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藤村隆史論文ヒッチコック・ホークス主義
ヒッチコック機能・運動連関表 日付は2014年。データを取った日
●「快楽の園」(1925) 59分 3/21
タバコは煙を吐き出すため。窓ガラスが鏡に。田舎娘が財布を盗まれるのはダンサーのアパートに泊まるため。女たちの衣服は脱ぐため、また投げ置くため。田舎娘がお祈りするのは犬に足の裏を舐められるため。道具箱は人が座るため。オーデションで合格するのは田舎娘をスターにさせ女との仲を裂くため。洗濯はストッキングを脱がせるため、また女を急がせて走らせ転ばせるため。ストッキングは投げ置くため。犬は女をつまずかせて這いつくばらせて男と出会わせるために、また善人と悪人を嗅ぎ分けるために。トロンボーンは管をスライドさせるため。恋人を異国へ赴任させるのは田舎娘に浮気をさせるため。壁は影を投射させるため。肘掛けは人が座るため。キセルは顔にぶつけるため。机は人が座るため。水面は光るため。草は噛むため。帽子は振るため。子供をあやすのは男の子供嫌いを指示するため。バラは投げ棄てるため。ハンカチは振るため。柱は人が寄りかかるため。新聞は丸めるため。夫を南国へ赴任させるのは熱病にさせて発狂させ人を殺させるため。田舎娘への借金は断らせて管理人夫婦から借りさせるため。椅子は人が乗るため。置物は落とすため。田舎娘の恋人が熱病に犯されるのは女に看病させて結ばせるため。海は人を殺すため。ベッドはその上に立つため。ドアは人が寄りかかるため。銃は煙を吐き出すため。亡霊は男に殺人を自白させるため、また女を殺すように仕向けて男を殺させ女を田舎娘の恋人と結婚させるため。家主がラジオを聴くのは犬にコードを噛ませるため。
●「下宿人」(1926) 79分3/28
ブロンド殺人事件は運動を起動させるため。屋台は煙を吐き出すため。新聞の束は投げ置くため。新聞社の車の窓ガラスは人間の眼に(●「知りすぎていた男」(1956)の教会のドアで同じような演出をしている)。椅子はその上に人が乗るため。ブロンドのカツラは脱ぐため。女のナイフは逆手で握られている。服は投げ置くため。パンがハートに、また破るため。ドアは影を投射させるため。布巾は投げ置くため。霧は立ち込めるため。男の背格好が真犯人と同じなのは疑われるため。ランプが消えるのは謎の男の出現を劇的にするため。椅子は人が転げ落ちるため。窓枠は顔に影を投射させるため。ブロンドの肖像画は男を驚かせるため、また裏返すため、またはずすため。コインは放り上げられるため。ドアは人にぶつけるため。机は人がもたれるため。シャンデリアは揺らして2階の人物の歩行を指示させるため。新聞は投げ置くため。朝食は男にナイフを持たせるため。暖炉の前でチェスをさせるのは女に駒を落とさせ男に火かき棒で暖炉を突かせるため。帽子は投げ置くため。女の恋人が刑事なのは事件を担当させて男に手錠を掛けさせるため。マントルピースの上のお金は男が金以外のことに執着していることを指し示すため。手錠は振るため、また女の手にかけ悲鳴を上げさせるため。壁は人がもたれるため。車は煙を吐き出すため。恋人たちの喧嘩はブロンド娘を夜道に一人にさせて復讐鬼に襲わせるため。女に靴紐を結ばせるのは女をしゃがませたあと見上げさせながら振り向かせるため。男を外出させるのは疑わせるため。ねずみは男と女をキスさせ刑事を嫉妬させるため。額は落ちるため。机は倒してぶちまけるため。タバコは煙を吐き出すため。編み物は落とすため。椅子は蹴飛ばすため。ファッションショーは男にドレスを買わせて女にプレゼントさせたあとつき返すため。風呂は煙を吐き出すため、また女を下着姿や裸にさせるため。水面は揺らすため。火曜の夜男が女と外出するのは男を疑わせるため。帽子、服、スカーフは投げ置くため。壁に掛けられたオブジェが眼に。鍵は投げ渡すため。銃、地図は男を逮捕させるため。地図は投げ置くため。下宿の大家の女の失神はその隙に男を逃走させるため。ベンチがベッドに。街灯の下で落ち合うのはそこで男の回想をさせるため。ライトを消すのは人を殺すため。母の死は男を復讐者にさせるため。コートは手錠を隠すため。酒場へ行くのはそこにいた客たちにリンチされるため。手摺はぶらさがるため。階段は降りるため。帽子は脱がせるため。
●「下り坂」(1927) 81分3/21
帽子は振るため。子供の喧嘩は女に男の裸を見せるため。人は人とぶつかるため。足は踏みつけるため。豆は吹いて飛ばすため。カップは豆が飛び込むため。ドアは人がもたれるため。机は人が座るため。ビーズは揺れるため。傘が帽子に。子供の客は男が金持ちであることを女に知らせるため?。帽子は投げ渡すため。箱は投げ棄てあと足で拾うため。バッグを落とすのは人の存在を知らせるため。帽子は投げ置くため。雑貨屋の女は学生に大学を退学させ放浪させるため。奨学金は親友に嘘をつかせるため。父親が息子を「嘘つき」となじるのは息子を放浪させるため。地下鉄に乗るのは下りのエスカレーターに乗るため。シガレットケースは女に近づくため。タバコは煙を吐き出すため。女がのげぞるのは画面を逆さにするため。肘掛けは人が座るため。壁は影を投射するため。鏡がメモ帳に。請求書は落とすため。膝は触れ合うため。書類を叩き置くのは存在を知らせるため。洋服ダンスは人が隠れるため。くしゃみは人の居場所を知らせるため、また人形を吹き飛ばすため。アパートか高層なのは下りのエレベーターに乗るため。遺産は男を結婚詐欺に遭わせて文無しにさせ放浪させるため。胸元は札を入れるため。クラブの客が卒倒するのはカーテンを開けて女のグロテスクな顔を見せるため。椅子は逆さにされている。窓枠は影を投射させるため。タラップは下るため。船の地下室は階段を下るため。船員、警官が父親に。タービンの回転、円形は精神の異常をきたすために。大きな椅子は座った人の身を隠すために。
●「ふしだらな女」(1927)
カツラは「丸」に。机は人が座るため。布巾は投げ置くため。格子は影を投射させるため。モノグルは時計の振り子に。帽子は投げ置くため。画家と女が抱擁するのはそれを見て逆上する夫を画家に撃たせるため。恋文は夫を怒らせるため。ステッキは人を叩くため。銃は煙を吐き出すため。夫を撃ち殺さないのは女を釈放させて再婚させるため。画家は女を法廷へ引きずり出して「ふしだらな女」にさせるため。宿帳は偽名を書かせるため。ラケットの面が「丸」に。テニスボールを女にぶつけるのは男と女を引き会わせるために。木々は風に揺られるため。良家の男との結婚は女の過去を暴かせて追い出すため。馬車がかち合うのは人間のキスを馬のキスにさせるため。交換手はプロポーズの承諾を指示させるため。荷物の宛名書きは結婚を指示させるため。地面、煙突はは煙を撒き散らすため。タバコは煙を吐き出すため、また夫の妹を驚かせるため、また女の性向を指し示すため。肘掛けは人が座るため。タバコは投げ棄てるため。ベッドの柱は人がもたれるため。クリケット場は弁護士を女と再会させるため。車を並べるのは窓の奥から女の顔を出現させて弁護士に見せるため。パーティは弁護士を招待するため。キャメラは女を驚かせるため。クッションは握りしめるため。雑誌はキャメラに投げつけるため。壁は影を投射するため。椅子が洋服掛けに。生垣は女に夫の会話を盗み聞きさせるため。新聞は女の過去を想起させるため。ソファーの背もたれは人がもたれるため。パーティで姑が嫁の欠席を告げるのは嫁を出現させてみんなをびっくりさせるため。階段はサスペンスに。扇は人を叩くため。ダンスはパーティを抜け出すため。糸くずは取るため。裁判所の出口は写真を撮られるため。結婚は離婚させるため。
●「リング」(1927)
太鼓は「丸」に。アトラクションは回転するため。口は「丸」に。銃は煙を吐き出すため。玉子は顔にぶつけるため。テントは風に揺られるため。看板は逆さにするため、また投げ置くため。入場券は回転させるため。タバコは煙を吐き出すため(非常に煙っている)。頭が帽子掛けに。グローブは叩き置くため。水兵はKOされるため。顔は分裂するため。帽子は剥ぎ取るため。ロープは人をつまずかせてKOするため。服は投げ置くため。ロープが洋服掛けに。ハンガーは投げ置くため。テントは人をぶつけて跳ね返すため。ズボンはハンガーを掛けるため。女をよそ見させるのはボクサーの鼻をつぶさせるため。スカートが名刺入れに。階段は人が座るため。やかんは煙を撒き散らすため。男と男の握手が男と女の抱擁に。ボクシングのアトラクションは女に浮気をさせるため。賞金はリングに。リングは女と色男をキスさせるため。顔が鏡に。色男が女に握手を求めるのは握手できないため。光が帯に。机は人が座るため。占いはボクサーを勘違いさせるため。木々は風に揺られるため。水面が鏡に、また波紋を広げるため。ボクサーが池で顔を洗うのは女が池に落としたリングを拾わせるため。リングは池に落ちて波紋を作るため。旗は風に揺られるため。結婚式は女に誓いを破らせるため。指輪がボタンに。紙吹雪は舞うため。ノッカーは落ちるため。泡は吹き飛ばすため。トレーナーがたくさん酒を飲むのは画面を歪めるため。タオルは落として女に拾わせるため。色男の手を女の腕に置かせるのは色男を女の亭主にするため。こぶしは握られるため。パンチングボールは顔になるため、また叩き落とされるため。帽子は投げ置くため。ポスターは昇級を指示するため。肘掛けは人が座るため。タオルがうちわに。パーティはボクサーを嫉妬させて画面を歪めるため。レコードは回転させるため。マントルピースは人が寄りかかるため。前哨戦はボクサーに勝たせてパーティをさせ妻を不在にさせてボクサーと喧嘩させ妻を家出させるため。シャンパンは時間経過を指し示すため(だからシャンパンは飲まれない)。写真は投げ棄ててグラスを蹴散らし割るため。服、リングはひきちぎるため。リングは投げ置くため、また人の存在を指示させるため。ボクサーにダンスをさせるのは色男と鉢合わせさせるため。シャンパンを注ぐのは捨てられるため。机は倒してぶちまけるため。トロンボーンは管をスライドさせるため。手紙は破るため。肘がフレームに(前年撮られた「拳闘屋キートン」(1926)にも終盤59分頃のスパーリング時に似たようなショットがある)。ボクサーが色男をロープに追い詰めるのは観客席の妻を発見させその隙にパンチを食らわせダウンさせるため。照明が「丸」に。ゴングが「丸」に。タオルは振られるため(ひたすら振られている)。水面が鏡に。手は打ち叩かれるため(過剰に拍手している)。リングは返されるため、また投げ渡すため。試合は妻を取り戻させるため。
●「農夫の妻」(1928)
階段が犬の枕に。壁は影を投射するため。妻の死は夫にお見合いをさせるため。ネクタイは叩き置くため。リボンは付け直すため。暖炉は煙を吐き出すため。帽子は掛け直して重ねるため。杖は人をくすぐるため。椅子は妻の座を示すために。机は叩くため。娘の結婚パーティは父親に再婚を決意させるため。紙吹雪は舞うため。また振り払って握りしめるため。暖炉は光を投影させるため。エンピツは噛むため。樽は人が座るため。アヒルは蹴散らすため。地面は煙を撒き散らすため。帽子は落とすため。名前を書くのは消すため、また愛を告白するため。煙突は煙を吐き出すため。パーティが始まる前に男が来るのは女を着替えさせるため、またパーティが始まる前に女にふられるため。ドアは服を挟むため。ピアノは寄りかかって置物を落とすため。テーブルの上の皿、ランプはいじるため。テーブルクロスが布巾に。プリンは驚きを振動で伝えるため。アイスクリームは溶けるため。階段は人が座るため。手摺は足、お盆を乗せるため。お菓子は子供の尻を叩くため。指がスプーンに。車椅子は回転させるため。受け皿がカップに。紐がベルトに。一同が外へ出るのは内で男と女を2人きりにさせるため。ソファーは足を乗せるため。段差はつまずくため。使用人の挑発は男に4人目の女を口説かせるため。椅子は撫でるため。犬は大群で移動させるため。帽子、杖は投げ置くため。バッグは上げ下げさせるため。階段は降りてくるため。帽子がうちわに。女たちが乗り込んでくるのは男の婚約を知るため。4人の女を口説くのはふられるため。
●「シャンパン」(1928) 88分3/26
タバコは煙を吐き出すため。新聞は破り捨てるため、また投げ棄てるため。シャンパンはキャメラのレンズに吹き出すため。グラスはレンズに。人々は走り去るため。パーティは不時着を歓迎するため。水面は光を反射させるため。帽子は風に揺られるため。人は人にぶつかるため。机を叩くのは呼び出しボタンを叩かせて使用人たちを呼び出させるため。タバコ、手紙は投げ棄てるため。手紙は丸めて投げ捨てるため。エレベーターはその中でキスをさせて人に笑われるため。スカート、ショールは風に揺られるため。指輪をプレゼントするのは後に返してもらうため。船は揺れて人をふらふらにさせるため。謎の男は恋人を嫉妬させるため。牛の頭は恋人を酔わせるため。顔面は接近させるため。娘に結婚を手配させるのは恋人のプライドを傷つけて喧嘩別れさせるため。船が揺れるのは喧嘩を滑稽にさせるため。指輪を落とすのは床に這いつくばった恋人の頭に娘の手をタッチさせるため。壁は人がもたれるため。肘掛けは人が座るため。シェーカーは放り上げるため。豪華なドレスに着替えさせるのは恋人を怒らせて娘をマッチ売りの少女にさせてさらに恋人を怒らせるため、また娘の背中を露出させるため。服は撫でるため。紙吹雪が雪に。襟は触るため。ゴミは舞うため。宝石は盗ませて娘を文無しにさせるため。手袋、帽子、枕、新聞は投げ置くため。ベッドを作るのはシーツを幕にして場面転換させるため。パンは食べられないため。ナイフは落とすため。父親を豪華なレストランに行かせるのは破産が嘘であることを指示させるため。恋人の申し出は娘のプライドを傷つけて喧嘩別れさせるため。パンを作るのは恋人の背中にパン粉の手形をつけるため、また広告を隠すため。動画が写真に。娘が面接で並ばないのは娘の令嬢としての性向を指し示すため。歯が足に。足はスカートをまくるため。破産は娘をキャバレーの花売り娘にさせるため。支配人の食事中に娘に紹介状を持って行かせるのは娘の令嬢としての性向を指し示すため。紹介状は落とすため。ドレスは輝くため。花は顔にぶつけるため。手はもむため。調理は煙を吐き出すため。パンは落として拾わせそのまま客に出すため。楽隊に花を配るのは娘の性向を指し示すため。シャンパンは手でひっかけるため。シェーカーが振られるのは娘の顔を振らせるため。「乙女の祈り」は謎の男を出現させるため。腕はつねるため。足は足を踏むため。ダンスの押し合いは席を移らせ謎の男に娘を襲わせるため。簾は影を投射させるため。シャンパンはこぼすため。娘が踊るのは恋人を怒らせるため。階段で話すのは人を通さないため。新聞はちぎって放り投げるため。人は回転させるため。名刺が表札に。壁は影を投射するため。謎の男がアメリカに行くのは船に乗ってみんなで和解するため。汽車は煙を撒き散らすため。洗面所の取っ手ははずして人の頭を殴るため。目は寄るため。メモは落とすため。ボーイは恋人をなだめるため、またシャンパンを持ってきてラストシーンで飲ませるため。恋人に結婚の手配をさせるのは娘のプライド傷つけて喧嘩させ仲直りのキスをしているところを謎の男にグラスの底を通して盗み見させて映画を終わらせるため。
●「マンクスマン」(1928) 82分 3/25
