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溝口健二データーベース
★赤字題名は現存するフィルム キャメラマンの三木稔と三木滋人とは同一人物。三木茂は別人です。現存する作品については「ふるさと(1930)」以外、実際の映画に書かれたクレジットを見て順番通りに記入しています。「製作」にはクレジットには書かれていなくい場合でも「向島」「京都」といった具合に撮られた場所を補足して書き入れています。横へスクロールさせる技術がなくすべてのスタッフについて書き入れることができませんでしたので、以下は歴史の断片に過ぎません。
製作 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術・装置 | 音楽 | 録音 | コメント | ||
1923年 | 愛に甦る日 | 日活向島 | 高坂利光 | 若山治 | 若山治 | 俳優日活連袂脱退前からの俳優を使った女形映画。新派。 稲垣浩が俳優として出演 |
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故郷(ふるさと) | 日活向島 | 岩村友蔵村 | 溝口健二 | 溝口健二 | 女形映画。小作争議を描き、検閲でカットされる | |||||
青春の夢路 | 日活向島 | 渡辺寛 | 溝口健二 | 小園末徳 | 初の女優起用。熱海ロケ。善悪の単純な対立の回避(新しい新派)。弁士を無視してサブ・タイトル、スポークン・タイトルを使い、会社は弁士の抗議を受ける | |||||
情炎の巷 | 日活向島 | 渡辺寛、高坂利光 | 溝口健二 | 亀原嘉明 | 女形映画。新派悲劇。前作が弁士の非難を受けたからか、女形を使った守旧的新派悲劇へ逆戻り。 | |||||
敗惨の唄は悲し | 日活向島 | 青島順一郎 | 溝口健二 | 秦哀美 | 女優映画。天活から日活へと移籍した青山順一郎と初めて組む。この作品で世に認められる | |||||
813 | 日活向島 | 高坂利光 | 田中総一郎 | モーリス・ルブラン | 初の活劇・.原作はモーリス・ルブランのルパンもの。中国人役登場。この頃から外国の小説を翻案するようになる。 | |||||
血と霊 | 日活向島 | 青島順一郎 | 溝口健二 | 溝口健二、エルンスト・ウィルヘルム・ホフマン・翻案・大泉黑石 | 亀原嘉明 | 日本初の本格的表現主義映画。過激な映画としてお蔵入り。封切は震災後の11月まで延ばされる | ||||
霧の港 | 日活向島 | 青島順一郎 | 田中総一郎 | ユージン・オニール。 | ユージン・オニールの芝居「アンナ・クリスティ」の翻案。無字幕的構成。極めて高い評価を得る | |||||
夜 | 日活向島 | 青島順一郎 | 溝口健二 | ジャック・ボイル | 亀原嘉明 | 8月製作。原作ジャック・ボイル『大盗賊の電報』。完成後、9月1日関東大震災発生。二編から成る、上流、下流、二層の夜の愛欲物語。新世界(現代山の手の上流階級の洋館が舞台)を描いた「美しき悪魔」は不評で、旧世界(場末の中華料理屋が舞台)を描いた「闇の囁き」は好評。 | ||||
製作 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術・装置 | 音楽 | 録音 | コメント | ||
廃墟の中 | 日活向島 | 高坂利光 | 溝口健二 | 春日眼堂 | 亀原嘉明 | 10月製作。関東大震災の焼跡で撮ったフィクション映画 | ||||
峠の唄 | 日活京都 | 高坂利光 | 溝口健二 | レディ・グレゴリー | 亀原嘉明 | 11.9震災のため京都へ。 | ||||
1924年 | 哀しき白雉 | 日活京都 | 祝田昌平 | 溝口健二高島達郎 | 亀原嘉明 | |||||
暁の死 | 日活京都 | 内田精一 | 伊藤松雄 | 伊藤松雄 | 亀原嘉明 | |||||
