藤村隆史論文ヒッチコック・ホークス主義
ヒッチコックスキル型主人公表
① 任務(実際になされている運動)
② 職業
③ 起源 (なぜこの職業についたかの動機)
④ 任務に関する罪の意識
●「殺人!」(1930)
ハーバート・マーシャル
①探偵活動
②劇作家兼俳優
③なし
④あり。自分を頼ってきた女優のノア・ベアリングを追い返してしまったことが結果的に彼女を事件に巻き込んだこと、また陪審員として彼女を有罪にしたことに対して。
●「間諜最後の日」(1936)
ジョン・ギールグッド
①スパイ活動
②スパイ
③あり。英の小説家が空軍大尉になり諜報機関に呼ばれてスパイになる。愛国心から。
④あり。殺人を中止しようと持ちかけ自分は直接手を下さずピーター・ローレにやらせる。その後も罪の意識に苛まれる。
マデリーン・キャロル
①スパイ活動
②スパイ
③あり。スリルと報酬を求めて。
④あり。無関係の男を殺したことに罪の意識を感じている。
ピーター・ローレ
①スパイ活動
②スパイ
③なし。毛が多くてメキシコ人ではないので「毛なしのメキシコ人」と呼ばれているだけで「起源」は不明。
④まったくなし。
●「白い恐怖」(1945)
イングリッド・バーグマン
①精神分析
②精神分析医
③なし。
④なし。
グレゴリー・ペック
① 逃亡する
② 精神科医
③ あり 子供の時、弟を事故死させる
④ あり 弟の事故死に対して
●「汚名」(1946)
イングリッド・バーグマン
① スパイ活動
② スパイ
③ あり。以前父と共に敵のスパイと親しくしていたからスパイに選ばれる。
④ なし。父親の売国行為に関してはありそうだが任務に関してはケーリー・グラントのことで頭がいっぱいなので罪の意識はまったくない。
ケーリー・グラント
① スパイ活動
② スパイ
③ なし
④ あり バーグマンを敵組織に潜入させたり、彼女が毒を盛られてしまったことについて。
●「パラダイン夫人の恋」(1947)
グレゴリー・ペック
①弁護活動
② 弁護士
③ なし。
④あり。愛する女を弁護してその愛人を自殺させてしまったことに対して。
●「舞台恐怖症」(1950)
ジェーン・ワイマン
①役を演じる
②役者
③なし
④あり。デートリッヒを騙して真相を暴露させた後、泣き崩れる。
●「私は告白する」(1952)
モンゴメリー・クリフト
①守秘義務を貫く
②カトリックの神父
③あり。戦争で傷ついて神父になる。
④あり。しかめっ面で守秘義務を遂行している。
●「泥棒成金」(1955)
ケーリー・グラント
①泥棒を捕まえる
②元泥棒
③あり
④なし
●「マーニー」(1964)
ティッピ・ヘドレン
①泥棒をする
②泥棒
③あり。幼少時のトラウマ
④二度目の窃盗時、罪の意識に苛まれる。
ショーン・コネリー
①精神分析をする。
②会社社長。動物学者でもあり動物本能の研究を、特にメスの犯罪についての論文を書いている
③なし。
④あり。妻を精神分析することについて葛藤を感じている。
●「引き裂かれたカーテン」(1966)
ポール・ニューマン
①西側の二重スパイになって物理の公式を盗み出す
②物理学者
③あり。物理の公式が解けないから。(物理学者になった「起源」はない)。
④あり。罪の意識から恋人に真相を告白する。
●「トパーズ」(1969)
フレデリック・スタフォード
①スパイ活動
②スパイ
③ なし。個々の任務にはある。
④ あり。カレン・ドールの死んだあと飛行機の中でしかめっ面をする。