魚は投げ置くため。服は手をこすりつけるため。タバコは煙を吐き出すため(途方もなく撒き散らしている)。抗議集会は3人の関係を指し示すため。机は叩くため。娘の父親が怖い顔なのは漁師を怖がらせて親友に代わりに結婚を申し込ませるため。椅子は人がつまずくため。父親が別室にいるのは漁師に父親と親友の会話を「見ること」をさせるため。灯台の光線はあらゆるところに反射させるため。机は人がもたれるため。新聞はたたむため。階段は人が座るため。小石は窓にぶつけるため。娘の寝室が2階なのは親友の肩をはしごにさせるため。人間の肩がはしごに。夜娘に会いに行くのは娘をネグリジェ姿にさせるため。壁は影を投射するため。帽子は振るため。父親に結婚を断られるのは漁師を出航させて死んだと思わせ残った恋人と親友を浮気させ娘に子供を身ごもらせたあと漁師を金持ちにして生還させ娘と結婚させるため。木々は風に揺られるため。机は人が座るため。窓ガラスが下敷きに。水車小屋は逢引きの場所に、また結婚式のパーティをするため。風車、歯車、ひき臼は回転させるため。雲は立ち込めるため。船は煙を吐き出すため。漁師の生還を娘に内緒にするのは娘を驚かせるため。手紙は握りしめるため。樽は人が座るため。ガラスが鏡に。結婚式は誓いを破る者に重い罰が下ることを知らせるため。壁は人がもたれるため。新婚の部屋に招待客が大勢やって来るのはその後帰らせて漁師と二人きりになった娘を狼狽させるため。暖炉は燃え盛るため、また煙を撒き散らすため。花瓶は倒すため(これは演出ではなく偶然のように見える)。漁師が外出するのは娘と親友を2人きりにさせて妊娠の告白をさせるため。帽子は投げ置くため。他人の子供の妊娠の告白は夫の子供の妊娠の告白に。椅子は人がすがりつくため。揺り椅子は揺れるため。ドアは人がもたれるため。娘に子供を取り返しに行かせるのは取り返せなくさせて娘を海に飛び込ませるため。海は人が飛び込むため。水面は泡を吐き出すため。娘が身投げするのは法廷でで判事に告白をさせるため。娘が名前不詳でかつ顔を隠して入廷するのは判事をびっくりさせるため。名前は間違えるため。判事が娘を釈放するのは娘を帰らせないため。父親が法廷にいるのは真実を暴露するため。親友が判事になるのは法廷で自白させて職を辞させ娘と二人で立ち去らせるため。
●「ゆすり」(1929) 80分3/24
タイヤは回転するため。クラクションは鳴り響くため。地面は煙を撒き散らすため。窓枠は人が座るため。タバコの灰は落とすため。ブラインドは影を落とすため。窓は割るため。タバコは煙を吐き出すため。灰皿の灰は時間の経過を指し示すため。タオルは投げ置くため。机は人がもたれるため。巡査が娘に耳打ちするのは娘を笑わせるため(笑い声を非常に意識している)。冒頭の捜査は刑事をデートに遅らせて娘を苛立たせるため、また捜査の手順を指示するため。列車の子供はヒッチコックをからかうため。レストランの混雑は二人を苛立たせて喧嘩別れさせて画家の家に行かせるため、また一度違うテーブルに娘を座らせて手袋を置き忘れさせ刑事に取りに行かせて手袋の特徴を説明させるため。壁は人が寄りかかるため。手摺は影を落とすため。絵を描くのはサインを書いて消すため。ピアノは人が寄りかかるため、また鳴り響くため。口笛は鳴り響くため。キスするのは娘を帰らせるため。ドレスは娘を下着姿にさせて逃げられなくさせるため。置物は画家の頬に影を落とすため。壁は影を投射させるため。カーテンは犯行を隠すため。ナイフは逆手で握られる。殺人は娘をゆすらせるため。服は絵に投げ掛けて服を取ると下の不気味な絵が出て来るため。絵はひっかいて破るため。画家のアパートが最上階なのは階段を上ってから降りるため。巡査、浮浪者の手は死体の手に。ネオンのナイフは逆手で握られている。娘の悲鳴が管理人の悲鳴に。手袋は置き忘れてゆすられるために(一度も娘の手につけられていない)、また刑事が握りしめるため。ベッドの柱は帽子掛けに。鳥はさえずるため。蓋は落とすため。着替えるのは娘の脚と下着姿を見せるため。朝食は女に「ナイフ!」と叫ばせるため。ナイフは放り投げるため。呼び鈴は鳴り響くため。電話ボックスは人が隠れるため。メガネは掛けるため。管理人はゆすり男を目撃するため。揉み手は人を特定するため。前科はゆすり男を犯人にするため。窓は人が出入りするため。巡査はゆすり男を博物館に行かせるため。博物館が迷路に、また人が落下するため。ガラスが鏡に。はしごは影を落とすため。天井のガラスは踏み破って人が落下するため。影が絞首刑のローブに。電話は娘の自首を妨害するため。メモは握りつぶすため。絵は殺人を想起させるため。笑い声は鳴り響くため。
●「ジュノーと孔雀」(1930) 93分3/25
タバコは煙を吐き出すため。人々は転げ重なるため。酒場が避難所に。足音は鳴り響くため。机は人が座るため。ドアを叩く音は鳴り響くため。柱は人がもたれるため。窓は人が出入りするため。テーブルクロスが風呂敷に。床のシミは辿るため。皿は落ちて割れるため。遺産が入るのは買い物を沢山させたあと詐欺だと判明させて破産させるため、また家族を崩壊させるため、また娘を妊娠させるため。レコードがうちわに。ソファーはパイプの灰を叩き落とすため。帽子、杖、手袋は投げ置くため。殺人の話は息子を怖がらせるため。机は叩くため。マシンガンは鳴り響くため。歌は鳴り響くため。名前は消されるため。買った物は運び出されるため。門は人がもたれるため。恋人の励ましは励まさないため。タバコは投げ棄てるため。密告するのは殺されて母親を悲しませるため。ローソクは消えるため。
●「殺人!」(1930) 98分3/23
鳥は飛び立つため。ブラインドはシルエットを投射するため。ドアは叩くため。犬は鳴くため。窓はずり落ちるため。女が着替えるのは脚や下着を見せるため。殺人は運動を起動させるため。火かき棒は人殺しのために。紅茶を沸かすのは事件経緯の説明のために(飲まれない)。舞台の幕は独房の仕切りに。格子は影を落とすため。舞台裏の事情聴取は舞台から行ったり来たりさせるため。女が気を失うのは有罪になるため。タバコは煙を吐き出すため。髭を剃るのはラジオと独白を流すため。ピアノは人が寄りかかるため。ナイフが指揮棒に。貸間ありの看板は家賃の最速のため。絨毯は沈むため。男の声が女の声に。壊れた洗面台は人の通過を指示させるため。紅茶はベッドの揺れを示すため(飲まれない)。巡査の家に泊るのは巡査の制服を子供が真犯人のバッグから出した話を聞くため。シガレットケースは証拠に、また滑り渡すため。壁は影を投射させるため。台本は投げ棄てるため。机は人が座るため。ブランデーは犯罪の間接証拠に。脚本の読み合わせは犯人を陥れるため、また脚本を真犯人によって完成させるため。羽帽子は落とすため。真犯人が空中ブランコをするのはロープで首をくくるため。テントは影を投射させるため。
●「スキンゲーム」(1931) 81分3/21
羊は道を塞ぐため。工場は煙を吐き出すため。帽子は投げ置くため。成金の嫁を訪ねないのは成金を怒らせて約束を破らせ両家を対立させるため。肘掛けは人が座るため。セリは成金の嫁に挨拶しないため、また嫁の秘密を知る男を嫁に合わせるため。椅子は足を乗せるため。タバコは煙を吐き出すため。鼻をかむのはセリの合図に。セリで成金が名士を騙すのは名士を怒らせ嫁の秘密を暴かせ嫁を自殺させるため。机は人が座るため。胸元は手紙を隠すため。壁は人がもたれるため。カーテンは隠れるため、また握りしめるため。プールは自殺するため。
●「リッチ・アンド・ストレンジ」(1932)82分 3/25
帳簿は閉められるため。会社は終業させて従業員を帰宅させるため。傘はさせないために(役に立たない)。人は押し合うため。地下鉄で広げられた新聞は乗客の邪魔になるため。地下鉄の揺れは女の帽子の飾りを取るため。猫は払いのけるため。ミシンは服を投げ棄てるため。鍋は吹いてコトコト音を立て煙を吐き出させるため。倦怠期・満員電車は運動を起動させるため。光が帯に。格子は影を落とすため。船は揺れるため。キャメラのファインダーは揺らせて夫にめまいを起こさせるため。タバコは落とすため、また煙を吐き出すため。お尻はつねるため。足は踏み越えるため。エレベーターの数字が時計の数字に。カバンが椅子に。服はぶつけて人と出会わせるため。文字は飛び出すため。タービンは回転するため。写真はそこに絵を描いて思い出にさせるため。縄、錨は踏み越えるため。波が砕け散るのは妻にめまいをおこさせて男とキスさせるため。船は煙を吐き出すため。髪は風に揺られるため。水は壁に影を投射させるため。投げ輪はぶつけて夫を詐欺師に巻き込ませるため。人力車は揺れるために。壁は人がもたれるため。男が詐欺師の正体を教えるのは妻を夫の元へ返すため。扇風機は影を投射させるため。帽子は投げ置くため。掃除夫は怒鳴られるため。柱は人がもたれるため。封筒は落とすため。机は人がもたれるため。?は蹴飛ばすため。紙は投げ棄てるため。ビンは投げ割るため。壁は影を投射させるため。倉庫の荷は崩れるため。置物は落下して頭を直撃するため。難破は船室のドアを開かなくさせて夫婦を抱き合わせるため。窓は人が出入りするため。難破が夜なのは妻を下着姿にさせてズボンをはかせるため。猫は人を驚かせるため、また食べた夫婦を驚かせるため。猫の皮は壁に張り付けられるため。手摺は乗り越えるため。船員は見捨てられるため。船は沈むため。太陽は光り輝くため。ジャンク船は猫を食べさせるため、また出産に立ち会わせるため。帽子と服は投げ置くため。ラジオは消すため。暖炉はつつくため。ドアは人がもたれるため。妻に引っ越すと言わせるのはラストシーンを夫婦喧嘩の不協和音で終わらせるため。
●「十七番」(1932) 60分3/21
木々は風に揺られるため、また影を落とすため。落ち葉は風に舞うため。帽子は風に飛ばされて目的地を指し示すため。汽笛は悲鳴に。手摺、列車は影を落とすため。壁は影を投射させるため。階段は滑り落ちるため、また人が座るため。カーテンは風に揺られるため。ローソクは手を焼くため。蝋は垂らすため。天井は抜けて人を落下させるため。屋根は人が登るため。死体は消えるため。タバコは煙を吐き出すため。足はドアを閉めさせないため。浴槽の給水槽は宝石を隠すため。男の首を絞めるのは失神したふりをさせてダイヤを盗ませ刑事の結婚の贈り物にさせるため。浴槽の給水槽は宝石を隠すため。風呂桶は人を放り込むため。バッグは投げ置くため。手摺は崩壊して人を吊るすため。汽車は煙を撒き散らすため、また飛び乗るため、また側面や屋根を人が行き来するため。刑事が汽車から振り落されるのはバスと汽車との追いかけっこをさせるため。銃は人を殴るため。バイクは止まらないため。銃は人を殴るため。路線バスは乗っ取られて追跡車に。タバコは投げ棄てるため。バスは揺れるため。機関士を撃つのは列車を暴走させて海に転落させるため。フェリーは汽車と衝突させるため。たき火は煙を撒き散らすため。
●「暗殺者の家」(1934) 74分3/19
犬はスキー競技を妨害し一同を集まらせるために。雪は舞うため。マフラーがタオルに。木は人がもたれるため。タバコは煙を吐き出すため。ポマードは人物を特定するため。娘が母の射撃競技を邪魔するのはブローチを母からもらうため、また暗殺者に負けた母がラストシーンで暗殺者を撃ち殺すため。懐中時計の音は人物を特定させるため。窓が鏡に、また撃ち抜かれるため。ダンスパーティは殺人現場に。編みかけのセーターは男のズボンに引っかけられそれに気づいたところで男が撃たれるため。伝言は夫婦を事件に巻き込むため。服は投げ置くため。鍵は落下するため。ブラシはメモを隠すため。話は通じないため。手紙は母を失神させるため。暖炉は手紙を燃やすため。木々は影を落とすため。人形は投げ置くため。ブラシは投げ渡すため。机は人が座るため。脅迫電話は外務省に事件を知らせるため。ハンカチは投げ渡すため。歯医者は暗殺団のアジトに。麻酔は医者にかけるため。患者が医者に。2人組が歯医者にやって来るのは父親に尾行されるため。教会が暗殺団のアジトに。賛美歌が会話に。椅子は足を乗せるため。銃が寄付に。椅子は投げ倒すため、また人に投げつけるため、また電燈を割り壊すため。説教台は押し倒すため。燭台は投げるため。教会での乱闘は殺し屋の胸ポケットの中のアルバートホールのチケットを父親に見せて母親に行かせるため。母親を待機させ父親を監禁させるのは母親をアルバートホールに行かせて悲鳴をあげさせるため。窓は人が出入りするため。オルガンは乱闘の音を消すため。電話は通じないため。女のスカートは脱がせるのは監禁するため。アルバートホールは暗殺の場所に。娘のブローチは脅迫の道具に。シンバルは銃声を消すために。悲鳴は射撃をかく乱するために。帽子は投げ置くため。紙屑は舞うため。人はかき分けるため。雑貨屋が作戦本部に。雑貨屋のキャンデーは警官に盗まれるため。塀は乗り越えるため。ピアノが射撃台に。マットレスは盾に。銃は煙を吐き出すため。ドアは叩き破るため。ライフルはドアを叩き破るため。置物は銃撃して割ったり落下させたりするため。ドアを撃ち抜くのは穴を開けて父親を脱出させるため。女に弾を取りに行かせるのは地面を這わせた後ポマードの男に「俺は降りる」と言わせて怒った女を膝立ちさせたところを撃ち殺すため。ポマードの男の表情が鏡に(ピーター・ローレはポマードの男の驚きの表情を見て女に何かがあったと気づいて振り向いている)。踊り場はそこから人が落下するため。髪は風に吹かれるため。娘が屋根に逃げるのはポマードの男を母親に射殺させて落下させるため。階段は人が寝そべるため。懐中時計の音は人の居場所を知らせるため。タバコ、銃は落とすため。ドアは人が隠れるため、また撃ち抜くため。
●「三十九夜」(1935) 82分3/30
看板は影を投射させるため。タバコは煙を吐き出すため。柱は人がもたれるため、またしがみつくため。アトラクションの質問は遮られるため、また男がカナダ出身であることを指し示すため。ミュージックホールは男にメロディを覚えさせるため、また女スパイと男を引き合わせるため。銃声は逃げるため。?は投げ棄てるため(ヒッチコックが)。バスに乗るのはヒッチコックを撮るため。木々、窓枠は壁に影を落とすため。鏡は裏返すため。電話は鳴り響くため。窓とカーテンの揺れは人が出入りしたことを指示するため。スツールは蹴り渡すため。冷蔵庫は人がもたれるため。タバコは投げ棄てるため。流しは人がもたれるため。地図は握りしめるため。殺人事件は男を巻き込むため。2人組の男はカナダ人旅行者をアパートに閉じ込めるため。牛乳屋は男をアパートの外へ逃がすため。汽車は煙を撒き散らすため。アパートの管理人の悲鳴は汽笛に。窓ガラスが鏡に。地面は汽車の影を投射させるため。下着のセールスマンは男に新聞を見せるため。追っ手は男と女にキスさせるため。キスは追っ手から逃れるため。女のメガネは知的で頑固なため、また落とすため。お茶の誘いは刑事の気を逸らせて男を逃がすため。汽車の外壁は人が伝うため。食堂車のボーイは皿の上のカップをこぼさないため。食堂車、貨物車は通り抜けるため。犬は追っ手の追跡を遅らせるため。柱は人が隠れるため。汽車を止めるのは男を逃がすため。棚はベッドに。新聞の上に置かれた物はどけられるため。ランプは新聞の文字を浮き上がらせるため。新聞を机の上に置いてお祈りをさせるのは農夫の妻に事件を知らせるため、またその夫を嫉妬させるため。納屋を閉め忘れる(ことにする)のは盗み見をするため。窓枠が十字架に。ヘッドライトが照明に。男の明るいジャケットは農夫の妻をして男に讃美歌本入りの黒いレインコートを着させるため。農夫が厳格なクリスチャンなのはコートの中に賛美歌の本を忍ばせるため。農夫の夫婦の年が離れ、かつ農家の場所が田舎なのは農夫の妻に都会から来た男に恋をさせ逃亡の手助けをさせるため。杖は人を差すため。雲は流れるため。川は男を逃がすため。教授の娘の誕生パーティは男と判事を引き合わせるため。小指の不在は人物特定のため。机は人が座るため。讃美歌の本は銃弾を受け止めるため。悲鳴が笑い声に。判事が呼んだ警官は男の右手に手錠をはめるため。窓は人が出入りするため。パレードは身を隠すために。路地の警官は男を政治集会に紛れ込ませるため。紹介は聞こえないため。名前は逆さまに見られるため。帽子は振るため。政治集会は身を隠すために、また男を女と再会させ2人でスパイに捕まるため。車で女を男の横に座らせるのは女に手錠をかけるため。口笛は記憶を呼び覚ますため。羊の群れは車を妨害するため、また男と女を逃亡させるため。崖は人を落下させるため。窪みは人が隠れるため。柵は人が乗り越えるため、またくぐり抜けるため。谷は飛び越えるため。羊の鳴き声は逃亡する二人の足音をかき消すため。霧は2人の姿を見えにくくするため。滝はその裏に隠れるため、また女のストッキングを濡らして脱がせるため。男が腕を振り回すのは女の腕を振り回すため。手摺は人が座るため。ハンカチは渡されないため。寒さは2人を宿屋へ向かわせるため。手錠と寒さと暖炉は男と女をすり寄わせ宿屋の夫婦に2人が駆け落ちのカップルに見えるようにするため。スカートは引っ張るため、またうちわに。膝が椅子に。チーズは落とすため。つめやすりは手錠を切るため。サンドイッチは投げ棄てるため。パイプが銃に、また投げ置くため。マントルピースはストッキングを吊るすため、またストッキングを抜いて置物を落下させてからキャッチするため。宿屋の部屋が2階なのは女に2階から階下を盗み見をさせるため。閉店後客に酒を飲ませると違法なのはスパイを追い出すため。ソファーがベッドに。掛けられた毛布は剥ぎ取られるため。男が眠るのは手錠をはずしても逃げない女と男との信頼を生ませるため、またその隙に女に階下の盗み見をさせるため、また女に男の寝顔を盗み見させるため。ソファーの背もたれは人が座るため。女に警察に協力を仰がせに行かせるのは情報が盗まれていないことを男に知らせてヒントを与えるため(だからこそ警察の協力は得られていない)。劇場の舞台劇が逮捕劇に。タップダンスは階段を上る警官の足音に。「39階段」が組織の名前に。壁は影を投射するため。2階席は飛び降りるため。頭がメモリーカードに。アトラクションが自白に。