現代の女王 | 日活京都 | 内田精一 | 村田実 | 村田実 | 亀原嘉明 | |||||
女性は強し | 日活京都 | 内田精一 | 日活文芸部 | |||||||
塵境 | 日活京都 | 内田精一 | 田中総一郎 | 小山内薫 | 亀原嘉明 | 小山内薫が『ローランズのマルタ』から翻案。溝口と小山内との交友が始まる。鈴木伝明日活第一作。 | ||||
七面鳥の行衛(ゆくえ) | 日活京都 | 内田精一 | 畑本秋一 | 畑本秋一 | アメリカ探偵小説翻案の活劇・中国人・ロシア人登場。 | |||||
さみだれ草紙 | 日活京都 | 内田精一 | 横山鉱寿 | 横山鉱寿 | 亀原嘉明 | 新派。 | ||||
伊藤巡査の死 | 日活京都 | 内田斉 | 鈴木謙作。大洞元吾、伊藤伊代吉との共同監督。 | |||||||
無銭不戦 | 日活京都 | 内田精一 | 畑本秋一 | 岡本一平 | 亀原嘉明 | 製作は24年8月から9月。「金がなければ戦わぬ」という意味。原作岡本一平(岡本太郎の父)の漫画・中国人を差別的に描いた、と、言われている | ||||
歓楽の女 | 日活京都 | 内田斉 | 畑本秋一 | 溝口健二 | 亀原嘉明 | 当時、溝口はスランプ状態と言われていた(真偽は不明)。 | ||||
曲馬団の女王 | 日活京都 | 内田斉 | 畑本秋一 | 高島達郎 | ||||||
1925 | 噫特務艦関東 | 日活京都 | 横田達之内田精一 | 亀原嘉明 | 若山治と共同監督。 | |||||
学窓を出でて | 日活京都 | 横田達之 | 溝口健二 | 野村雅延 | 亀原嘉明 | |||||
大地は微笑む 第一篇 | 日活京都 | 横田達之 | 畑本秋一 | 吉田百助 | 亀原嘉明 | 第二篇は若山治、第三篇は鈴木謙作が担当。 | ||||
白百合は嘆く | 日活京都 | 横田達之 | 清水龍之助 | ジョン・ゴールズワージー | ジョン・ゴールズワージー『勝利者と敗北者』が原作。 | |||||
赫い夕陽に照らされて | 日活京都 | 横田達之 | 畑本秋一 | 長崎武 | 亀原嘉明 | 中国人出演。撮影中、同居の女性に背中を刺され、降板、謹慎。共同監督三枝源次郎。 | ||||
製作 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術・装置 | 音楽 | 録音 | コメント | ||
ふるさとの歌 | 日活関西撮影所教育部 | 横田達(クレジットなし) | 清水龍之助(クレジットなし) | 亀原嘉明(クレジットなし) | 現存する最初の作品。役者以外のクレジットなし。 | |||||
小品映画集・街上のスケッチ | 日活新劇部 | 横田達之 | 亀原嘉明 | オムニバスの一編 | ||||||
人間・前後篇 | 日活新劇部 | 横田達之 | 畑本秋一 | 鈴木善太郎 | 亀原嘉明 | イプセン「ペール・ギュント」の翻案。「雨月物語」のルーツとされる | ||||
乃木将軍と熊さん | 日活新劇部 | 気賀靖吾 | 畑本秋一 | 溝口健二 | 亀原嘉明 | 助監督田坂具隆。 | ||||
1926年 | 銅貨王 | 日活新劇部 | 伊佐山三郎 | 溝口健二 | ヘルマン・ランドン | 亀原嘉明 | アメリカ映画の連続活劇の翻案 | |||
紙人形春の囁き | 日活新劇部 | 横田達之 | 田中栄三 | 田中栄三 | 亀原嘉明 | 江戸、下町情話。松竹から日活へ移籍した梅村容子初出演。 | ||||
新説己が罪 | 日活新劇部 | 松沢又男 | 畑本秋一 | 菊池幽芳 | 新派 | |||||
狂恋の女師匠 | 日活新劇部 | 横田達之 | 川口松太郎 | 川口松太郎 | 亀原嘉明 | 三遊亭円朝「真景累ヶ淵」を現代に移して映画化。 | ||||
