廣一 | |||
秀子の車掌さん | 南旺映画 | 東健 | 成瀬 | 井伏鱒二 | 服部脩 | 小池一美 | 飯田信夫 | 橋本要 | 南旺映画は東方傘下の製作会社。高峰秀子、製作の藤本真澄(さねずみ)と初のコンビ 12月太平洋戦争勃発 |
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1942 | 母は死なず | 東宝 | 木塚誠一 | 猪俣勝人 | 河内仙介 | 平田光治 | 北川恵笥 | 服部正 | 村山絢二 | 長沢嘉樹 | ||
1943 | 歌行燈 | 東宝 | 中井朝一 | 久保田万太郎 | 泉鏡花 | 岸田九一郎 | 平川透 | 深井史郎 | 道源勇二 | 長沢嘉樹 | 明治もの | |
1944 | 愉しき哉人生 | 東宝 | 伊藤武夫 | 成瀬巳喜男 八住利雄 |
岸田九一郎 | 北川恵笥 | 鈴木静一 | 山田辰男 | 後藤敏男 | |||
芝居道 | 東宝 | 小倉金弥 | 八住利雄 | 長谷川幸延 | 平岡岩治 | 中古智 | 清瀬保二 | 岡崎三千雄 | 明治もの | |||
1945 | 勝利の日まで | 東宝 | 立花幹也・木塚誠一 | サトウ・ハチロー | 西川鶴三 | 北猛夫 | 鈴木静一 | 村山絢二 | ||||
三十三間堂通し屋物語 | 東宝 | 鈴木博 | 小国英雄 | 藤林甲 | 河東安英 | 長沢嘉樹 | 成瀬巳喜男初の時代劇。マキノ雅弘(当時松竹京都撮影所長)に頼んで松竹京都の撮影所を借りて撮る。何度も空襲で撮影が中止される。 8戦争終結 |
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撮影所 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術 | 音楽 | 録音 | 編集 | ||||
1946 | 浦島太郎の後裔 | 東宝 | 山崎一雄 | 八木隆一郎 | 藤林甲 | 安倍輝明 | 山田和男 | 岡崎三千雄 | 長沢嘉樹 | 成瀬巳喜男、戦後初の映画。フランク・キャプラ「群衆」が下敷きとなる | ||
俺もお前も | 東宝 | 山崎一雄 | 成瀬 | 成瀬 | 平岡岩治 | 河東安英 | 伊藤昇 | 藤好昌生 | 長沢嘉樹 | キャメラマン三浦光雄の紹介でこの頃、岩淵恒子と再婚、 | ||
1947 | 四つの恋の物語(第二話・別れも愉し) | 東宝 | 木塚誠一 | 小国英雄 | 伊藤一男 | 江坂実 | 早坂文雄 | 岡崎三千雄 | 東宝第二次争議でスター等大量離脱し新東宝設立。東宝に残った者たちによって撮られた分裂後の第一作。オムニバスの短編 | |||
1948 | 春のめざめ | 東宝 | 中尾駿一郎 | 八住利雄 成瀬 |
若月荒夫 | 北川恵笥 | 飯田信夫 | 藤好昌生 | 岡崎三千雄 | 東宝大争議でフリーとなる | ||
1949 | 不良少女 | 東横京都 | 玉井正夫 | 成瀬 | 田村泰次郎 | 西川鶴三 | 堀保治 | 服部良一 | 武山大蔵 | ★戦後の作品の中で、唯一フィルムが失われた作品。松竹の委託作品として、東横映画で撮る キャメラマンの玉井正夫と初めて組む 「映画芸術協会」に参加、 ★成瀬の住居、祖師谷大蔵町に移転 |
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1950 | 石中先生行状記 | 新東宝・藤本プロ | 鈴木博 | 八木隆一郎 | 石坂洋二郎 | 平岡岩治 | 中古智 | 服部正 | 片岡造 | 長田信 | 後の成瀬映画の常連となる中北千枝子、成瀬映画初出演 公開後の3月に東宝争議解決する |
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怒りの街 | 東宝 | 玉井正夫 | 成瀬 西亀元貞 |
丹羽文雄 | 島百味 | 江坂実 | 飯田信夫 | 三上長七郎 | 坂東良治 | |||