●「間諜最後の日」(1936) 82分4/8
敵スパイは運動を起動させるため。葬儀は生きている者を死人にするため。男が片腕なのは棺をひっくり返させて中がカラなのを見せるため。タバコは右手だけで吸うため。燭台は倒すため。光が帯に。壁は影を投射するため。爆音は鳴り響くため。手摺は影を投射させるため。汽車は煙を撒き散らすため。エンピツは耳を掻くため。男が犬の足を踏むのは紳士と巡り合うため。ブドウは食べられないため。結婚は独身の主人公を夫婦に偽装するため。ドアを閉める音は存在を知らせるため。女が風呂に入るのはバスタオル姿にさせるため。キスは男の顔にクリームをくっつけるため。ブドウは投げ渡すため。壁は人が寄りかかるため。トイレットペーパーはひきちぎるため。置物は払い落とすため。男と女を口論させるのは引っぱたき合わせるため。タバコは煙を吐き出すため。チョコレートの包装紙がスパイの連絡に。鳥は飛び立つため。ローソクは合図に。オルガンは死者の振動を響かせるため。帽子はくわえるため、また落とすため。教会の鐘は声をかき消すため、また尖塔に隠れている2人を足止めさせその間に女と敵スパイを親密にさせるため。水面は輝くため。ハンカチは投げ棄てるため。肩が枕に。ドレスは腕を組むため。カフスボタンがチップに、また人物を特定させるため、また間違えた殺人をひき起こすため。ルーレットはカフスボタンを賭けるため。犬のリードが切れるのは紳士と親密になり食事をするため。ネクタイを直すのは密談のため。芝居は紳士を山に登らせるため。人が犬に。リフトの子供や犬は紳士が好人物であることを指示させ殺したことを後悔させるため。犬は主人が殺されることを指示するため。山は人を殺すため。女を山に同行させないのは殺人を犯させないため。男が殺人の中止を提案するのは毛なしのメキシコ人一人に殺人をさせるため。ステッキは振るため、また帽子掛けに。口笛が合図に。チョコは投げ渡すため。祭りは娘と知り合うため。コインがカフスボタンに。船は煙を吐き出すため。肘掛けは人が座るため。お茶は指を入れるため。指を鳴らすのがキスに。膝が椅子に。廊下で人とすれ違うのは右往左往させるため。トングはタバコを挟むため。机は人が寄りかかるため。手紙はハサミで切られてリンゴの皮のようになるため。チョコレート工場はスパイのアジトに。板チョコは投げ置くため。ベルトコンベアーは手紙を運ぶため。工場は煙を撒き散らすため。発作と火災報知器は逃げるため。帽子がうちわに。群衆は捜査を妨害するため。女が残るのは敵スパイと汽車に乗せるため。車、サウナは煙を撒き散らすため。サウナが指令室に。地図は逆さにされるため。汽車は煙を撒き散らすため。女が雑誌を買うのは男と再会させるため。兵士が男を汽車に乗せないのは柵と剣越しに男と女を再会させキスさせるため(結局通行は許されている)。汽車の屋根はマシンガンを乗せるため。カバンは投げ置くため。指が銃に。空爆は煙を撒き散らすため。女が敵スパイに愛を告白するのは銃をコートに入れさせそれを女に取らせてから空爆するため。列車は脱線し煙を吐き出すため。敵スパイが水を要求するのは毛なしのメキシコ人に銃を置かせて彼を撃ち殺すため。空爆は男が敵スパイを殺さなくて済ませるため。線路は人が座るため。髪は風に揺られるため。
●「サボタージュ」(1936) 72分 5/1
ライトは光るため、また消えるため。煙突は煙を吐き出すため。砂は発電機を停止させるため。マッチは煙を吐き出すため。ローソクは息で揺らすため。ようじは噛むため。リンゴが燭台に。払い戻さないのは払い戻すため。洗面台は砂を流すため。新聞は光除けに。帽子は人の存在を指示するため。懐中電灯は光るため。草は噛むため。ライトは点灯するため。エプロンは踏みちぎるため。布巾は目隠しをして皿を割るため。家政婦が帰るのは弟に給仕させるため。暖炉は人が寄りかかるため。レタスは館主の帰宅を尋ねるため。窓は開いて叫び声を聞かせるため。警備員はレタスをもらうため。服は果物をこするため。果物屋は刑事の張り込みに。落ちている野菜は警官に咎められるため。刑事の八百屋の呼び込みは同僚への尾行の合図に。水族館は破壊活動の連絡場所に。報酬をもらえないのは館主にテロをさせるため。ガラスは破壊活動のイメージ映像に。回転扉は出られないため。テーブルクロスは引っ張るため。椅子はその上に人が乗るため。レストランは身の上話を聞くため。給仕は刑事の正体をバラすため。エンピツは投げ置くため。請求書は破り捨てるため。経費は請求しないため。小鳥屋が爆弾犯のアジトに。手は揉むため。ミニチュアの船を造りまた手紙を書くのは刑事の話を聞かせるため。コインは投げ置くため。リンゴが切符に。柱、壁は人が寄りかかるため。スクリーンの裏は影を投射させるため。タバコは煙を吐き出すため。窓は人が出入りするため。刑事が盗み聞きするのは身分をバラし館主に一人でテロをさせ弟を巻き込むため。映画館は破壊活動のアジトに。鳥かごは爆弾を隠すため。刑事が妻と話しまた表に見張りの刑事がいるのは入り口を塞いで弟に爆弾を持って行かせるため。グラビアを見るのは平静を装うため。弟が早く出発しないのは館主の怒りを爆発させるため。足は足をかくため。新聞は投げ置くため。露店、パレードは時間を経過させるため。縮れ毛はブラシをかけて時間を経過させ、また露店に捕まり時間を経過させるため。人はかき分けるため。パレードは弟を横断させないため。帽子は振るため。フィルムケースは弟を使いにやるため、またその持ち主を特定させるため。車掌が映画ファンなのはバスを爆破させるため。渋滞は時間を稼ぐため。バスは爆発して煙を吐き出すため。号外は姉を失神させ弟の幻影を見せるため。映画は人を笑わせるため。弟の死の直後に食事を作るのはナイフで夫を刺殺するため。机は人が座るため。すれ違う子供が弟に。トラックは警察の指令室に。鳥かごはそれを取り返すために映画館に行った小鳥屋に映画館を爆破させて妻の罪責を消すため。ドアは押し開けるため。映画館を封鎖するのは小鳥屋に映画館を爆破させるため。自首はできないため。
●「第3逃亡者」(1937)
タバコは煙を吐き出すため。雷は鳴り響くため。波は砕け散るため。悲鳴が鳥の鳴き声に。殺人は男と女を巻き込むため。ベルトは人を絞め殺すため、また殺人犯を特定するため。海岸は死体置き場に。女2人組は男を殺人犯にさせるため。レインコートは殺人の証拠に。机は人が座るため。遺産は男を犯人にさせるため、また男を失神させ女に介抱させるため。椅子が枕に。耳は引っ張るため。格子は影を投射させるため。女が車のエンジンをかけるのは通りがかった男に軽口を叩かせるため。車、コーヒーは煙を吐き出すため。弁護料の請求は男の所持金を欠乏させるため。札は投げ置くため。弁護士が近眼なのは男にメガネを奪われ変装させるため。裁判所は脱走するため。裁判所の入り口はヒッチコックを撮るため。車はしがみつくため。馬車は没収されて警察車両に。ガス欠は女を事件に巻き込み、また男にガソリン代を払わせて所持金を欠乏させるため。車は押すため。子供の踏み台が倒れるのは男に助けさせてた隙に女に金を請求するため。ボンネットは人が座るため。木々は影を落とすため。女の車がパトカーとすれ違うのは女の状況を指示させるため。クモの巣は風に揺られるため。水車小屋が隠れ家に。女の家族の食卓は男の所持金が欠乏していることを女に知らせるため。弟が多いのは女を孤立させるため。麦わらはベッドと蒲団に。コインは落とすため。樽がテーブルに。はしごは人が座るため。服は物を入れるため。窓から投げられるごみは存在を警官に知らせて2人を逃亡させるため。パンが紙で包んであるのは紙を窓から投げだすため。柵は乗り越えるため。犬は警官を妨害するため。壁、風車は人が伝うため。ナンバープレートは蹴り隠すため。女が車を持っているのは男と車で逃げるため。通行止めは2人を左へ行かせるため。テーブルはひっくり返すため。椅子は投げるため。窓は物を投げ出すため。ドライブインの乱闘は男の頭を柱にぶつけさせて女に介抱させるため(女の2度の介抱はラストシーンの布石のためのマクガフィン)。カップの破片は車をパンクさせるため。木々は風に揺られるため。叔母の家へ行くのは叔母に男を怪しませて警察に通報させ検問を突破させて女を決定的に事件に巻き込むため。置手紙は渡されないため。置物は所有者への贈り物に。叔父は男を家に入れるため、また2人を逃がすため。ソファーは人が立つため。名前と仕事を聞くのは怪しむため。目隠しゲームは2人を逃がすため。汽車は煙を撒き散らすため、また光を点滅させるため。車のシートがベッドに。柱は人が寄りかかるため。コップは落として割るため。汽車は駐車した車を隠すため、また車を遮るため。汽笛は鳴り響くため。タンクローリーは車を遮るため。踏切は車を妨害するため。犬は浮浪者の着ているレインコートを露出させるため、また炭鉱で逃げだして女を警官に逮捕させて部屋に監禁させ男を忍び込ませるため。廃坑は車を転落させて男に女を救出させるため、また煙を吐き出すため。音を立ててスープを飲むのは咎められるため。辞職願いは提出されないため。窓は人が出入りするため。カーテンは風に揺られるため。女が眠るのは男との再会を劇的にさせるため。窓枠は人が座るため。マッチは持ち主の居所を特定させるため。帽子は投げ棄てるため。旗は風に揺られるため。まばたきは犯罪の証拠に。浮浪者をホテルに同行させるのはそれを見たまばたき男に発作を起こさせて失神させ女に介抱させるため。ダンスは犯人に接近させて木琴を叩かせるため。女が看護婦のスキルを有するのは犯人を介抱するため。黒人のメイクは拭き取るため。
●「バルカン超特急」(1938)
格子は影を落とすため。ホテルのドアを開けるのは風を吹き入れるため。雪崩は列車を不通にして客を足止めし人物描写させるため。タバコは煙を吐き出すため。結婚式は娘をロンドンへ行かせるため。机はその上に乗った娘の脚を見せるため。机は人が乗るため。ベッドのポールは人がもたれるため。部屋がないのは英国紳士をメイド部屋に閉じ込めるため、また舞踏家を部屋から閉め出して娘の部屋に押し込ませるため。帽子は帽子箱から取り出したりしまったりするため。梁は人の頭をぶつけるため。新聞は投げ置くため。ロンドンからの電話は英紳士2人組のクリケット熱を示すため。英紳士が割り込んでテーブルにつくのは彼らの性格を指示するため、また家庭教師の話を聞かせるため。壁は人が寄りかかるため。木々は影を落とすため。シャンデリアは揺れるため。民謡舞踏は騒音をたてて階下の娘と舞踏家を喧嘩させ引き会わせるため、また娘に家庭教師と話させるため。床は鳴り響かせるため。耳はエンピツを挟むため。広げられた新聞はベッドの上の英紳士たちの出現を劇的にさせるため。メロディは人物を特定させるため。服は投げ置くため。ポールが洋服掛けに、またカバン掛けに。荷物は投げ捨てるため。風呂は入らないため。壁は影を投射するため。コインは投げ落とすため。汽車は煙を撒き散らすため。メガネは落とすため。植木鉢は娘の頭に落とすため。車輪は回転するため。汽車の揺れはふらついた家庭教師を不倫カップルのコンパートメントに侵入させてカップルに目撃させるため。汽笛は声をかき消し窓に「フロイ」と書かせるため。窓は文字を書くために。砂糖はゲームの駒に、また砂糖を渡した英国紳士に家庭教師を目撃させるため。電線、レールはゆらめくため。娘を眠らせるのはその間に家庭教師を失踪させるため。汽笛は眠りから覚ますため。家庭教師の失踪は娘を事件に巻き込むため。柱は人がもたれるため。車外の物体は光を断続的に反射させるため。不倫、クリケット好きは目撃の証言をしないため。娘に列車を止めると宣言させるのは英国紳士を協力させないため。クマールが音楽教師に。再び食堂車に行くのは窓に書かれた「フロイ」の文字を娘に発見させて娘に調査を続行させるため。トンネルは煙を充満させて「フロイ」の文字を消すため。汽笛は鳴り響くため。座席は足を乗せるため。ゴミを窓から捨てるのは紅茶のラベルを窓に張り付け男に目撃させるため。紅茶のラベルは人物の存在を指示するため(紅茶は飲まれない)。板は倒れて奇術師の看板を出現させるため。道具箱は人が座るため。ハトは男に「消える箱」を調べさせるため。校長への変装はメガネを発見させるため。メガネは人物の存在を指示するため。ロバ、うさぎは目撃者に。帽子はうさぎの住み家に。バッグは踏み台に。棒は人を叩くため。道具箱は人間が入るため。人が重りに。ハイヒールは人物を指示するため。ブランデーはグラスの中で揺れるため。窓は人が出入りするため。汽車の外壁は人が伝うため。毒は入れられないため。体操はお尻を叩かれるため。個室の洗面台は人が隠れるため。悲鳴が汽笛に。椅子は人を殴るため。英紳士が汽車を降りようとするのは撃たれるため。銃は煙を吐き出すため。車が盾に。窓は割られるため。メロディが暗号に。投降するのは撃ち殺されるため。デッキは人が落下するため。弾を一発残すのは敵に奪わせるため。機関士が撃ち殺されるのは男に汽車を操縦させるため。ハイヒールのスパイは裏切るため。汽笛はメロディをかき消すため。船は煙を吐き出すため。汽車のホームはヒッチコックを撮るため。クリケット、結婚は中止されるため。婚約は男にメロディを忘れさせるため。
●「巌窟の野獣」(1939)
波は砕け散るため。看板は揺れるため。煙突は煙を吐き出すため。ランプは揺れるため、また隠すため。船は難破させるため。海は人が落下するため。ナイフは逆手で握られている(順手もあり)。荷は投げ渡すため。服は血を拭くため。馬車がホテルを通り過ぎるのは領主を娘に引き合わせるため。賭けは負けるため。金貨は投げるため。馬は娘に貸すため。叔父は使用人と間違われるため。母の死は娘をホテルへ導くため。トランクは放り投げるため。タバコは煙を吐き出すため。壁は人が寄りかかるため。ネックレスは投げ置くため。不平は捜査官を吊るすため。捜査官は娘の部屋から手の届く梁に吊るして娘に助けさせるため。靴を盗ませるのはその隙に捜査官と娘を逃がすため。食事は娘にナイフを渡すため。壁は影を投射するため。風は吹き荒れるため。屋根、石の山は人が隠れるため。請求書は破り捨て舞い散らせるため。洞窟は人が隠れるため。岩が枕に。娘が逃げるのはボートを流して泳がせ娘を下着姿にさせるため。聖書は吊るすため。岩は人が隠れるため。木々は風に揺られるため。捜査官が吊るされるのは彼と娘を領主邸へ導くため。銃は投げ渡すため。手紙は口述させて娘に盗み聞きさせるため。木々は影を落とすため。ランプは落とすため。銃はドアを叩くため。草は噛むため。暖炉は煙を吐き出すため。手鏡は撃ち砕かれ不吉の予兆となるため。銃は煙を吐き出すため。難破船を襲いに行くのはその隙に捜査官を逃がすため。椅子は人を縛り付けるため。手袋は回すため。髪、服は風に揺られるため。未熟な若い男を灯台の見張りにやるのは娘に灯台を占拠させるため。椅子は倒れるため。賊が船に見入るのはその隙に娘を逃がすため。燃える布が灯台の灯に。服はひきちぎるため。手紙はちぎるため。叔母が真犯人の名前を口にするのは撃ち殺されるため。口は弾の蓋を取るため。ハンカチは振るため。銃は落として暴発させ煙を吐き出させるため。マストは人を落下させるため。
●「レベッカ」(1940)