海国男児 | 日活現代劇 | 横田達之 | 武田晃 | 山本嘉次郎 | アメリカ風アクション・ロマンス・コメディ | |||||
金 | 日活新劇部 | 横田達之 | 畑本秋一・武田晃 | 人情喜劇 | ||||||
1927年 | 皇恩 | 日活現代劇部 | 横田達之 | 畑本秋一 | 忠君愛国映画 | |||||
慈悲心鳥 | 日活現代劇部 | 横田達之 | 畑本秋一 | 菊池寛 | 北猛夫 | |||||
1928年 | 人の人生・人間万事金の巻 | 日活現代劇部 | 横田達之 | 畑本秋一 | 岡本一平 | 原作は岡本一平の漫画 | ||||
人の人生・浮き世は辛いねの巻 | 日活現代劇部 | 横田達之 | 畑本秋一 | 岡本一平 | ||||||
人の人生・クマとトラ再会の巻 | 日活現代劇部 | 横田達之 | 畑本秋一 | 岡本一平 | 榎本寅蔵 | |||||
娘可愛いや | 日活現代劇部 | 横田達之 | 畑本秋一 | 溝口健二 | 原案溝口健二 | |||||
製作 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術・装置 | 音楽 | 録音 | コメント | ||
1929年 | 日本橋 | 日活現代劇部 | 横田達之 | 溝口健二・近藤経一 | 泉鏡花 | ソ連モンタージュの影響。「狂恋の女師匠」でフランスからのプリントの注文が契機となり、古来よりの美に対する愛着が強められた、とされる。 | ||||
朝日は輝く | 日活現代劇部(クレジットなし) | 横田達之(クレジットなし) | 木村千疋男(クレジットなし) | 役者を含めてクレジットなし。共同監督伊奈精一。新聞知識の普及を目的に朝日新聞が創立50周年記念事業の一つとして日活に製作を委嘱した宣伝映画。 | ||||||
東京行進曲 | 日活現代劇部(クレジットなし) | 横田達之(クレジットなし) | 木村千疋男、畑本秋一(クレジットなし) | 菊池寛(クレジットなし) | 西条八十作詞『東京行進曲』(クレジットなし) | 役者以外のクレジットはなし。この頃、作家の林房雄が溝口家に同居。林の感化でプロレタリアイデオロギーを身に着ける | ||||
都会交響曲 | 日活現代劇部 | 横田達之 | 畑本秋一・小林正 | 片岡哲兵、湯浅六朗、林房雄、岡田三郎 | 榎本寅蔵 | 傾向映画・検閲により大幅削除。小型カメラで隠し撮り。『異常なカメラアングル(主として仰角・佐々元十)』『めまぐるしいフラッシュバック、二重露出、異常な場面の転換(中代富士男)』とのこと。 | ||||
1930年 | ふるさと | 日活ミナトトーキー | 横田達之 | 森岩雄・如月敏・畑本秋一、小林正 | 森岩雄・如月敏・畑本秋一、小林正 | 榎本寅蔵、北猛夫 |
トーキー第一作であり、日活にとっても初のトーキー(フィルム式パートトーキー) ★藤村隆史批評「藤原義江のふるさと」(1930)溝口健二 私は何を見たか ズルズルベッタリワールドへようこそ |
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唐人お吉 | 日活現代映画 | 横田達之 | 畑本秋一 | 十一谷義三郎 | この頃から長回しを使い始める。明治もの | |||||
1931年 | しかも彼等は行く・前後篇 | 日活現代映画 | 横田達之 | 畑本秋一 | 下村千秋 | 傾向映画 | ||||
1932年 | 時の氏神 | 日活太秦 | 横田達之 | 畑本秋一、小林正 | 菊池寛 | 原作菊池寛・このあと日活を離れる・PCLトーキー | ||||
満州国建国の黎明 | 入江プロ・中野プロ・新興キネマ | 青島順一郎、中山良夫 |
新興キネマ脚本部 | 直木三十五、三上於菟吉 | 日活から新興キネマへ移籍して撮る。国策映画。モデルは川島芳子。プドフキンのパロディと言われる |