白い野獣 | 東宝 | 玉井正夫 | 成瀬 西亀元貞 |
島百味 | 平川透徹 武田正夫 |
伊福部明 | 三上長七郎 | 坂東良治 | 6月3日公開。 ★6.25朝鮮戦争勃発 マッカーサー言論機関のレッドパージを勧告 |
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薔薇合戦 | 松竹京都・映画芸術協会 | 竹野治夫 | 西亀元貞 | 丹羽文雄 | 寺田重雄 | 松山崇 | 鈴木静一 | 高橋太郎 | 相良久 | 10月28日公開 「限りなき舗道」(1934)以来の松竹作品。 |
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1951 | 銀座化粧 | 新東宝 | 三村明 | 岸松雄 | 井上友一郎 | 大沼生喜 | 河野鷹思 | 鈴木静一 | 神谷正和 | 笠間秀敏 | 製作後、映画芸術協会を解散し、東宝へ移る。成瀬、岸の脚本に手を入れ、林芙美子「堕落した女」を借用して女給像を描く | |
舞姫 | 東宝 | 中井朝一 | 新藤兼人 | 川端康成 | 岸田九一郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 保坂有明 | 岡田茉莉子デビュー作。成瀬がオファーを受けた時には、すでに新藤兼人の脚本が出来上がっていた | |||
撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術 | 音楽 | 録音 | 編集 | |||||
めし | 東宝 | 玉井正夫 | 井出俊郎、 田中澄江 |
林芙美子 | 西川鶴三 | 中古智 | 早坂文雄 | 藤好昌生 | 原作林芙美子の遺作で成瀬初の林芙美子原作。林は作品連載中急逝、作品後半はオリジナルとなる。千葉泰樹監督の代役で撮る。以降成瀬作品に林芙美子は常連となる。長屋はオープンセットで窪地にする。「めし」以降の成瀬は、台本の削除、書き換えをするようになる。大ヒット。小林桂樹、成瀬映画初出演。結婚5年目の倦怠期夫婦の物語 | |||
1952 | お國と五平 | 東宝 | 山田一夫 | 八住利雄 | 谷崎潤一郎 | 岸田九一郎 | 中古智 | 清瀬保二 | 三上長七郎 | 成瀬最後の時代劇。 | ||
おかあさん | 新東宝 | 鈴木博 | 水木洋子 | 佐藤快哉 | 加藤雅俊 | 斎藤一郎 | 中井喜八郎 | 笠間秀俊 | 水木洋子と初めて組む。加東大介初めての成瀬映画出演 | |||
稲妻 | 大映東京 | 蜂重義 | 田中澄江 | 林芙美子 | 安藤真之助 | 中美喜雄 | 斎藤一郎 | 西井憲一 | 鈴木東陽 | 成瀬が自分で林芙美子の原作を選ぶ。初めて大映に出向して撮る。 | ||
1953 | 夫婦 | 東宝 | 中井朝一 | 水木洋子 井出俊郎 |
石井長四郎 | 松山崇 | 斎藤一郎 | 下永尚 | 笠間秀俊 | この年から東宝と専属契約を結ぶ。結婚6年目の倦怠期夫婦の物語 | ||
妻 | 東宝 | 玉井正夫 | 井出俊郎 | 林芙美子 | 森茂 | 中古智 | 斎藤一郎 | 三上長七郎 | 大井英史 |
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あにいもうと | 大映東京 | 蜂重義 | 水木洋子 | 室生犀星 | 安藤真之介 | 中美喜雄 | 斎藤一郎 | 西井憲一 | 鈴木東陽 | 成瀬自身が選択した題材。助監督に、監督志望の田中絹代が付く。大映二本目の作品。 | ||
1954 | 山の音 | 東宝 | 玉井正夫 | 水木洋子 | 川端康成 | 石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 下永尚 | 大井英史 | 成瀬が川端の原作を気に入り、会社に企画を提出して撮る。 | |
晩菊 | 東宝 | 玉井正夫 | 田中澄江 井出俊郎 |