霧は立ち込めるため。雲の影が幕に。光が帯に。波は砕け散るため。断崖は男と娘をめぐり逢わせるため。木々は影を落とすため。ロビーでお茶を飲むのは男と再会させるため。娘が食事をするのは花瓶を倒してテーブルを水浸しにさせて男のテーブルで一緒に食事をさせるため。主人の風邪は男と娘をデートさせるため。襟、髪は風に揺られるため。潮の流れの話題は男を怒らせるため。花、窓枠、シャンデリアは壁に影を落とすため。鉢植えはラケット入れに。クリームは灰皿に。テニスラケットはデートをするため。水面が鏡に。フェンスは影を落とすため。爪を噛むのは噛まないため。なぜ自分と付き合うのかという娘の質問は男を怒らせるため。木々は風に揺られるため。女主人の娘の結婚、男の外出は娘に結婚を急がせるため。シャワーは電話に出ないため。肘掛けは人が座るため。女主人が娘に背を向けて男から結婚の報告を聞くのは振り向いて驚くため。男が荷物を取りに行くのは娘と女主人を2人きりにさせるため。結婚証明書は舞い落ちるため。帽子は紙をキャッチするため。雨は降り注ぐため。コートはかぶるため。ワイパーはフロントガラスを区切るため。召使い全員で出迎えるのは娘を委縮させるため。手袋は落として拾うために(娘の手に一度もはめられていない)。結婚、マンダレーは娘を巻き込むため。雨は影を落とすため。家政婦は夫と間違われるため。机は人が寄りかかるため。壁は影を投射するため。ローソクは風に揺られるため。お茶は娘が自分でいれるため。床はスリップするため。カーテンは風に揺られるため。屋敷が迷路に。前妻のイニシャルは娘を委縮させるため。電話は自分の死を告げるため。娘が手帳を見るのは陶器を落として割るため。姉夫婦に娘の陰口を言わせるのは娘に盗み聞きさせるため。散歩、犬は娘を海の小屋に行かせて男を怒らせて娘を泣かせ前妻のイニシャル入りのハンカチで涙を拭かせるため。リードを探すのは小屋の中を覗くため。壁は人が寄りかかるため。財産管理人の仕事を手伝うのは前妻の話を聞くため。男が8ミリのセットをするのは振り向いて娘のドレスに驚くため。フィルムは切れるため、また陶器を壊したことを娘に告白させるため、また暗がりの娘と男の顔を揺れるライトで炙り出すため。男が外出するのは娘を屋敷に一人にさせるため。娘が窓に近づくのは別館の窓が閉められるのを目撃するため。窓は人が出入りするため。お茶の誘いは家政婦の目配せで断らせて家政婦とセールスマンの関係を指し示すため。毛皮のコートは人の顔を撫でるため。ブラシを触るのはずらして元に戻させるため。クラクションが合図に。マッチは投げ棄てるため。スケッチは消すため、また棄てられたスケッチを家政婦に見せて肖像画の前妻を娘に仮装させるため。バーベルは落とすため。男が階段に背を向け姉夫婦と話し込むのは振り向いて娘の仮装に驚くだめ。仮装パーティは妻を窮地に陥れるため。階段はサスペンスのため。帽子は落ちるため。家政婦が娘を落下させるために窓を開けるのは難破船の騒ぎを2人に目撃させるため。難破船は先妻の遺体を暴露するため。火花は飛び散るため。タバコは煙を吐き出すため、また投げ棄てるため。クモの巣は風に揺られるため。夕刊は読まれないため。暖炉は燃え盛るため。寄宿学校が尋問の場所に。失神は委員会を休廷させ車の中でセールスマンにゆすらせて医者に会いに行かせ男を放免させるため。タイヤは転がすため。骨は投げ棄てるため。男がセールスマンを殴るのは性格を暴露して不利になるため。椅子は足を乗せるため。すりガラスはシルエットを投射させるため。前妻が強い女なのは自殺しないため。娘を先に屋敷に返すのは家政婦に焼き殺されそうにさせるため。セールスマンが家政婦に電話するのは屋敷に放火させるため。警官は八つ当たりされるため。屋敷は燃え盛るため。炎は影を投射させるため。枕は燃えるため。
●「海外特派員」(1940) 118分4/25
机は人が座るため。報告書は投げ置くため。窓枠は影を投射させるため。机は足を乗せるため。欧州危機は運動を起動させるため。イニシャルは塗り替えられるため。子供に帽子を預けるのは帽子をなくすため。汽車は煙を撒き散らすため。傘がステッキに。街のショットはヒッチコックを撮るため。外交官と出会わせるのは殺された人物が同一人物だと誤解させるため。タクシーは帽子を忘れるため。タバコは煙を吐き出すため。言葉の通じない小男は女と特派員をめぐり会わせるため。キルトを履いた男は小男を連れ出し特派員と女を2人きりにさせるため。女が演説に詰まるのは恋文を見せて混乱させるため。拍手は鳴りやむため。フラッシュは光るため。キャメラは銃撃を偽装するため。傘は舞い飛ぶため。階段は転げ落ちるため。カメラは投げ棄てるため。雨は群衆に傘をささせるため。傘は暗殺者の逃走経路を指し示すため。銃は煙を吐き出すため。自転車は倒れるため。路面電車は人がすり抜けるため。車はしがみつくため、また落下するため。ヘッドライト、フロントガラスは撃ち抜くため。雨は影を投射させるため。横断者は道路を横断しないため。水溜りはしぶきをあげるため。風は帽子を吹き飛ばして風車の逆回転を見せるため。草は風に揺られるため。風車は飛行機の着陸の合図に。風は鳴り響くため。光が帯に。風車小屋は人を監禁するため。歯車はコートを巻き込むため。コートのベルトをはずしておくのは歯車に巻き込まれないため。敵のスパイが裸なのはシャツを着させて目を見えなくさせた隙に特派員を逃がすため。誘拐は主人公を巻き込むため。地面はメモ帳に。女と記者に警官隊を追いに行かせるのは特派員一人に目撃させて孤立させるため(結局特派員が自分で警官を呼びに行っている)。会議がオランダで開催されるのは風車小屋のサスペンスを撮るため。泥は手を汚すため。電話線を切るのは特派員を怪しませるため。鍵穴が覗き穴に。水の音は人を存在させるため。窓は人が出入りするため。壁は人が伝うため。ネオンは触って消すため。特派員がガウンを着ているのは女との関係を誤解させるため、また部屋に服を取りに行かせるため。特派員が女の部屋から出て行くのは出て行かないため。花は影を投射させるため。壁は人が寄りかかるため。水漏れは特派員の不在を知らせるため。バスタブは煙を吐き出すため。ルームサービスは部屋を人だらけにさせて2人を逃亡させるため。2人組は特派員を部屋から脱出させて隣室の女と結びつけるため、また特派員に護衛をつけさせるため。満室の船の交渉中に女が特派員を連れ出すのは切符を取れなくさせて寒空の甲板で毛布をかぶらせ愛を語らせるため。父親の家にいる男は外交官の正体を特派員に知らせるため。壁は影を投射するため。木々は影を落とすため。娘の特派員への愛は父親に葛藤を生じさせるため。道路を横切るのは突き飛ばすため。車は煙を吐き出すため。帽子は舞い落ちるため。エレベーターが満員なのはサスペンスのため。やって来た夫婦はすぐに引き返すため。展望台は人を落下させるため。死者のミサは探偵のミサに。スダレは影を投射させるため。新聞は投げ置くため。地面は影を投射させるため。誘拐は女を怒らせ父親と同行させるため、また記者に父親の行き先を知らせるため(結局誘拐は未遂に終わる)。記者からの電話は特派員にホテルで別々の部屋を取らせて女を怒らせるため。監禁場所を記したメモは監禁場所を知らせないため。雷は鳴り響くため。父親の仲間に電話をかけさせるのは娘に真相を知らせるため。改装中のレストランはスパイのアジトに。レコード、ライトは拷問に。窓はシルエットを投射させるため、また蹴破るため。屋根はクッションに。椅子は逆さにされている。窓ガラスが鏡に。女の客が搭乗員に話しかけるのはその隙に手紙を取るため。肘掛けは人が座るため。戦争は一同をアメリカ行きの飛行機に乗せるため、また旅客機を誤爆させて墜落させるため。女が苦情を言うのは撃たれて死ぬため。窓は撃ち抜くため。飛行機が水族館に。トランクは窓を割るため。飛行機は落ちるため、また父親を自殺させるため。翼が救命艇に。機長は翼を重量オーバーにさせて父親を自殺させるため。波、船は煙を撒き散らすため。双眼鏡が鏡に。船長が分からず屋なのは電話を盗聴器にさせるため。社主が伯父に。空襲は警報を鳴り響かせ部屋を暗くさせるため。
●「スミス夫妻」(1941) 93分 4/16
ソファーは人が乗り越えるため。お尻はドアを閉めるため。足は椅子を引き寄せるため。椅子が机に。ブラインドは影を投射させるため。ドアの下がポストに。指は鳴らすため。サインをもらうのは夫婦喧嘩のレヴェルを指示するため。杖はドアを閉めるため。ソファーは人が隠れるため。髭を剃るのはもう一度剃るため。足はくっつけてから離すため。結婚無効は夫婦喧嘩を起動させるため。役人が妻と知り合いなのは結婚無効の知らせを妻に知らせるため。スカートは妻が太ったことを示すため。地面は影を投射させるため。厨房は煙を吐き出すため。ローソクは風に揺られるため。猫はスープの味を評価するため。レストランは真相を告げないため。食器はぶちまけるため。服は投げ置くため。サウナは煙を吐き出すため、また旧友に会って女たちを紹介してもらうため。膝が椅子に。表札は破るため。ペンはチェーンを外すため。ペンは投げ置くため。箱は叩きつけるため。車は飛び乗るため。机は人が隠れるため。下着は舞い捨てるため。就職はクビになるため。喧嘩は人を集めるため。肘掛けは人が座るため。帽子は投げるため。ドアは顔をぶつけて鼻血を出させてジンを飲ませ女の電話番号を知らせるため。ジンが電話帳に。レストランは妻と鉢合わせするため。椅子は運ぶため。人はかき分けるため。隣の美人は妻を嫉妬させるため。瓶は鼻を殴るため。椅子がベッドに。ナイフは鼻の下に置くため。空中ブランコは故障させて雨を降らせて妻と同僚をびしょ濡れにさせるため、また同僚に風邪をひかせて酒を飲ませるため。髪は風に揺られるため。車、机は人が座るため。両親は一同を冬山に導くため。雪で道路が不通なのは両親を隔離するため。山小屋に泊るのは隣部屋の音を聞かせるため。木々は風に揺られるため。雪は顔を冷やすため。服、靴は脱がすため。タバコは投げ棄てるため。暖炉は燃え盛るため。仮病は見破られるため。ドアの音を立てて閉めるのは夫に仮病を装わせるため。瓶は投げるため。グラスは投げ割るため。椅子は倒すため。本は落として音を出すため。壁は人が寄りかかるため。ネクタイは投げ置くため。スキーは妻を動けなくさせるため、また夫妻の抱擁を暗示するため。
●「断崖」(1941)
列車は男と女を巡り合わせるため。トンネルは部屋を暗闇にするため。窓枠は影を投射させるため。メガネ、乗馬、教養、髪形は女が婚期を逸するため。切手は乗車運賃に。写真を撮るのは人々を接近させて話をさせるため(写真は撮られずじまいに終わる)、また馬のいななきで男によそ見をさせて女と再会させるため。顔が鏡に。本は写真を挟むため。教会は行かないため。木々は風に揺られるため。帽子は風で吹き飛ばされため。髪は直すため。ハンドバッグが閉じられるのはキスをしないため。父母の会話は娘と男をキスさせるため、また娘を結婚させるため。木々は影を落とすため。デートは断られるため。めがねは掛けるため。女が舞踏会に行きたがらないのはそのあと行きたがるため、暖炉は燃え盛るため。ドレスは放り投げるため。ダンスは舞踏会を抜け出すために。車はキスするため。肘掛けは人が座るため。家に寄るのは父親の肖像画に結婚を報告するため。額はずり落ちるため。父が新聞を読み母が編み物をしているのは娘に駆け落ちさせるため。結婚は女を巻き込むため。旅行カバンに貼られた宛名は新婚旅行の行き先を教えるため。手袋は投げ置くため。マントルピースは人が寄りかかるため。椅子は足を乗せるため。手摺は影を投射させるため。マッチは投げ渡すため。椅子は売られてショーウインドウを飾るため、また買い戻すため。妻が本屋へ行くのは骨董屋に飾られた椅子を見るため。人がアヒルに。親友に酒を飲ませるのは妻に親友の発作癖を知らせるため。ポストはヒッチコックを撮るため。机は人が座るため。就職は横領して首になるため、また夫に借金を作らせるため。妻が夫の会社へ行くのはクビになったこと知るため。書き置きは破られるため。クビの知らせが父親の死の知らせに。父親の死は遺産を残さないため。壁は人が寄りかかるため。妻が親友に「子供ね」と言うのは親友を壁際に立たせて会話を夫に盗み聞きさせて怒らせるため。植木の手入れをするのはやってきた夫に驚くため。タバコは煙を吐き出すため。笑い声が悲鳴に、文字並べゲームは妻に疑念を植え付けるため、また妻を失神させて寝過ごさせその隙に夫と親友を断崖に行かせるため。髪は風に揺られるため。波は砕け散るため。夫がプレイヤーの修理をするのは親友にプラグを入れさせるため。親友がパリに行き夫にロンドンまで送らせるのは親友を死なせて夫への疑念を湧かせるため。父の死による喪服の黒は親友の死の喪服の黒に。夫がホテルを引き払うのは妻に疑念を湧かせるため。背もたれが枕に。地面は影を投射させるため。小説は殺人の方法を教えるため。本は手紙を挟むため。手紙は投げ置くため。夫が風呂に入るのはその隙に妻に手紙を読ませるため。石鹸の要求がサスペンスに。保険は妻に夫の殺意を疑わせるため。暖炉は光を揺らすため。ローソクは風に揺られるため。夕食会は妻に毒殺の危険を知らせるため。鶏肉が死体に。小説家の弟が検視官なのは毒について解説させるため。使用人の休暇は妻の疑念を強めるため。椅子は人がもたれるため。失神は夫にミルクを持ってこさせるため。小説家が看病するのは妻の疑念を強めるため。ミルクは白く光るため、また飲まれないため。階段はサスペンスに。夫に車を運転させるのは妻を恐怖に陥れるため。メーターが鏡に。近道は断崖で落下しそうにさせるため。地面は鳴り響くため。車はUターンするため。地面は煙を撒き散らすため。
●「逃走迷路」(1942)
壁は影を投射するため。厨房は煙を吐き出すため。地面は影を投射させるため。ブロンド女に見とれさせるのは敵スパイにぶつけさせて封筒と100ドル札を落とさせ住所と顔を覚えさせるため。タバコは煙を吐き出すため。破壊活動は煙を吐き出すため、また炎を燃えたぎらせるため。消火器は火炎放射器に。男が親友に消火器を渡すのは事件に巻き込まれるため。炎は揺れる影を投射させるため。木々は影を落とすため。男にブランデーを探しに行かせるのは噂好きの女の家に行かせて刑事に会わせないで逃亡させるため。トラックの通過物は影を投射させるため。対向車はトラックを揺らすため。トラックの揺れは消火器を揺らすため。新聞は挟んで消火器の揺れを止めるため。ハンドルはマッチを擦るため。看板が男へのメッセージに。運転手がタバコを吸うのは男にハンドルを持たせて看板に見とれさせるため。白バイはやり過ごすため。プールは揺れる影を投射させるため。肘掛けは人が座るため。手紙は投げ置くため。赤ん坊はポケットの中から手紙を取るため、また盾になるため。がま口は銃を入れるため。柵は飛び越えるため。地面は煙を撒き散らすため。馬は落馬するため。通報は男に手錠をかけるため。トラックにタイヤ交換させるのは男を逃がすため。タバコをもらうのは殴って逃げるため。足はドアを蹴開けるため。対向車は男を橋の上からダイブさせるため。川は水しぶきを上げるため、またその中に隠れるため、また揺れる人影を投射させるため。刑事を川に突き落とすのは男と間違わさせるため。雲は立ち込めるため。雷は光るため、また鳴り響くため。夕立は男を森の一軒家へ導き盲人と女に会わせるため。暖炉は薪を落として盲人に手錠を見せる(?)ため、またかじりかけのりんごを投げ棄てるため。リンゴはかじる音を出させて食事をさせナイフを落下させて手錠を女に見せるため。手錠を女に見せるのは男の手をハンドルに巻き付けるため。車のファンは手錠の鎖を切るため、また壊れて車をオーバーヒートさせサーカス団の車に男と女を乗せるため。通りかかる車はサスペンスのため。手錠は火花を撒き散らすため。監禁が夫婦喧嘩に。肩が枕に。寒さは男と女が寄り添わせるため。岩は人が隠れるため。サーカス団は2人を匿うため、また女が男を信じるため。車は飛び乗るため。蛇は女を車に乗せるため。荷物棚は人が隠れるため。ハンカチは振るため。電話は鳴り響くため。ドアノブは光るため。窓は人が出入りするため。覗き穴は光を投射させるため。ボイラーが金庫に。壁は人が寄りかかるため。ダムは水しぶきを上げるため。廃墟で女が隠れるのは男の会話を盗み聞きさせて再び疑念を沸かせるため(ここの演出がよくわからない)。車の中でスパイが決行場所を口にするのは男に知らせるため。レストランと厨房は通り抜けるため。机は人が座るため(4回座っている)。富豪の屋敷がスパイのアジトに。本の題名はメッセージに。女主人を呼びに来た女は男と女を逃がすため。パーティの客は男を信じないため。ダンスは男と女を引き離すため。暴露がオークションに。人は跨ぐため。見取り図は燃やすため。机は足を乗せるため。格子は影を投射させるため。タバコを吸うのは火災報知機を鳴らして逃げるため。やじ馬は男に新聞を見せるため。ペンが使えないのは口紅をペンにさせるため。化粧は敵をやり過ごすため。机は角で紙を切るため。高層ビルは紙をひらひら落下させるため。渋滞はタクシーを降りるため。タクシーの運転手たちは紙を受け取るため。光は点滅させるため。所長に会いに行くのは会わないため。汽車、爆破は煙を吐き出すため。映画館は逃げるため。映画が現実に。銃は煙を吐き出すため。髪は風に揺られるため。スパイが銃を落とすのは男に銃で追い詰められて落下するため。袖はちぎれるため、また風に揺られるため。自由の女神は人が落下するため。