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1933年 | 瀧の白糸 | 入江プロダクション製作 | 三木茂 | 東坊城恭長、増田真二、舘岡謙之介(以上脚色) | 泉鏡花 | 丸谷得三郎 | 西七郎 (舞台設計)、東坊城光長(美術衣装) | 製作茂木芳三、角田竹次郎。サイレント。明治もの。岡田時彦と入江たか子のコンビ。 | ||
祇園祭 | 新興キネマ | 三木稔 | 溝口健二 | 川口松太郎 | 水谷浩 | サイレント。カメラマン三木稔・美術の水谷浩の初参加。明治もの | ||||
1934年 | 神風連 | 新興キネマ | 三木稔 | 溝口健二 | 十一谷義三郎 | 水谷浩 | サイレント。明治もの。明治もの | |||
愛憎峠 | 日活多摩川 | 横田達之 | 川口松太郎・高島達之助(以上脚色) | 川口松太郎 | 梶由造 | サウンド。明治もの・山田五十鈴、溝口作品初出演。 | ||||
製作 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術・装置 | 音楽 | 録音 | コメント | ||
1935年 | 折鶴お千 | 第一映画 | 三木稔 | 高島達之助(脚色) | 泉鏡花 | 中西増一 | 西七郎(装置)、小栗美二(美術) | 佐谷戸常雄(ノンクレジット) | サウンド。山田五十鈴、夏川大二郎共演。 | |
マリアのお雪 | 第一映画 | 三木稔 | 高島達之助(脚色) | 川口松太郎 | 堀越達郎 | 西七郎・西山豊・斎藤権四郎 | 高木孝一(選曲) | 室田順一 | 東都映画配給。新派的・「脂肪の塊」の翻案・。明治もの。これ以降の作品はすべてトーキー | |
虞美人草 | 第一映画 | 三木稔 | 伊藤大輔(潤色)・高柳春雄(脚色) | 夏目漱石 | 北西吉之助、堀越達郎 | 中村大三郎(美術考証)、西七郎、久光五郎、斎藤権四郎(以上装置) | 酒井龍峯、高木孝一(以上音楽選曲) | 水口保美、森田樹 | 夏川大二郎、三宅邦子、月田一郎主演。 | |
1936年 | 浪華悲歌(なにわエレジー) | 第一映画 | 三木稔 | 依田義賢(脚色) | 溝口健二 | 加瀬久、水口保美 | 山田五十鈴主演。依田義賢と初めて組む。美術、照明のクレジットなし。 | |||
祇園の姉妹(きょうだい) | 第一映画 | 三木稔 | 依田義賢(脚色) | 溝口健二 | 加瀬久 | 9月第一映画解散。10月新興キネマ大泉撮影所へ入社。山田五十鈴主演。美術、照明のクレジットなし。 | ||||
1937年 | 愛怨峡 | 新興キネマ | 三木稔 | 依田義賢・溝口健二(以上脚色) | 伊藤宣二 | 内田昌夫、阿部定雄 | 水谷浩(美術)、川上栄(装置) | 宇賀神味津男 | 安藤彰 | 山路ふみ子、河津清三郎主演。山路ふみ子のテストを三日三晩にわたり700回繰り返す。 |
1938年 | 露営の歌 | 新興キネマ | 青島順一郎 | 畑本秋一 | 水谷浩 | 伊藤宣二 | 国策映画 | |||
ああ故郷 | 新興キネマ | 青島順一郎 | 依田義賢(脚色) | 小出英男 | 水谷浩 | |||||
1939年 | 残菊物語 | 松竹京都 | 三木滋人・藤洋三 | 川口松太郎(構成)、依田義賢(脚色) | 村松梢風 | 中島末二郎(配光) | 木村壮八、食満南北(美術考證)、寺門静吉(時代考證)、水谷浩(美術監督)、清水太一、六郷俊(装置) | 深井史郎 | 志木田隆一 | 総監督白井信太朗。新派劇。明治もの。芸道もの。花柳章太郎、森赫子主演。 |
1940年 | 浪花女 | 松竹京都 | 三木滋人 | 依田義賢 | 溝口健二、依田義賢 | 寺門静吉(時代考證)、水谷浩(美術)、西七郎(舞台設計) | 伊藤宣二 | 田中絹代と初めて組む。明治もの。芸道もの | ||
1941年 | 芸道一代男 | 松竹特作プロ | 杉山公平 | 依田義賢 | 伊藤宣二 | 水谷浩(美術)、甲斐庄楠男(時代考證) | 伊藤宣二 | 明治もの。芸道もの。中村鴈治郎主演。 | ||