林芙美子 | 石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 下永尚 | 大井英史 | 12月、パリで「おかあさん」公開され大好評 | ||
1955 | 浮雲 | 東宝 | 玉井正夫 | 水木洋子 | 林芙美子 | 石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 下永尚 | 大井英史 | ★成瀬、成城学園に引っ越す ★この年、藤本真澄、東宝の重役に就任。 |
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撮影所 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術 | 音楽 | 録音 | 編集 | ||||
くちづけ「女同士」 | 東宝 | 山崎一雄 | 松山善三 | 石坂洋次郎 | 石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 下永尚 | オムニバス映画。夫婦もの | |||
1956 | 驟雨 | 東宝 | 玉井正夫 | 水木洋子 | 岸田国士 | 石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 藤好昌生 | 大井英史 | 助監督廣澤榮 | |
妻の心 | 東宝 | 玉井正夫 | 水木洋子 | 石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 藤好昌生 | 大井英史 | プロデューサーの金子正且の故郷の桐生の親類の薬局をセットで再現。結婚5年目の夫婦の物語 | |||
流れる | 東宝 | 玉井正夫 | 田中澄江 井出俊郎 |
幸田文 | 石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 三上長七郎 | 大井英史 | 栗島すみ子18年ぶりの映画出演。 | ||
1957 | あらくれ | 東宝 | 玉井正夫 | 水木洋子 | 徳田秋声 | 岸田九一郎 | 河東安英 | 斎藤一郎 | 三上長七郎 | 大井英史 | 興行的に失敗。 | |
1958 | 杏っ子 | 東宝 | 玉井正夫 | 田中澄江 成瀬巳喜男 |
室生犀星 | 石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 藤好昌生 | 大井英史 | 興行的に失敗。次の作品辺りから、興行的優位が潜在化し始める。 | |
鰯雲 | 東宝 | 玉井正夫 | 橋本忍 | 和田傳 | 石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 藤好昌生 | 大井英史 | 初の総天然色、初のワイドスクリーン。以降「「妻として女として」(1961)以外はすべてワイドスクリーン。成瀬作品最長の129分。岩戸景気 | ||
1959 | コタンの口笛 | 東宝 | 玉井正夫 | 橋本忍 | 石森延男 | 石井長四郎 | 中古智 | 伊福部昭 | 藤好昌生 | 大井英史 | 北海道ロケ、カラー、ワイドスクリーン。客入り悪し。皇太子ご成婚。テレビ普及率高まる。 | |
1960 | 女が階段を上る時 | 東宝 | 玉井正夫 | 菊島隆三(製作) | 石井長四郎 | 中古智 | 黛敏郎 | 藤好昌生 | 大井英史 | モノクロ、ワイドスクリーン。この作品を最後に玉井正夫が豊田四郎組へ移籍。ロングランのヒット。高峰秀子、「無法松の一生」以来、一年半ぶりの映画出演。胃潰瘍のため。衣装は高峰秀子が担当する。菊島隆三のオリジナルシナリオ。大ヒット。 | ||
娘・妻・母 | 東宝 | 安本淳 | 井出俊郎 松山善三 |