●「疑惑の影」(1943)
カーテン、ブラインドは影を投射させるため。札は散乱させるため。グラスは投げ割られるため。窓枠は影を投射させるため。カーテン、木々は風に揺られるため。壁は人が寄りかかるため。宿屋のルームナンバー⑬は叔父の運命を暗示するため。刑事の追跡は叔父を姪の元へに向かわせるため。紙屑は舞い上がるため。鳥は影を投射させるため。木々は影を落とすため。妹に電話を取らせるのは電報を受け取らないため。妹が本を読み、また鉛筆がなくてメモを取れないのは姪を郵便局へ行かせるため。雑誌は投げ置くため。姪が退屈なのは叔父を呼び寄せるため。椅子は人が乗るため。耳はエンピツを挟むため。列車内のカードはヒッチコックを撮るため。汽車は煙を撒き散らすため。コート、エプロンは脱ぐため。服、帽子は投げ置くため。プレゼントは姪を感傷的にさせて台所へ行かせ叔父と2人きりにさせて指輪をプレゼントさせるため。エプロンはいじるため。冷蔵庫、柱は人が寄りかかるため。指輪のイニシャルは殺人の証拠に。鼻歌は叔父に犯行を想起させるため。グラスが倒されるのは話題を転換させるため。タバコは煙を吐き出すため。新聞は紙の家になり記事を隠すために、またそれを姪に見破らせて叔父に手を掴ませ力の強さを指示させるため。「陽気な未亡人(メリー・ウィドウ)」のメロディは殺人を想起させるため。靴の手入れをするのは靴を叩き落とすため。タバコの煙が輪に。机は人が寄りかかるため。街を歩くのは注目させるため。エンピツはいじるため。銀行は父親を冷やかすため、また叔父を未亡人に引き合わせて講演をさせるため。手摺は人が寄りかかるため。フラッシュは光るため。写真はフィルムを奪われるため(奪われてはいないが)。国勢調査が殺人事件の捜査に。ケーキは作られないため。写真は撮られないため。刑事がデートを申し込むのは姪に身分を見破られるため。叔父が一階で姉と話しているのはその隙に姪を二階の叔父の部屋に忍び込ませるため。新聞は丸めるため。交通整理の警官は姪が図書館に行くのを遅らせ閉館後の暗い図書館に姪をひとりぼっちにさせて記事を読ませるため。車は人を轢きそうになるため。ライトは消すため。地面は影を投射させるため。裏口があるのは叔父に見られずに外へ出るため。椅子が洋服掛けに。背中はドアを閉めるため。新聞の漫画を勧めるのは読まれないため。殺人談義は姪を怒らせて家から飛び出させ叔父と2人きりで酒場に行かせるため。布巾は投げ置くため。人は人とぶつかるため。ナプキンは折り畳んでねじり回してから隠すため。テーブルに指輪を置くのは叔父に奪わせるため。姪の家族が善良なのは彼らに叔父が殺人犯であることを知らせることができなくさせて姪を孤立させるため。叔父の嫌疑が晴れるのは姪を孤立させるため。葉巻は落とすため。手袋が落ちているのは姪をガレージの奥へ行かせるため。手袋はいじるため。梯子は人が寄りかかるため。ガレージで求婚させるのは扉が閉まり易いことを示しておくため。階段は人を落下させるため。車は煙を吐き出すため。手摺は洋服掛けに。講演は姪に車を出しに行かせてガレージの排気ガスで殺すため。姪に排気ガスを嗅がせるのは姪の気分を悪くさせて家に一人で残らせ指輪を探させるため。ラジオは姪の悲鳴をかき消すため。丸太はガレージの扉を固定するため。刑事と連絡が取れないのは姪を孤立させるため。階段がサスペンスに。講演パーティがさよならパーティに。叔父を見送る姪の黒いドレスは喪服に(葬式の時にはライトは黒い服を着ていない)。子供たちに汽車の中まで見送りに来させるのは姪を監督者にさせて同行させ降り遅れさせて叔父に殺させるため。汽車は人が落下するため。対向車両は人を轢き殺すため。叔父を事故死させるのは逮捕させないため。
●「救命艇」(1943)
船は煙を吐き出すため、また水没して水しぶきを上げるため。Uボートの転覆は事件を起動させるため。船荷、人は水に浮かぶため。霧は立ち込めるため。タバコは投げ棄てるため。ラケットは哺乳瓶を叩き沈めるため。助けを呼ぶ声は機関士にキャメラを払い飛ばさせるため。帽子は投げ置くため。祈りの言葉は黒人が受け継ぐため。あくびはドイツ人の性質を指示するため。皆が眠るのは母親を海に沈めるため。船は揺れるため。コンパスが壊れるのはドイツ人に航路を決めさせるため。新聞はヒッチコックを撮るため。髪は風に揺られるため。富豪が指示を出すのは船長になれないため。マストは影を投射させるため、またタイプライターを海に引きずり込むため。メモ用紙はトランプに。体がラブレターに。ダンサーが足を怪我しているのはドイツ人に切断の手術をさせるため。酒が麻酔に。殴るのは殴った者を失神させるため。風は鳴り響くため。靴は足の切断を指示するため。夜は星を見せて方角を知らせるため。笛は人を起こすため。雲は立ち込めるため。黒人が元泥棒なのはコンパスを盗むため。コンパスが時計に。波は水しぶきを浴びせるため。暴風雨はドイツ人に指示を出させて「船長」にさせるため、また英語をしゃべらせるため、またマストを折ってドイツ人に舟をこがせるため、また食料と水を喪失させてアメリカ人を狼狽させるため、また水を喪失させてダンサーに海水を飲ませるため、またドイツ人に水を確保させてアメリカ人を侮辱させ怒ったアメリカ人にドイツ人を海に沈めさせ「船長」を失わせるため。柱は人を縛るため。髪止めはほどくため。膝が枕に。体がベッドに。靴が垂れ糸に。新聞は突き破るため。ブレスレットは輝くため。口紅は文字を書くため。体、船はメモ帳に。トランプは風に吹き飛ばさせてアメリカ人に喧嘩をさせるため、また雨を降らせるため。4カードは風に飛ばされるため。シートは雨水を貯めるため。皆が眠るのはその隙にダンサーを海に突き落とすため。涙の成分の話をさせるのは汗の成分を突き止めさせるため。瓶は落とし割るため、また破片を投げ棄てるため。靴は人を殴るため、また落とすため。ブレスレットがルアーに、また海へ沈められるため。釣りは魚がかかったところで補給船を発見させるため、またブレスレットを海へ沈めるため(魚がかかったのに釣り上げられない)。水面は輝くため。救命ボートは引き返すため、また爆破されるため。大砲は光るため、また水しぶきをあげさせるため。補給船は通過するため、また爆撃されて煙を吐き出すため、また爆破させてドイツ兵を救命艇に救助させるため。銃は投げ棄てるため。
●「白い恐怖」(1945) 110分4/21
殺人は事件を起動させるため。木々は風に揺られるため、また影を投射させるため。。葉っぱは舞い散るため。手は引っ掻くため。肘掛けは人が座るため。本は投げるために。机は足を乗せるため。ナイフは手紙を切る音で患者を刺激するため。ブラインドは影を投射させるため。昼食は男と女を巡り合わせるため。プールの話はフォークでテーブルクロスに線を引いて男に「起源」を想起させ怒らせるため。ナイフは線を消すため。服はメガネを拭くため。女への手紙は後に本の筆跡と比べられるため。ソファーの背もたれは人が座るため。助手からの電話は男に「起源」を想起させるため。鉄線は女を転ばせ男に助け起こされるため。葉っぱは取り除くため。カラシは女の手につけるため。椅子が洋服掛けに。ドアの下の光は人が起きていることを指示するため。ドアは開くため。キスは男にガウンの線を見せて「起源」を想起させるため。患者が喉を切るのは男に手術させて「起源」を想起させ失神させるため。マスクはむしり取るため。本はそこに書かれた男のサインと手紙のサインとを照合させるため。シガレットケースは男に「起源」を想起させるため。ドアの下がポストに。誰も新所長と面識がなかいのは男を所長に成りすまさせるため。大勢の入室は床に落ちている手紙を女に取らせなくさせるため。手紙は蹴飛ばすため。医師たちの話は女に男を追わせるため。看板が鏡に。エレベーターはヒッチコックを撮るため。ロビーの迷惑男はホテルの探偵を女に近づけるため。手の火傷は男に「起源」を想起させて男を卒倒させるため。夕刊を持ってこさせるのはボーイに女の顔を目撃させるため。切符売り場は男に「起源」を想起させて卒倒させるため。鉄格子は影を投射させるため。警官に目撃されるのは2人を女の恩師の家へ寄らせるため。線路は男に「起源」を想起させるため。通過物は列車の中に影を投射させるため。刑事たちの来訪は女を目撃させるため。ドアは人がもたれるため。服は投げ置くため。シーツの白い線は男に「起源」を想起させて失神させるため。ソファーがベッドに。男に髭を剃らせるのはハケの白い線を男に見せ、さらに洗面台、椅子、洗面台、バスタブの「白」を見せて男に「起源」を想起させ夢遊病にさせるため。階段はサスペンスに。ミルクは鎮静剤に。グラスはレンズに。死者が居眠りに。背広が毛布に。マッチはばら撒くため。目がカーテンに。カーテンは切るため。テーブルは影を落とすため。車輪は落とすため。雪は子供にソリで遊ばせて白い線を書かせ男に「起源」を想起させるため。コーヒーカップは落として割れるため(コーヒーは飲まれていない)。料理は男に「起源」を想起させるため。汽笛は鳴り響くため。光は点滅するため。髪は風に揺られるため。スキーは男の昔の事件を思い出させるため。玄関先のスロープは滑り台に。フェンスの尖頭は人を突き刺すため。壁は影を投射するため。所長に恩師を見送らせるのは女と会話させてボロを出させるため。めがねは掛けるため。机は人が座るため。タバコは投げ棄てるため。銃は煙を吐き出すため。杖は人を叩くため。駅員はラストシーンで驚くため。
●「汚名」(1946) 96分4/6
父親の国家反逆罪は娘をスパイにさせるため、また警察嫌いにさせるため。フラッシュは光るため。膝がベッドに。のどはコップを置くため。木々は風に揺られるため、また影を落とすため。スカーフはお腹に巻かれるため。髪が霧に、また風に揺られるため。地面は鳴り響くため。手は刀に。夜の飲酒運転は白バイに捕まえさせ男の身分を女に知らせるために。女を二日酔いにさせるのは横にさせて男の姿を逆さに撮るため。出航の誘いは女に決断をさせるため。飛行機は父親の死を知らせるため、また窓から見えるリオの景色を眺める女の顔を男に接近させるため。酒を飲むのは女の信用を失わせるため。バッグ、帽子、手袋は投げ置くため。ドアはすがりつくため。リオでの待機期間は男と女を親密にさせてから任務を知らせるため。机は人が座るため。ブラインドは影を投射させるため。シャンパンは置き忘れるため。ローソクは風に揺られるため。マッチは投げ棄てるため。タバコは煙を吐き出すため。スパイの屋敷の中で何かを企てさせるのは女をスパイの家に潜入させてスパイと結婚させるため。馬を蹴るのは暴走させて女を男に引き合わせるため。帽子は顔を隠すため。地面は煙を撒き散らすため。水面は輝くため。スパイにワインの瓶を指摘させるのは仲間に彼を殺させてへまをすると仲間に殺されることを教えて結婚した女がスパイだと公言できなくさせて毒を飲ませるため。競馬場は情報交換のため。双眼鏡は鏡に。壁は人がもたれるため。クローゼットの鍵がかかっているのは夫にその母親から鍵を奪わせるため。ワイン庫に鍵がかかっているのは企みを疑わせるため。ドアは影を投射させるため。夫を着替えさせるのはその隙に女に鍵を盗ませるため。女が夫に抱きつくのは女の左手に握られたカギを隠すため。鍵は落として蹴飛ばすため。結婚お披露目パーティは男を地下ワイン倉庫に忍び込ませるため。男が女の手にキスをするのは鍵を受け取らせるため。シャンパンを取りに行くのはヒッチコックを撮るため。シャンペンが少なくなるのはサスペンスのため、また夫をワイン倉庫へ向かわせて男と女をキスをさせるため、また夫に鍵の不在を知らせるため(酒は補充されずに終わる)。植込みが灰皿に。ワイン倉庫の棚の奥に貼られた紙は男に調べさせてワインの瓶を落下させ瓶を割らせて中のウラニウムを露出させるため、また割れた瓶の破片で女がスパイであることを夫に知らせるため。ワインはウラニウムを詰めるため。キスは恋愛を「偽装」するため。ワインの製造年はワインの不在を知らせるため。鍵を戻すのは女がスパイだと知らせるため。地面は影を投射させるため。コーヒーは毒を入れるため。ブラインドを開けるのは女に頭痛を生じさせるため。スカーフは返却させるため。めまいが二日酔いに。女にコーヒーを飲ませるのはコーヒーカップの位置を変えさせるため。ドクターに女のコーヒーを飲ませるのは毒入りであることを女に知らせるため。本は落とすため。めまいは画面を歪めるため。失神は女を2階に監禁するため、また男との連絡を絶たせて男に怪しませるため。女に毒を飲ませるのはスパイのいる中で女を2階から連れ出すため。階段はサスペンスのため。スパイを屋敷に勢揃いさせるのは女と男を「護衛」させるため。
●「パラダイン夫人の恋」(1947) 113分3/31
地面は影を投射させるため。ロープは人の首を絞めるため。道具箱は死体を隠すため。殺人は運動を起動させるため。ライトは点けてから消すため。煙突は煙を吐き出すため。道具箱の上に置かれた料理、燭台は道具箱のフタを開けさせないために。背中はカットを割るため。ロープは道具箱に挟んで取り出すため、また振り回すため、ドアは開閉させるため。椅子は膝を乗せるため。絵の話題は男と元恋人を2人きりにさせるため。壁は人がもたれるため。グラスは握り割るため。女がシャンパンをお代わりするのは注ぎに行く元恋人の背中でカットを割るため。料理に鶏を出すのは鶏をしめる話をさせてピアニストを動揺させるため。布巾は投げ置くため。みんなが本を見に行くのは残った者を2人きりにさせるため。机は人が寄りかかるため。ライトは点けてから消すため。ピアノは人が寄りかかるため、またBGMに。初版本はロープを巻かれるため。ローソクを消すのは煙を吐き出させるため。行方不明の話は家政婦に道具箱の上を片付けさせるため。帽子は人物の存在を指示するため。たばこ入れは置き忘れることを装うため。教授が帰宅するのは戻ってくるため。本はたばこ入れを隠すため。グラスは投げ割るため。銃は投げ置くため。ネオンは照明に。銃は煙を吐き出すため。銃を持ち出すのはラストシーンに銃声で人を呼ぶため。本はぶちまけるため。最後のカットは教授の左手のハンカチを巻かせるため。道具箱の蓋はカットを割るため。ソファーは膝立ちするため。足は椅子を引き寄せるため。世界一疑り深い男を招待するのは犯罪を見破られるため。
●「ロープ」(1948)
地面は影を投射させるため。ロープは人の首を絞めるため。道具箱は死体を隠すため。殺人は運動を起動させるため。ライトは点けてから消すため。煙突は煙を吐き出すため。道具箱の上に置かれた料理、燭台は道具箱のフタを開けさせないために。背中はカットを割るため。ロープは道具箱に挟んで取り出すため、また振り回すため、ドアは開閉させるため。椅子は膝を乗せるため。絵の話題は男と元恋人を2人きりにさせるため。壁は人がもたれるため。グラスは握り割るため。女がシャンパンをお代わりするのは注ぎに行く元恋人の背中でカットを割るため。料理に鶏を出すのは鶏をしめる話をさせてピアニストを動揺させるため。布巾は投げ置くため。みんなが本を見に行くのは残った者を2人きりにさせるため。机は人が寄りかかるため。ライトは点けてから消すため。ピアノは人が寄りかかるため、またBGMに。初版本はロープを巻かれるため。ローソクを消すのは煙を吐き出させるため。行方不明の話は家政婦に道具箱の上を片付けさせるため。帽子は人物の存在を指示するため。たばこ入れは置き忘れることを装うため。教授が帰宅するのは戻ってくるため。本はたばこ入れを隠すため。グラスは投げ割るため。銃は投げ置くため。ネオンは照明に。銃は煙を吐き出すため。銃を持ち出すのはラストシーンに銃声で人を呼ぶため。本はぶちまけるため。最後のカットは教授の左手のハンカチを巻かせるため。道具箱の蓋はカットを割るため。ソファーは膝立ちするため。足は椅子を引き寄せるため。