製作 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術・装置 | 音楽 | 録音 | コメント | ||
元禄忠臣蔵・前篇 | 興亜映画・松竹 | 杉山公平 | 原健一郎・依田義賢(以上脚色者) | 真山青果 | 中島末治郎、三輪正雄、中島宗佐(照明者) | 水谷浩(美術監督)、新藤兼人(建築監督)、六郷俊、大野松治(装置者) | 深井史郎(作曲並ニ音響監督) | 佐々木秀孝 | 情報局国民映画参加作品。総監督白井信太朗。 | |
1942年 | 元禄忠臣蔵・後篇 | 同上 | 中島末治郎、中島宗佐、三輪正雄(照明者) | 大野松治、六郷俊(装置者) | 前編とは装置者、照明者のクレジットの順序が変わっている。 | |||||
1944年 | 団十郎三代 | 松竹京都 | 三木滋人 | 川口松太郎 | 加賀山直三 | 井上栄太郎 | 彩木暁 | 京マチ子が出演している。 | ||
宮本武蔵 | 松竹京都 | 三木滋人 | 川口松太郎(脚色) | 菊池寛 | 原作は吉川英治でなく菊地寛。『撃ちてし止まむ』とタイトルに入る。情報局国民映画。河原崎長十郎、中村翫右衛門、田中絹代。『二十日くらいで作らされたよ」と溝口。 | |||||
1945年 | 名刀美女丸 | 松竹京都 | 三木滋人(ノンクレジット) | 川口松太郎(ノンクレジット) | 甲斐庄楠音(美術考証、ノンクレジット) | 溝口と出演者以外のクレジットなし。 | ||||
必勝歌 | 松竹大船京都共同 | 国策映画。溝口、田坂具隆、清水宏、マキノ正博、大曽根辰夫、高木孝一、市川哲夫の共同監督。出演者と監督以外のクレジットなし。 | ||||||||
1946年 | 女性の勝利 | 松竹大船 | 生方敏夫 | 野田高梧・新藤兼人 | 加藤政雄 | 本木勇(美術)、改田一馬(装置) | 淺井擧曄(あさいたかあき) | 大野久男 | 製作月森仙之助。溝口戦後第一作。戦後、大船に監督が不足し呼ばれて大船で撮る。撮影中、桑野通子急死。 | |
歌麿をめぐる五人の女 | 松竹京都 | 三木滋人 | 依田義賢(脚色) | 邦枝完二 | 村田政雄 | 本木勇(美術)、甲斐庄楠音(時代考證) | 大澤壽夫、望月太明藏 | 加瀬久 | 企画担当糸屋壽雄。 | |
1947年 | 女優須磨子の恋 | 松竹京都 | 三木滋人 | 依田義賢 | 長田秀雄 | 寺田重雄 | 本木勇(美術)、高須二郎(装置)、、甲斐庄楠音(風俗考證)、加藤清一(時代考證) | 中山晋平(主題歌作曲)、大澤壽人(音楽監督、作曲編曲)、 | 橋本要、八田亥三郎 | 企画糸屋壽雄。松井須磨子の伝記映画。東宝では衣笠貞之助・山田五十鈴のコンビで「女優」として同年製作。クレジットは横書き。 |
1948年 | 夜の女たち | 松竹京都 | 杉山公平 | 依田義賢 | 久坂栄二郎 | 田中憲次 | 水谷浩(美術)、松野喜代春(装置) | 大澤壽人 | 高橋太朗 | 企画糸屋壽雄。クレジット横書き。 |
1949年 | わが恋は燃えぬ | 松竹京都 | 杉山公平 | 依田義賢・新藤兼人 | 野田高梧(原案) | 寺田重雄 | 水谷浩(美術)、甲斐庄楠音(風俗考證)、松野喜代春(装置)、山口末吉(装飾) | 伊藤宣二(音楽)、高橋掬太郎(主題歌作詞)、上原げんと(作曲) | 高橋太郎 | 企画絲屋壽雄。福田英子の伝記映画。自由民権運動と女性の自立。クレジット横書き。戦後の溝口はこの作品まで左翼的傾向映画を撮り「スランプ」に陥る(藤村隆史評)。 |
1950年 | 雪夫人絵図 | 新東宝・瀧村プロ提携作品 | 小原譲治 | 依田義賢・船橋和郎 | 舟橋聖一 | 藤林甲 | 水谷浩 | 早坂文雄 | 神谷正和 | 製作瀧村和男。早坂文雄と初めて組む。松竹での「西鶴一代女」の企画が流れる等、松竹と喧嘩、東京へ出て撮る |