石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 藤好昌生 | 大井英史 | カラー、ワイドスクリーン。オリジナルシナリオ。松山善三と井手俊郎のオリジナルシナリオ。松山善三と成瀬の初の仕事。大ヒット。 | |||
夜の流れ(川島雄三と共同監督) | 東宝 | 安本淳 | 井出俊郎 松山善三 |
石井長四郎 | 松山崇 | 斎藤一郎 | 藤好昌生 | 大井英史 | カラー・ワイドスクリーン。ロケは川島、スタジオは成瀬が撮る、と言われているが。 | |||
撮影所 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術 | 音楽 | 録音 | 編集 | ||||
秋立ちぬ | 東宝 | 安本淳 | 笠原良三 | 隠田紀一 | 北辰雄 | 斎藤一郎 | 斎藤昭 | 大井英史 | モノクロ、ワイドスクリーン。隠し撮りのロケが多いがヌーベルバーグの影響ではないと否定。笠原良三のオリジナルシナリオ。 | |||
1961 | 妻として女として | 東宝 | 安本淳 | 井出俊郎 松山善三 |
石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 藤好昌生 | 大井英史 | カラー、ワイドスクリーン。興行成績はそこそこ。松山善三と井手俊郎のオリジナルシナリオ。 | ||
1962 | 女の座 | 東宝 | 安本淳 | 井出俊郎 松山善三 |
石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 藤縄正一 | 大井英史 | モノクロ、ワイドスクリーン。松山善三と井手俊郎のオリジナルシナリオ。 | ||
放浪記 | 宝塚映画 | 安本淳 | 井出俊郎 田中澄江 |
林芙美子 | 石井長四郎 | 中古智 | 古関裕而 | 中川浩一 | 大井英史 | モノクロ、ワイドスクリーン。東宝創立30周年記念映画。菊田一夫の舞台脚本を基本にする。 | ||
1963 | 女の歴史 | 東宝 | 安本淳 | 笠原良三 | 石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 藤好昌生 | 大井英史 | モノクロ・ワイドスクリーン。アストリュックの「女の一生」(1958)を意識して作る。笠原良三のオリジナルシナリオ。 | ||
1964 | 乱れる | 東宝 | 安本淳 | 松山善三 | 石井長四郎 | 中古智 | 斎藤一郎 | 藤好昌生 | 大井英史 | 松山善三執筆のテレビドラマ「しぐれ」の脚本に手を加える。モノクロ・ワイドスクリーン。完成後体調を崩し、「女の中にいる他人」(1966)まで一年のブランク | ||
1966 | 女の中にいる他人 | 東宝 | 福沢康道 | 井出俊郎 | エドワード・アタイヤ | 石井長四郎 | 中古智 | 林光 | 斎藤昭 | 大井英史 | 原作エドワード・アタイヤ「細い線」。「鰯雲」(1958)以来、初めてスタンダードサイズに戻す。モノクロ | |
ひき逃げ | 東宝 | 西垣六郎 | 松山善三 | 平野清久 | 中古智 | 佐藤勝 | 斎藤昭 | 大井英史 | モノクロ・ワイドスクリーン。松山善三のオリジナルシナリオ。 | |||
1967 | 乱れ雲 | 東宝 | 逢沢譲 | 山田信夫 | 石井長四郎 | 中古智 | 武満徹 | 藤好昌生 | 大井英史 | 東宝創立35周年記念映画。カラー、ワイドスクリーン。遺作。成瀬の希望で音楽には武満徹を起用。 |
題名赤文字は、フィルム消失
参考文献
「成瀬巳喜男の世界へ」蓮實重彦・山根貞男編
「映画読本・成瀬巳喜男」フィルムアート社」
「季刊リュミエール4・日本映画の黄金時代」蓮實重彦責任編集
「季刊リュミエール6・D・W・グリフィス」蓮實重彦責任編集
「成瀬巳喜男と映画の中の女優たち」ぴあ
「日本映画の時代」廣澤榮
「成瀬巳喜男・映画の女性性」阿部嘉昭
「日本映画史100年」四方田犬彦
「映画渡世・地の巻」マキノ雅弘
「映画監督成瀬巳喜男レトロスペクティヴ」