●「山羊座のもとに」(1949)
過去の事件は夫婦関係を危うくさせるため。旗は風に揺られるため。机は人が座るため。女中が騒ぐのは鞭で打たれるため。パーティは夫人が欠席するため。テーブルに離れて座るのは座り直すため。顔が鏡に。ローソクは風に揺られるため。木々は影を落とすため。銃は暖炉に撃たれるため。ペンは噛むため。柱は人がもたれるため。窓ガラスは鏡に。タバコは煙を吐き出すため。バルコニーはよじ登るため。手摺は乗り越えるため。カーテンは風に揺られるため。暖炉は鞭を燃やすために。口笛は女を励ますために。ルビーの首飾りは渡されないため。メイドは夫を嫉妬させ舞踏会へ行かせて総督の心証を悪くさせるため。退去命令は取り消されるため。乗馬が下手なのは落馬して馬を骨折させ安楽死させるための銃で自分が撃たれるため。生首は人を失神させるため。雷は鳴り響くため。グラスは落とすため。羽帽子は風に揺られるため。帽子は振るため。
●「舞台恐怖症」(1950) 109分4/4
殺人は女を巻き込むため。ドレスの血は男を女優の家に行かせてメイドに目撃させるため。火かき棒は人を殺すため。置物はガラスを割るため。机は散乱させるため。電話は鳴り響くため。車の窓は割られて目印に。馬車は車を妨害するため。スカートは脱ぐため。舞台は警官をまくため。水面が鏡に。カーテンはシルエットを投射させるため。木々は風に揺られるため。リンゴは暖炉に投げ棄てるため。服が布巾に。男が眠るのはその隙に父と娘に推理をさせるため。暖炉はドレスを燃やすために。ドレスを燃やすのはシミを付け直すため。父の推理は娘を女優のメイドにさせるため。酒場は刑事と知り合うため。木々、格子は影を落とすため。自分の影が鏡に。老眼鏡は変装のため。変装は見破られるため。机は人が座るため。タバコは煙を吐き出すため。ドアを開けるのは閉めるため。肘掛けは人が座るため。咳は行動の合図に。手摺は影を落とすため。ピアノは人が寄りかかるため。舞台は男を目撃させるため。大声と失神は容疑者を逃がすため。タクシーはキスをさせるため。メイドにゆすられるのは父を呼び人形に血をつけさせるため。スカートの影は「赤」を露呈させるため。小男は人形を奪われるため。旗は風に揺られるため。人形は「赤」を露呈させるため。女が舞台を見るのは刑事に正体を知られるため。ピアノが机に。ドレスはマイクを隠すため。柱は人がもたれるため。馬車は人が隠れるため。幕は人を下敷きにするため。
●「見知らぬ乗客」(1951) 101分3/20
列車の喫茶ルームは人と人を出会わせるために。足を組むのは靴をぶつけるため。靴はぶつかり合うため。ネクタイピンは人物の性格を露呈させるため、また人物を特定するため。簾は影を落とすため。ライターは忘れて殺人者の手に渡るため、また人物を特定するため、またドブに落ちて時間を稼ぐため、また殺人の証拠となるため。食堂車が満員なのは2人を個室に導くため。バッグは足を乗せるため。椅子がベッドに。タバコは煙を吐き出すため。テニスプレーヤーが交換殺人を冗談で褒めるのは殺人者に交換殺人をさせるため。列車から降りるシーンを撮るのはヒッチコックを撮るため。窓が鏡に。妻が音楽ショップで働くのはガラス張りの音楽試聴ルームで夫婦喧嘩をさせ店主たちに目撃させるため。離婚の不調と妊娠報告はテニスプレーヤーを怒らせ妻に乱暴しているように見せるため。離婚の不調と恋人の存在はテニスプレーヤーに嫌疑をかけるため。列車の通過音は声をかき消すために。列車は人の顔に影を落とすため。母親に爪を切らせるのは殺人者のマザコンを指示させるため。聖フランシスが父親に。机は人が座るため。タバコは風船を割るために。風船は割られるために。男女の談笑が悲鳴に。力比べは殺人者の力を指し示すため。メリーゴーランドは「バンドは奏でる」を歌わせそれを殺人のシンボルとするため。露店は煙を吐き出すため。岩壁は影を投射させるため。ライターが照明に。メガネは落下するため、また鏡に。ボートに乗るのはボート係に殺人者を目撃させるため。遊園地のアトラクションは殺人のために。盲人をエスコートするのは殺人者の異常さを指し示すため。殺人はテニスプレーヤーを巻き込むため。列車でテニスプレーヤーが目撃した酔っ払いの教授はテニスプレーヤーを目撃しないために。メガネは人物を特定させるため。門は人の顔に影を落とすため。木々は風に揺られるため、また影を落とすため。テニス場のカフェは殺人者とメガネの女を引き合わせるため。恋人の妹が眼鏡をかけるのは殺人者に殺人を想起させるため。服はメガネを拭くため。肘掛けは人が座るため。議事堂は殺人者のロングショットを撮るため。手紙は丸めて燃やすため。テニスのラリーは観客の首を左右に振らせるため、また殺人者の首だけを左右に振らせないため。パーティは殺人者に余興でパーティ客の女の首を閉めさせながらメガネの女を目撃させて失神させるため、また恋人に交換殺人を悟られるため。グラスは落として割るため。ソファーがベッドに。階段と犬はサスペンスのために。恋人が殺人者の家に行くのは殺人者にライターを遊園地に置きに行かせるため。殺人者が夜ライターを置きに行くのはテニスをさせてサスペンスを醸成させるため。旗は風に揺られるため。連行がテニスの試合の後なのはテニスをさせるため。柵は人が座るため。人がぶつかるのはライターをどぶに落として時間を引き延ばすため。木は人が座るため。コンパクトの粉は刑事にこぼして時間を遅らせるため。乗用車が警察車両に。タクシーが更衣室に。テニスプレーヤーを泳がせるのは殺人者と対決させるため。メリーゴーランドは格闘場に、また馬の脚でテニスプレーヤーを踏みつけるため、またその下に潜るため、また崩壊させて人を圧死させるため。係員を撃つのはメリーゴーランドを高速回転させて刑事が飛び乗れなくさせ「密室」の中で殺人者とテニスプレーヤーを対決させるため。帽子は吹き飛ばさせるため。子供を振り落すのは振り落されないため。手は踏まれるため。メリーゴーランドは崩壊して煙を撒き散らすため。2人が喫茶室に行くのはそこから逃げ出すため。
●「私は告白する」(1952)
階段のショットはヒッチコックを撮るため、木々は風に揺られるため。看板が殺人現場の道案内に。法律事務所は殺人現場に。殺人は運動を起動させるため。ビーズは揺れることで人の出入りを示すため。壁は影を投射するため。懺悔は神父に罪を着せるため。懺悔室の仕切りは顔に影を落とすため。自転車は倒すため。神父を現場に行かせるのは使用人に密告を疑わせるため、また女と一緒のところを刑事に目撃させて疑わせるため。フォークはコインで束ねられてグラスの上に乗せられるため。雲は流れるため。刑事の来訪は使用人に密告を疑わせ神父に罪を着せさせるため。グラスはオデコに乗せるため。司祭服は神父に嫌疑をかけるため。パーティは検事に電話をかけさせて神父に容疑かかかったことを女に知らせ女を神父と会わせて刑事に目撃させて観念した女に証言をさせて神父の容疑を深めるため。肘掛けは人が座るため。船は煙を吐き出すため。机は人が座るため。ダンスは中止されるため。雨は神父と女をあずまやに閉じ込めて弁護士に目撃させゆすらせるため。弁護士は神父に女が結婚していることを知らせるため。女が神父に結婚を知らせなかったのは2人で一夜を過ごして弁護士に目撃されゆすられるため。女を議員と結婚させ男を神父にさせるのは社会的地位を向上させて弁護士にゆすらせるため。草は風に揺られるため。ベンチがベッドに。人はかき分けるため。くしはいじるため。人はぶつかるため。花は落とすため。ポスターは神父を脅かすため。門柱は人が寄りかかるため。木々は影を落とすため。タバコは煙を吐き出すため。無罪になるのは群衆に囲ませて真犯人の妻に証言させるため。窓は割られるため。車がベッドに。デパートの調理場は銃撃現場に。椅子は人が乗るため。刑事が部下に銃を使うなと言うのは真犯人に自白させるため。銃は煙を吐き出すため、また落とすため。真犯人が撃たれるのは神父に許しを請うため。宴会場が殺しの現場に。
●「ダイヤルMを廻せ!」(1954)
妻の浮気は事件を起動させるため。置物は倒すため。恋文を燃やさないのは夫に浮気を知らせるため。壁は影を投射するため。車の売買が殺人依頼に。杖は足を不自由に見せるため。椅子が洋服掛けに。肘掛けは人が座るため。同窓会の写真はヒッチコックを撮るため。杖は人を差すため。恋文は落として指紋をつけさせ、また妻に罪を着せるため。指紋は拭くため。机は人が寄りかかるため、また座るため。札束は投げ渡すため。階段は鍵を隠すため。カバンは投げ置くため。カーテンは影を投射させるため。ライトは消してつけるため。妻が映画に行きたがるのは行かせないため。妻にスクラップの整理をさせるのは机の上にハサミを置くため。タクシー代の請求は鍵を盗むため。階段は人が寄りかかるため。妻への伝言は階段に鍵を隠すため。手摺は影を投射させるため。カーテンは人が隠れるため。タバコは煙を吐き出すため。時計は遅れるため。電話ボックスの老人はサスペンスのため。ダイヤルMは殺しの合図に。ストッキングは首を絞めるため。机がベッドに。ハサミは人を殺すため。はさみは逆手で握られる。ストッキングは落とすため。妻がアスピリンを飲むのは夫が鍵をバッグに戻すため。暖炉はストッキングを燃やすため。机のシートはストッキングを隠すため。紅茶を出すのはストッキングを発見させるため。ストッキングは妻の仕業に見せるために。帽子は投げ掛けるため。傘が帽子掛けに。格子は影を投射させるため。窓に背を向けるのは背後から首を絞められるため。雨は靴に泥がついていないことを示すため。やじ馬は夫に裏の鍵を開けに行かせて妻と恋人に浮気を追及するため。カーペットの皺は直すため。服、帽子は投げ置くため。恋人が寝室に隠れるのはカバンを発見させるため。ピンセットは鍵を開けるため。柱は人が寄りかかるため。夫に様子を見に行かせるのはレインコートを取り替えるため。妻が逮捕されるのは家に戻して鍵を開けさせるため。建物は人が隠れるため。壁を叩く音が合図に。妻の所持品を夫に取りに行かせるのは戻ってきた夫に家の鍵を開けさせるため。
●「裏窓」(1954) 112分3/22
ブラインドが幕に。猫はキャメラを誘導するため。ギブスは男を動けなくさせて覗き見へ向かわせるため、またメモ帳に。高温多湿の夏は動けない男をして覗き見へ向かわせるために、また向かいのアパートのブラインドを上げさせて男に覗かせるため。ベランダは寝室に。ブラジャーは落として付けるため。机は足を乗せるため。ギブスがメモ帳に。壊れたキャメラは男の職業と現状を指し示すため。編集長の電話は男のギブスがあと一週間取れないことを知らせるため、また男の仕事と事故を知らせるため。耳はエンピツを挟むため。新聞は叩きつけるため。看護師が男の体にローションを塗るのは恋人の話を2人にさせるため。女が何度も男のアパートから帰るのは着替えて戻って来るため。新聞が日よけに。顔は影を投射させるため。男の居眠りは女の登場を劇的にするため。消えたランプシェードは点けて回るため。椅子がテーブルに。窓枠は人が座るため、またグラスを置くため。手摺は人が座るため。作曲家の部屋を撮るのはヒッチコックを撮るため。目覚まし時計は落としてベルを鳴らすため。窓は人が出入りするため。雨は事件を継起させるため。楽譜は叩き落とすため。居眠りは決定的な場面を見逃すため。かごがエレベーターに。新聞は包丁を包むため。レンズが鏡に。口笛が合図に。花壇はバラバラ死体を隠したり掘り起こしたりするため。キャメラはポータブル式覗き穴に。トランクは死体を入れるため。朝食は人肉をベーコンに、血はコーヒーに見立てて食べさせなくさせるため。タバコは煙を吐き出すため、また暗闇で吸わせてそこに人がいることを教えるため。煙突は煙を吐き出すため。孫の手はギブスを叩くため。机は人が座るため。肘掛けは人が座るため。膝が脚立に。宝石の存在は疑惑を強めるため。膝が椅子に。服は投げ置くため。壁は影を投射させるため。女が一晩泊るのは誰しもプライバシーがあると刑事に反論されるため。刑事はセールスマンの無実を証明するため。ワインはこぼすため。簾を下げるのはまた上げ直すため。犬は花壇を嗅ぎ付けるため、また殺されて一度は諦めかけた男の事件への疑念を再発させるため。柱は人がもたれるため。花の丈の差が証拠に。脅迫電話はセールスマンをアパートからおびき出すため。柵は乗り越えるため。ミス・ロンリーハートに自殺未遂させるのは男に警察へ通報させそれを恋人が襲われていることの通報に転化させるため(自殺は未遂に終わる)。ピアニストはBGMを流すため、また彼の曲で女の自殺を阻止するため。窓は鏡に。結婚指輪は犯行を裏付けるため。女と看護師に花壇を掘らせるのはセールスマンが戻ったらフラッシュで合図することにしその時取り出したものの使われずに置いてあったフラッシュをあとあと偶然男に発見させてセールスマンに浴びせさせるため(花壇には何も埋まっておらず合図のためのフラッシュも使われていない)、またそのまま女に不法侵入させるため。女を不法侵入させのは女を逮捕させて保釈金を看護師に持っていかせて男を家に一人きりにさせてセールスマンと一対一で対決させるため、また男に指輪を見せてそれを見たセールスマンに男の居場所を知らせるため、またその時看護師に部屋の電気を消させて部屋を暗くしあとあとフラッシュで相手を撃退させるため。電話は人物を特定させるため。ドア下の光線が消えるのはセールスマンの来訪を指し示すため。キャメラのフラッシュは目つぶしに。椅子は倒すため。銃は投げ渡すため。窓はそこから人を落下させるため。帽子は投げ置くため。男が落下するのは脚のギブスを2本にさせるため。男が眠るのは女の読んでいる冒険雑誌をファッション雑誌に替えさせるため。
●「泥棒成金」(1955)
ガラスが鏡に。泥棒が黒猫に。枕は宝石を隠すため。模倣犯は事件を起動させるため。ハサミは投げ置くため。足は引き出しを閉めるため。銃声は人を引き付けるため。屋根はその上を歩くため。ドアは押し破るため。椅子は倒れるため。車での逃走はリヴィエラの観光案内のため。羊の群れは車を遮るため。女の車は追っ手を巻くため。バスはヒッチコックを撮るため。シャンパンは吹き出すため。レストランは元レジスタンスのアジトに。卵はガラスに投げつけるため。肘掛けは足を乗せるため。仕事の電話は猫を厨房に行かせるため。にんじんはひきちぎるため。皿は割るため。瓶は投げ渡して皿を落とさせるため。グラスは投げ渡すため。机は人が座るため。木は揺れた影を投射させるため。簾は影を投射させるため。コインは目印に。花はぶちまけるため、またその中に隠れたり埋もれたり人を殴ったりするため。袖は伸びるため。女の胸の谷間が開いているのはチップを落として増やし富豪母娘に接近させるため。母娘の部屋が別々なのは娘と猫をキスさせるため。地面は影を投射させるため。目玉焼きが灰皿に。背もたれは人が座るため。娘は着替えるため。ホテルの客は振り向いて娘を見るため。パラソルは風に揺られるため。女が中古車に。海で泳ぐのは女たちを水着姿にさせるため、また喧嘩させるため。リストはシミをつけるため、また見せないため。木々、スカーフは風に揺られるため。石がサッカーボールに。追跡車は娘にスピードを出させるため、また娘に猫の正体を知らせるため。バスはよけるため。通行人は洗濯物を落として車を止めるため。また落とした洗濯物を拾いに行って追跡車を止めるため。髪は風に揺られるため。人は傾くため。地面は鳴り響くため。ニワトリは車をクラッシュさせるため。食事をトランクに入れるのは取りに行った猫をシートに座らせるため。女の胸とももが胸肉ともも肉に。猫が娘に言い寄らなかったのは正体を見破られるため。チキン、ティッシュは投げ置くため。車のシートがベッドに。ライトは消すため。花火は飛び散るため。カーテンは風に揺られるため。ドアを開けるのは光を投射させるため。足はドアを閉めるため。椅子が洋服掛けに。傘は振り回すため、また投げ置くため。本は逆さにするため。テーブルと椅子はその周りを人が回るため。堤防は人が座るため、また足を乗せるため。スパナは人を殴るため(順手)。人は落下させるため。水は揺れるため。葬式は女を殴るため。タバコは投げ棄てるため。薬を取りに行かせるのは猫と保険屋を入れ替えるため。階段がベッドに。踊るのは警官を引きつけるため。帽子は投げ置くため。雨どいは人がしがみつくため。宝石は投げ落とすため。人は吊るすため。