製作 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術・装置 | 音楽 | 録音 | コメント | ||
1951年 | お遊さま | 大映京都 | 宮川一夫 | 依田義賢 | 谷崎潤一郎「蘆刈」 | 岡本健一 | 水谷浩 | 早坂文雄 | 大谷巌 | 親友川口松太郎が大映京都撮影所所長に就任したため大映で一肌脱ぐ |
武蔵野夫人 | 東宝・児井英夫(製作)。 | 玉井正夫 | 福田恆存(潤色)依田義賢(脚色) | 大岡昇平 | 西川鶴三 | 松山崇 | 早坂文雄 | 亀山正二 | 玉井正夫(成瀬己喜男との作品が多い)と組んだ唯一の作品。 | |
1952年 | 西鶴一代女 | 新東宝・児井プロ提携作品 | 平野好美 | 溝口健二(構成)、依田義賢(脚本)、吉井勇(監修) | 井原西鶴「好色一代女」 | 藤林甲 | 水谷浩(美術監督) | 斉藤一郎 | 神谷正和 | 助監督の内川清一郎と大喧嘩。『下加茂の時からやろうとしていた』と溝口。ベネツィア映画祭銀獅子賞。 |
1953年 | 雨月物語 | 大映京都・製作永田雅一・企画辻久一 | 宮川一夫 | 川口松太郎、依田義賢 | 上田秋成 | 岡本健一 | 伊藤憙朔(美術監督)、甲斐庄楠音(風俗考證、山本卯一郎(装置) | 吉井勇(作詞)、早坂文雄(音楽監督)、斎藤一郎(音楽補佐) | 大谷巌 | 美術伊藤憙朔は「雨月物語」と「山椒大夫」の二本を担当。助監督田中徳三。ベネツィア映画祭銀獅子賞。 |
祇園囃子 | 大映京都、企画辻久一 | 宮川一夫 | 依田義賢 | 川口松太郎 | 岡本健一 | 小池一美(美術)、中嶋竹次郎(装置) | 斎藤一郎 | 大谷巌 | ||
1954年 | 山椒大夫 | 大映京都、製作永田雅一、企画辻久一 | 宮川一夫 | 八尋不二・依田義賢 | 森鴎外 | 岡本健一 | 伊藤憙朔(美術)、藤原義一(建設考證)、山本卯一郎(装置) | 早坂文雄 | 大谷巌 | ベネツィア映画祭銀獅子賞。助監督田中徳三 |
噂の女 | 大映京都、企画辻久一 | 宮川一夫 | 依田義賢・成澤昌茂 | 岡本健一 | 水谷浩(美術)、山本卯一郎(装置) | 黛敏郎 | 大谷巌 | |||
近松物語 | 大映京都、製作永田雅一、企画辻久一 | 宮川一夫 | 川口松太郎(劇化)、依田義賢(脚本)、 | 近松門左衛門 | 岡本健一 | 水谷浩(美術)、、山本卯一郎(装置) | 早坂文雄 | 大谷巌 | 助監督田中徳三 | |
1955年 | 楊貴妃 | 大映東京、製作永田雅一、ランラン・ショウ | 杉山公平 | 陶秦・川口松太郎・依田義賢・成澤昌茂 | 久保田行一 | 水谷浩(美術監督)、盧世侯(考證)、石田亀蔵(装置) | 早坂文雄 | 橋本國雄 | 助監督増村保造、村山三男 | |
新・平家物語 | 大映京都、製作永田雅一、企画川口松太郎、松山英夫 | 宮川一夫 | 依田義賢・成澤昌茂・辻久一 | 吉川英治 | 岡本健一 | 水谷浩(美術監督)山本卯一郎(装置) | 早坂文雄 | 大谷巌 | ||
1956年 | 赤線地帯 | 大映東京、製作永田雅一、企画市川久夫 | 宮川一夫 | 成沢昌茂(篇中一部分)、芝木好子(「洲崎の女」より) | 伊藤幸夫 | 水谷浩(美術)、石崎喜一(装置) | 黛敏郎 | 長谷川光雄 | 助監督増村保造。 | |
製作 | 撮影 | 脚本 | 原作 | 照明 | 美術・装置 | 音楽 | 録音 | コメント |
参考文献
「溝口健二集成」キネマ旬報社
「映画読本溝口健二」フィルムアート社
「溝口健二の人と芸術」依田義賢
「国際シンポジウム・溝口健二」蓮實重彦・山根貞男編
「溝口健二・全作品解説①」佐相勉
「映画監督 溝口健二」四方田犬彦編。
「はじめての溝口健二」
「ユリイカ・特集溝口健二」
「日本映画発達史①」田中純一郎