●「ハリーの災難」(1956)
木々は風に揺られるため。木は人が寄りかかるため。空き缶、看板は投げ棄てるため、また弾痕を残すため。死体は男と女を引き合わせるため。木は人が隠れるため。近眼は死体に気付かないため。死体は人をつまずかせるため。絵は逆さに。タバコは投げ棄てるため。倒木は人が座るため、また人が寄りかかるため。画家は死体をスケッチして保安官に怪しまれるため。タバコは煙を吐き出すため。画家が女が通報するか聞きに行くのは画家と女を結びつけるため。未亡人が雑貨屋に寄るのは髪型を変えるため。カエルはうさぎと交換するため。手摺は人が座るため。スコップは投げ置くため。木はスコップを立て掛けるため、またマッチを擦るため。うささぎは死体を掘り起こさせるため。女の告白は死体を埋め直すため。洗濯物は片付けるため。人形は人が寄りかかるため。肘掛けは人が座るため。未亡人の告白は死体を掘り起こしてから埋め直すため。壁は人が寄りかかるため。リボンは弄ぶため。靴は死体の証拠となるため。絵が売れるのは死体の絵を保安官に見せるため。電話は死体の絵を見つけるため。足は絵をめくるため。結婚は死体を掘り起こし直して医者に見つかるため。スカートは風に揺られるため。倒木は人が隠れるため。壁は影を投射するため。ドアが開くのは人を驚かせるため。ブリッジは平静を装うため。トランプは投げ置くため。物干しは倒れるため。風呂は死体を隠すため。クラクションは保安官の注意を逸らすため。ソファーの背もたれは人が座るため。揺り椅子は揺らすため。ソファー、額は衣服を隠すため。子供の探検ごっこは死体を発見するため、また撃たれたうさぎを持ってくるため。
●「知りすぎていた男」(1956) 119分4/22
子供が通路を歩くのはバスを揺らして子供に女のベールを剥ぎ取らせ見知らぬ男と夫婦を知り合わせるため。群衆はかき分けるため。手袋は人を叩くため。靴は投げ渡すため。殺し屋が部屋を訪ねるのは顔を母親に記憶させるため。ソファーは沈むため。ドレスは踏まれるため。レストランはスパイ夫婦と知り合わせて子供を誘拐させるため。市場へ行くのは殺されたスパイから情報を聞いて子供を誘拐され巻き込まれるため。自転車は倒れるため。ロバの荷物は落ちるため。人は人にぶつけてペンキをかぶせるため。ナイフは逆手で握られる。メイクは取るため。警察へ行くのはその隙に子供を誘拐されるため。電話帳はいじるため。男をホテルへ帰らせるのは逃がすため。警察で供述書を取るためにタイピストを呼ぶのはその隙に誘拐犯をチェックアウトさせるため。ドアの枠は影を投射させるため。ハンガーは投げ置くため。机は人が座るため。すりガラスはシルエットを投射させるため。飛行機はエンジン音を鳴り響かせるため。帽子は投げ置くため。肘掛けは人が座るため。足音は鳴り響くため。はく製工場は人違いするため。木々は影を落とすため。ノコギリザメがノコギリに。トラのはく製は人を噛むため。ジョークは笑わないため。パーティは開かれないため。壁は人が寄りかかるため。教会のドアについたふたつの窓ガラスは目に(●「下宿人」(1926)の新聞社の車で同じような演出をしている)。教会は暗殺者たちのアジトに。唄が会話に。寄付を募るのは顔を見られるため。柱は人が隠れるため。刑事をアルバートホールへ行かせるのは妻に追わせて暗殺計画を知らせるため。厨房は人が通り抜けるため。大使館が暗殺者たちのアジトに。教会の鐘は教会を脱出する父親の振動に。ドアは人が寄りかかるため。悲鳴は射撃をかく乱すため、また夫婦を大使館に招待させるため。シンバルは銃声をかき消すため。銃は落とすため。二階席は落下するため。アルバートホールは暗殺の場所に。歌、口笛は人の存在を知らせるために。ソファーがベッドに。ドアは蹴破るために。階段は人を突き倒して銃を暴発させ殺すため。
●「間違えられた男」(1957)
ヒッチコックは地面に影を投射させるため。空いた電車、レストランは男の朝帰りを指示するため。列車は通過するため。貧困、競馬は犯行を疑われるため。妻の歯痛は夫を保険屋に行かせて強盗犯にさせるため、また妻を狂わせるため。ピアノは人が寄りかかるため。ピアノの練習の約束は男が帰宅しないことを際立たせるため。タバコは投げ棄てるため。酒屋、スーパーは面通しのため。机は人が寄りかかるため、また人が座るため。格子は影を落とすため。面通しは間違われるため。たき火は煙を撒き散らすため。車は人が寄りかかるため。列車は影を落とすため。証人は死ぬため。弁護士との会話は妻の変調を指示するため。腕はかくため。ブラシは人を殴るために(順手)。鏡は割れるため。椅子は足を乗せるため。弁護士が退屈な質問をするのは審理を無効にさせるため。真犯人が強盗に入るのは男を無罪放免にさせるため。
●「めまい」(1958) 125分 3/23
瞳は回転させるため。屋根は飛び移るため。またその上を走って落ちるために。雨どいはしがみつくため。追跡は同僚を落下させて男をめまい症にさせるために。元婚約者との会話は2人の関係と旧友の話題をさせるため、まためまい症を実演させるため。杖はバランスをとるため、また壁に突き当てるため。エンピツはくわえるため。椅子が踏み台に。工場の入り口を撮影するのはヒッチコックを撮るため。机は人が座るため(頻繁に座っている)。オブジェのケースは人が寄りかかるため。曾祖母の話は男を巻き込むために。レストランは男と女を引き合わせ男を巻き込むため。道路は迷路に。花屋の裏口から入るのは裏口のドアの鏡の中の女と戸口の男を同一画面に収めるため。木々は風に揺られるため、また影を落とすため。女の渦巻型の髪は男を巻き込むために。地面は影を投射させるため。ホテルのすりガラスはシルエットを投射するため。車は人物を特定させるため。花屋、墓地、美術館、ホテル、海、森、教会は男をだますために。ガラスが鏡に。帰り際本屋の前で2人で話すのは本屋の電燈を点火させ日が暮れたことを指し示すため。スカーフは風に揺られるため。花は海へ投げ落とすため。帽子は投げ置くため。海は人が飛び込むため。入水は女の自殺癖を男に偽装するために。台所に乾された衣服は男に脱がされたことを示すため。暖炉は炎を渦巻き状に揺らせるため。クッションは投げ置くため。壁、机は人が寄りかかるため。ヘアピンがはずされているのは女の髪を渦巻き状に上げるのを実演させるため。コーヒーカップは男と女の手を触れさせるため(コーヒーは一度も飲まれない)。寝室にかかってくる電話は眠っている眠っている女を起こすため、また女が消えるために。女の帰宅は男の元婚約者に目撃させるため。女が礼状を持ってくるのは男に近づくため。手摺は人がもたれるため。年輪は男をたぶらかすため。森は迷路に。木は人が寄りかかるため。波は砕け散るため。元婚約者の書いた絵は男を怒らせるため。筆は投げつけるため。馬車は人が座るため。めまいは階段を登れなくさせるため。階段を上るのはめまいを生じさせるため。教会の尖塔は人を落下させるため。窓は女の落下を男に見せるため。屋根が死体置き場に。殺人は自殺に。教会の近くの二階家が裁判所に。柱は人をすり替えるため。レストラン、美術館は似た女に出会うため。花屋は女を見つけるため。女が逃げもしないで街中を歩いているのは男に見つけられるため。告白の手紙は観客に真相を伝えるために(手紙は破られて使われない)、また破られるため。ドアの枠は人がもたれるため。肘掛けは人が座るため。鳥の群れは飛び立つため。箪笥は人がもたれるため。女に髪を上げないで帰って来るのは髪を上げてバスルームから出て来させるため。女がホテル暮らしなのは緑のネオンで部屋の中を包み込むため。女の父が死に母が再婚しているのは女を家出させホテルに一人暮らしさせるため。女がブローチをつけるのは男に正体を見破られるため。壁は人がすがりつくため。階段を上るのはめまい症を治すため。尖塔に上がるのは女をそこから落下させるため。修道女は女を落下させるため、またラストシーンで鐘を鳴らすため。
●「北北西に進路を取れ」(1959) 135分3/29
スパイは事件を起動させるため。窓ガラスが鏡に。ビルの窓枠がオープニングタイトルのバックに。バスはヒッチコックが乗り遅れるため。タクシーに乗ろうとする男は割り込まれるため。秘書に母親の居所を言い忘れるのは男に電報を打たせて拉致させるため。架空の男が泊まっているホテルでの顧客との会食は男がスパイと間違われて誘拐されるため。電報の代理ができないのは男に席を立たせて拉致させるため。国連委員の屋敷はスパイのアジトに。ステッキは投げ置くため。ランプは点灯させるため。酒は人を殺すため。車はよけるため。地面は鳴り響くため。自転車は男にブレーキを掛けさせてパトカーに追突させるため。飲酒運転取り締まりの警官は男を救出するため。人は寄りかかるため。机は人が座るため。男が酔っているのは言い分を聞かれないため。机がベッドに。酒蔵が本棚に。スパイが庭師に。ホテルの部屋は人が泊まっていることにするために、またかかってきた電話に出た男がスパイであるという確信を敵スパイに強化させるため、また男の居場所をスパイに知らせて尾行させ国連で大使を殺した容疑者にさせて逃走させるため。スーツは寸法の違いを指示するために。エレベーターに女が沢山乗っているのはレディファーストで男を逃がすため。タクシー乗り場の客は割り込まれるため。大使が通路側に背を向けて立つのはナイフで背中を刺されるため。男のナイフは逆手で握られる。国連の観光ツアーのキャメラマンは男の殺人をフィルムに収めるため。表札が鏡に。既にFBIのスパイが2名殺されているのは男を救出させなくするため。通行人の新聞は男にサングラスをかけさせるため。細い通路は男と女を出会わせ右往左往させるため。タバコは煙を吐き出すため。新聞は畳むため。トイレは隠れるため。マッチは男の手と女の手を触れさせるため。追っ手は男と女を個室で2人きりにさせるため。二段ベッドは人が隠れるために。サングラスは割れるため。缶切りがカギに。壁は人がもたれるため。バッグは投げ置くため。キスの最中ポーターが入ってくるのは男を洗面室に隠れさせ髭剃りとブラシを見つけさせるため。赤帽は服を借りて変装するために。髭剃りのクリームは顔を隠すため。トイレの横の男は驚くため。髭剃りが小さいのはちょび髭を作らせるため。車は通過するため、また煙を撒き散らすため。。車でやって来る男は待ち人でないため。農薬散布機は銃弾を撒くために。トウモロコシ畑は隠れるために。タンクローリーは爆発し煙を吐き出すため。農道を通りかかった冷蔵庫を乗せたトラックは盗まれるために。女か新聞を買うのは男に盗み見されるため。農道で這いつくばせるのは男を汚させシャワーを浴びさせるため。シャワーは浴びたことにするため。メモ用紙は筆跡を残すために。女の肩に乗せられたスパイの手は放されるため。エンピツはダイヤルを回すため。オークションは男を逮捕させて保護させるため、また女を危険に晒すため。プロペラの音は声を消すため。銃は空砲で殺したことにするために。服、櫛は投げ置くため。バーボンは逃げるため。椅子が踏み台に。窓は人が出入りするために。壁は人が伝うため。ホテルの部屋は通り抜けるために。ベッドの女にめがねをかけさせるのは「ストップ!」と言わせるため。滑走路は点滅させるため。新聞は投げ置くため。コイン?は投げるため。銃は煙を吐き出すため。人形はマイクロフィルムを隠すため。盗み見は女の正体がばれたことを女に知らせるため。男に壁を伝わせるのは手から血を出させてハンカチを出させそこに書かれたイニシャルからマッチを想起させるため。マッチはメモに、また落下させるため。テレビが鏡に。階段は人が座るため。家政婦は空砲を撃たせてその音に驚く隙に女に人形を奪わせるため。木は衣服を引っかけるため。門は男と女をラシュモア山に巻き込むため。ラシュモア山は逃走迷路に、またそこから人を落下させるために。ハイヒールのかかとは折れるため。敵スパイのナイフは逆手で握られる。女に人形を持たせるのはスパイに女を突き落させてから救出するため。手は踏まれるため。人形は落として割るため。2段ベッドは女を引き上げるため。トンネルへ突っ込む列車は男根のシンボルに。
●「サイコ」(1960)
暑さ、貧困、結婚願望、札束、頭痛は女を犯罪へと導くため。窓は人がもたれるため。事務所の入り口のショットはヒッチコックを撮るため。机は人が座るため。札束はひけらかすため、また女に横領されるため。赤信号は横断歩道の歩行者に女を目撃させるため。ヘッドライトは女を仮眠させパトカーの検問を受けさせるため。草は風に揺られるため。地面は煙を撒き散らすため。車のシートがベッドに。中古車センターは女に車を買い急がせて怪しませるため、また警官に目撃させるため。旗は風に揺られるため。車は人が寄りかかるため。カバンと服は車の中に忘れるため。日没、雨、ヘッドライト、警官は女をモテルへ追い込むために。クラクションは人を呼ぶため。空室は目撃者をなくすため。食堂が遠くにあるのは家での食事を申し出た息子に母親が激怒するため、また女と男を食事させて女に自首を決意させるため。新聞は札束を包むため。雲は立ち込めるため。壁は人がもたれるため。額は穴を隠すため。スカートは投げ置くため。メモは破るため、また女の存在の証拠に。トイレはメモを流すため。シャワーを浴びるのは全裸で殺されるため。包丁は逆手に握られている。ビニールカーテンはシルエットを投射するため、またひきちぎるため、また死体を包み込むため。シャワーは吹き荒れるため。排水口は水を回転させるため。額縁は落とすため。柱は人が寄りかかるため。血は拭き取るため。トランクが死体置き場に。ヘッドライトはホテルに投射させるため。札束を入れた新聞は投げ置くため。札束は沈められるため。木々は影を落とすため。沼は車を沈めるため。車が沈まないのはあとで沈めるため。ショーケースは人が寄りかかるため。男が探偵の質問にしどろもどろなのは探偵に怪しませて男に殺させるため。探偵が依頼主でない姉に電話をするのは恋人と姉をモテルに導くため。男がシーツを替えるのはその隙に探偵を屋敷の中に侵入させるため。階段は人が転げ落ちるため。包丁は逆手で握られている。タバコは煙を吐き出すため。ガラスが鏡に。鏡は人を驚かせるため。ベッドのへこみと温度は人の存在を指示させるため。置き物は頭を殴るために。男が恋人を殴り倒すのは男を屋敷に行かせて姉を地下室に隠れさせるため。裸電球は輝くため、また揺れるため。人間が骸骨に。椅子は回転させるため。カツラは落とすため。包丁は逆手で握られている。箪笥は人がもたれるため。毛布はラストシーンを母親で終わらせるため。ハエは殺されないため。息子が母親に。車は沼から引き上げられるため。
●「鳥」(1963) 117分5/2
子供の口笛はカモメの鳴き声に。鳥は舞うため。鳥屋の入り口はヒッチコックを撮るため。九官鳥の配達が遅れるのは女に住所を書かせて定員らしく見せ男にからかわせるため、また妹の誕生日にラヴ・バードを贈ることを知らせるため。エンピツは耳に挟むため。カナリヤは逃がして男に捕獲させるため。帽子と灰皿は鳥を捕まえるため。エンピツは電話をかけるため。男が湾に行くのは女に追わせて鳥に襲わせるため。ラヴ・バードは傾くため、また運転している女の脚を見せるため。地面は鳴り響くため。妹の名前を聞くのは女と女教師を引き合わせるため。木々は影を落とすため、また風に揺られるため。ポストは人が寄りかかるため。髪は風に揺られるため。ボンネットが下敷に。女とすれ違う男たちは振り向くため。男の家が対岸なのは女をボートに乗せて鳥に襲わせるため。エンジンは止めるため。男が母と妹を見送り納屋に行くのはその隙に女にラヴ・バードを届けさせるため。手紙は破るため。事務所が閉まっているのはレストランに行くため。レストランの店主は男の職業を伝えるため。女の怪我が髪の毛の生え際なのは脱脂綿を変な格好で押さえさせるため。壁は人が寄りかかるため。鳥は鳴き響かせるため。ニワトリが餌を食べないのは母親に農家で死体を発見させて寝込ませ女に看病させて女と打ち解けさせるため、また女に頼んで妹を学校から帰らせ鳥に襲わせるため。ピアノを弾くのは台所と二手に人々を分けるため。新聞は投げ置くため。ドアは鳥に衝突させるため。風船は風に揺られるため、また割られるため。目隠しゲームは鳥に襲われるため。机はその下に隠れるため。上着は鳥を追い払うため。暖炉は鳥が侵入するため。テーブルは暖炉を塞ぐため。額縁が傾くのは戻して驚くため。母親が食器を片付けるのは女に目撃させるため。コップは割れて吊るされるため。バッグは落とすため。地面は煙を撒き散らすため。椅子がテーブルに。妹を迎えに行くと授業中なのは女にベンチでタバコを吸わせジャングルジムにとまる鳥たちを目撃させるため。ジャングルジムがベンチの背後にあるのは女に振り向かせて驚かせるため。ジャングルジムは鳥がとまるため。タバコは煙を吐き出すため。非難が訓練に。走るのは足音を響かせ鳥に襲われるため。メガネは割れるため。子供が転ぶのは車の中に避難するため。クラクションは鳥を追い払うため。女がレストランで電話をするのは事件を客たちに知らせるため。鳥類学が趣味の女がタバコを買いに来るのは鳥について話をするため。子供連れの女は酔っぱらいの男を車に待機させるため、またよそ者の女を殴るため。鳥が作業員を襲うのはガソリンスタンドを爆破させるため。忠告は不協和音で酔っぱらいを驚かせマッチを落とさせ車を爆破させるため。ガソリンスタンドは燃えるため、また煙を吐き出すため。電話ボックスは避難するため。ガラスはひびを入れるため。柱は倒すため。ホースは水を撒き散らすため。馬車は荷物をまき散らすため。妹が女教師の家へ避難するのは女教師を鳥に襲撃させるため。階段が死体置き場に。石は投げないため。服は死体にかけるため。板は窓を塞ぐため。肘掛けは人が座るため。お盆は片付けるため。暖炉の火は鳥を侵入させないため。ソファーは人が乗るため。窓は割られるため、また鳥が侵入するため。ドアは突かれて穴をあけるため。鎧戸は閉まらないため。スタンドのコードは窓に結いつけられるため。机は人が座るため。鏡台はバリケードに。釘はくわえるため。鳥の鳴き声は距離を教えるため。薪は崩れるため。居眠りは女一人で屋根裏部屋へ行かせるため。停電は懐中電灯の光で鳥を刺激して襲わせるため。屋根は穴をあけるため。人はドアの重しに。服は引っ張るため。女が怪我をするのは病院につれてゆくためにみんなで家を出るため。柵にもたれるのは鳥に突かれるため。鳥は羽ばたき嘶くため、また人を襲うため。
●「マーニー」(1964)
社長の人相供述は女の魅力を指し示すため。女にホテルの廊下を歩かせるのはヒッチコックを撮るため。蓋、下着は投げ置くため。マスコットは偽造の身分証明書を隠すため。ブルネットがブロンドに。通風孔は鍵を棄てるため。グラジオラスは赤を露呈させて女に「起源」を想起させるため。机は人が寄りかかるため。膝が枕に、また椅子に。肘掛けは人が座るため。口論は母に娘を引っぱたかせた拍子に栗をばらまくため。ブラインドのボタンは窓にぶつけて眠っている女に「起源」を想起させるため。義妹が金をもらいに来るのは部長に金庫を開けさせて女にその手順を見せるため。秘書が引き出しや金庫を開けるのは女に見せるため。ブラウスにかかった赤いインクは女を下着姿にするため。残業は女に雷で「起源」を想起させるため、またキスをさせるため。木は事務所に倒れ込むため。置物は落とし割るため。雷は光るため、また鳴り響くため、また赤を露呈させるため。ラジオは女の馬好きを指示させ競馬場へ行かせるため。新聞が望遠鏡に。競馬場は昔の知人に絡まれるため、また赤い勝負服を見せ「起源」を想起させるため。男が一人で馬券を買いに席を立つの残された女に昔の知人を絡ませるため。ソファーがベッドに。義妹が手を痛めるのは女にお茶をいれさせるため。壁は人が寄りかかるため。トイレは人が隠れるため。ハイヒールを脱ぐのはポケットに入れてから落とすため。耳の遠い掃除婦は物音を聞かないため。服は投げ置くため。盗みは見破られて結婚するため。化粧直しはさせないため。キスは女に発作を起こさせるため。壁は影を投射するため。本は投げ置くため。女を襲うのは自殺させるため。プールは自殺するため。玄関先で話すのは盗み聞きされるため。電話は盗み聞きされるため。柵は馬が乗り越えるため。新聞は投げ渡すため。窓は叩いて発作を起こさせ精神分析するため。薬瓶は投げ置くため。パーティは女を昔の雇い主と再会させるため。顔が鏡に。柱は人がしがみつくため。溝は馬が飛び越えるため。狩は赤い服を女に見せて馬を暴走させて落馬させ馬を安楽死させ女に発作を起こさせ盗みに走らせるため。木は帽子を振り落すため。石垣は馬をつまずかせるため。安楽死は女に銃を渡すため。盗むのは盗めないため。階段は人がすがりつくため。壁は叩くため。火かき棒は人を殴るため。母親が倒れこむのは足を折らせて娘に助けさせるため。血は赤を露呈させるため。子供が遊ぶのは遊びをやめるため。
●「引き裂かれたカーテン」(1966)
ミサイル計画の中止は事件を起動させるため。グラスの水が氷に。ガラスは鏡に。暖房の故障は婚約者たちを熱くさせるため。電報は受け取らないため。ロビーはヒッチコックを撮るため。シャワーは電話に出ないため、また秘書に本屋に行かせるため。道を聞くのは敵を本屋に案内するため。本屋がレジスタンスのアジトに。本が暗号に。トイレは暗号を記録するため。スチュワーデスを呼ばせるのは女に気づかせるため。男の出迎えがダンサーの出迎えに。フラッシュは光るため。壁は人が寄りかかるため。人垣がフレームに。机は人が寄りかかるため。美術館は尾行を巻くため。足音は鳴り響くため。農家がレジスタンスのアジトに。木々は影を落とすため。地面が文字に。足がペンに。トラクターは密談をするため。レジスタンスが親戚に。暗号を消さないのは怪しまれるため。ライターがつかないのはその隙に鍋を投げつけられるため。タバコは投げ棄てるため。銃は投げ棄てるため。タクシーで来るのは銃を使わないため、また運転手に証言させるため。電話は引きちぎるため。包丁は順手から逆手に握りなおされる、また折って落とすため。スコップは足を殴るため。オーブンはガスで人を殺すため。服は投げ置くため。机は人が座るため。足は足を引っかけるため。階段は人が転げ落ちるため。保健室はレジスタントのアジトに。審査会は女を怒らせ男に真相を告げさせるため。木は人が隠れるため。ダンスは密談をするため、また敵を連れ出すため。敵スパイを殺すのは脱出させるため。バイクは掘り起こすため。数式は博士を誘導するため。人が壁に。逃走車が路線バスに。帽子は頭巾に替えられるため。タバコに火をつけるのは男と女を隠すため。帽子は金を入れるため。追いはぎバスに護衛をつけさせて停留所に停めさせ後続車を接近させるため。郵便局をメモしないのは出国希望の女と引き合わせるため。郵便局の係員は無視するため。ダンサーは目撃者に。紙の揺れは火事に。群衆は人を逃がすため。籠は人が隠れるため、また椅子に、また撃ち落とすため。ダンサーは違う籠を密告するため。椅子は人が乗るため。キャメラマンは2人を振り向かせるため。泳ぐのは2人で毛布をかぶるため。
●「トパーズ」(1969)
亡命は事件を起動させるため。旗は風に揺られるため。バスは人を遮るため。陶芸品は落として係員に近づくため。陶芸工場は紛れるため。人、自転車はバリアに。書類は投げ置くため。壁は人がもたれるため。空港の通路はヒッチコックを撮るため。情報屋が反米主義者なのはフランス人スパイを巻き込むため。花屋がスパイのアジトに。みかんの皮は投げ棄てるため。写真撮影は鞄を盗み出すため。帽子は投げ置くため。ドアは蹴破るため。窓は人が出入りするため。屋根はクッションに。人と人がぶつかるのはカメラを渡すため、また顔を見られるため。壁は影を投射するため。ナイロン製品はスパイ道具に。パンはキャメラを隠すため。ピクニックは兵器を盗撮するため。キャメラをパンで包むのは鳥を呼び寄せてレジスタンスの居場所を知らせて拷問させリーダーの名前を密告させるため。車のエンコは追っ手をまくため。血の「赤」は人物の特定に。ガードレールはキャメラを隠すため。肉屋はレジスタンスのアジトに。鳥の姿焼きはキャメラを隠すため。パレードを見るのは正体を知られるため。タイプライターは情報を隠すため。カミソリはフィルムを隠すため。膝がベッドに。本はフィルムを隠すため。戸口に散乱した新聞は妻が家を出たことを知らせるため。新聞は投げ置くため。暖炉は人がもたれるため。逢引はスパイを目撃するため。記者が似顔絵を描くのは義母に見せるため。車の屋根は死体置き場に。会議はスパイを除外するため。
●「フレンジー」(1972)
船、煙突は煙を吐き出すため。鳥は横切るため。殺人は運動を起動させるため。ネクタイは人を絞め殺すため。川は死体置き場に。演説は死体を発見させるため、またヒッチコックを撮るため。ただ酒は男を首にさせ無一文にさせて元妻に会いに行かせるため。コインは投げるため。札は丸めるため。人々はキャメラの前を横切るため。果物屋に行くのは当たり馬券の情報を男に与えるため、また男にぶどうを持たせるため。新聞は投げ置くため。壁は人が寄りかかるため。金はもらわないため。新聞を買うのは当たり馬券の情報を知らせるため。食堂は金を使い果たすため、また医者と判事に事件のあらましを説明させるため。ぶどうは踏み潰されるため。当たり馬券の情報は男を怒らせるため。服は投げ置くため。大声の喧嘩は男を怪しませるため。机を叩くのは殴ったことに。摺りガラスは出来事を推測させるため。グラスは握り潰されるため。レストランは元夫婦の喧嘩を目撃させるため。コートを預けるのは元妻が男のポケットに金を忍ばせるため。元妻がポケットに金を忍び込ませるのは男にその晩は救世軍の安宿に泊まらせ自分の殺される次の日に男に金を使わせて男を犯人に仕立てるため。救世軍の宿のコソ泥は札のありかを知らせるため。引き出しは開けてから閉めるため。電話はかけられないため。机は人が座るため(2回)。服は果物をこするため。椅子がベッドに。果物屋が金を盗むのは男が盗んだことにするため。パウダーは紙幣に付着するため。男が妻の事務所へ行くのは目撃されるため。通行人は悲鳴を聞いて驚くため。タオルは投げ置くため。鳥は飛び立つため。ウエイトレスが男にキスするのはシラミの匂いを記憶するため。財布、鍵は投げ置くため。高額の部屋に泊り高額紙幣を出し服をクリーニングに出すのは疑われるため。コインは投げ上げるため。椅子は靴下を掛けるため。ドアの下がポストに。パッチの付いた上着は人目につくため。地面は鳴り響くため。シラミは男の無実を信じさせるため。新聞は叩き渡すため。虐待の離婚証明書は男に罪を着せるため。肘掛けは人が座るため。ウエイトレスが酒場に戻るのは殺されるため。街の喧騒は犯行をかき消すため。パリへ出発する待ち合わせが当日でなく次の日なのはウエイトレスを果物屋の部屋に一泊させるため。ウエイトレスが店長と喧嘩するのは一晩泊る宿を必要にさせるため。刑事の食事は情報を整理するため(料理は一度も口の中に入っていない)。刑事が一人で食事するのは妻に見られないで食事を鍋に戻すため。死体がじゃがいもに。帽子は投げ置くため。手摺は影を投射させるため。ソファーがベッドに。ピンは被害者に握られてから取り返すため。足音は鳴り響くため。ヘッドライトは荷台を照らすため。死体の足は人を蹴るため。通過物は光を点滅させるため。荷台のドアが閉まらないのはジャガイモを道路にぶちまけるため。急停車は急発進させて果物屋をジャガイモの袋にぶつけるため。ナイフ、指は折れるため。荷台は人や死体が転げ落ちるため。割れた窓が覗き穴に。ズボンは靴を拭くため。果物屋がドライブインに入るのはブラシにじゃがいもの泥を付着させるため、また目撃されるため。戦友夫婦の家に泊るのはウエイトレスの殺された時間のアリバイをなくすため。戦友夫婦が協力しないのは男を果物屋に行かせて逮捕させるため。被害者たちの遺留品は男に真犯人を知らせるため。階段は人が転げ落ちるため。スティック菓子の折れる音は指の骨が折れる音に。妻の料理は情報を整理するため、また吐き出すため(飲み込まれていない)。布巾は投げ置くため。椅子は人が転げ落ちるため。白衣は医師に成りすますため。コーヒーが睡眠薬に。車の鍵が開いているのは盗まれるため。ジャッキは投げ置くため、また死体を殴るため。階段がサスペンスに。鏡はドアを開けるため。ドアは人が隠れるため。ネクタイはつけていないため。黒いトランクはエンドロールのバックになるため。
●「ファミリープロット」(1976) 119分4/11
相続人探しは主人公を巻き込むために。車は人が寄りかかるため。。脇見運転は誘拐女を轢きそうにさせて場面を転換させるため。地面は影を投射させるため。宝石は輝くため、また身代金に。フロントガラスは撃たせて穴を開けさせるため。地面は影を投射させるため。ゴルフ場は人質を解放するため。光は点滅させるため。ブロンドがブルネットに。ヘッドライトは輝くため。木々は影を落とすため。壁が扉に。椅子が洋服掛けに。冷蔵庫はかつらを入れるため。シャンデリアは宝石を隠すため。木、石、車の車体はパイプの灰を叩き落とすため。ハエたたきは風鈴を鳴らすため。墓はつまずくため。墓石は死を偽装するため。役所のすりガラスはヒッチコックのシルエットを撮るため。旗は風に揺られるため。ガソリンスタンドは情報を仕入れるため(ガソリンもオイルも問題なし)、また車のナンバープレートを見せて正体を知らせるため。車体はマッチを擦るため。依頼主が名家なのはガソリンスタンドの男に情報を知らせず誘拐犯を勘違いさせるため。宝石商が宝石泥棒のアジトに。タバコは盗むため。服の埃は取り去るため。カーテンは風に揺られるため。窓は人が出入りするため。ボンネットは買い物袋を置くため。足は車のドアを閉めるため。ほっぺたはつねるため。教会は司祭を誘拐するため。パイプはくわえられないため。失神は誘拐するため。洗礼を受けた司教を誘拐するのはパイプ男を司教に会いに行かせて誘拐犯を恐れさせパイプ男と霊媒師に対する殺意を抱かせるため。レタスは投げ置くため。車は人が隠れるため。タイヤはきしむため。人を待つのはその隙にブレーキに細工をさせて車を暴走させるため。待ち合わせの食堂が山の上なのは帰りの坂道でブレーキのきかない車を加速させるため。オイルは流れ出すため。ネクタイは引っ張るため。地面は鳴り響くため。対向車、バイクはよけるため。泥は撒き散らすため。鉄線は倒し渡るため。車を横転させるのは霊媒師のズックでパイプ男の顔をぺしゃんこにさせるため。車は人が座るため。バッグは人を叩くため。地面は煙を撒き散らすため。青い車は緑の車を谷底へ沈めて炎上させ黒煙を撒き散らさせるため。椅子は倒すため。ガソリンスタンドの男を死なせるのは葬式で妻から情報を聞くため。墓地が迷路に。墓石は蹴飛ばすため。壁は人が寄りかかるため。パイプ男がタクシーを私用で乗り回すのは上司を怒らせて夜勤勤務を余儀なくさせ霊媒師を一人で誘拐犯のガレージへ行かせるため(タクシーは一度も客を乗せていない)。電話帳は投げ置くため、またページを破り取るため。霊媒師が台所によりかかるのはパイプ男に背後から抱きつかせるため。霊媒師を家に訪問させるのは何度も人違いさせるため。星座を推測するのは間違えるため。手摺は洋服掛けに。本を借りるのは借りられないため。壁は影を投射するため。車はガレージを塞ぐため。赤い礼服はドアに挟んで誘拐を知らせるため。霊媒師が「私がここにいることは誰も知りません」と言うのは自分を殺してもらうため。誘拐犯が霊媒師を殴るのは倒れた霊媒師に白い液体の缶を倒させガレージの外へ流し出させるため。注射を霊媒師にうつのは「赤」をショルダーバッグにつけ霊媒師がガレージにいたことを運転手に知らせるため、また霊媒師を眠らせて隠し部屋に運び込ませそこに誘拐犯たちを閉じ込めるため、また霊媒師に宝石のありかを盗み聞きさせるため?。バッグは投げ置くため。人質と宝石を交換する日に霊媒師を監禁するのは取引の隙にパイプ男をガレージの家に侵入させるため。書き置き、車、鍵、白い液体は霊媒師の存在を知らせるため。落ち葉は風で舞い上がらせて裏口の存在を知らせるため。ナイフがカギに。天窓はが人が出入りするため。靴は脱ぐため。階段はサスペンスに。誘拐犯が地下にホースを取りに行くのはパイプ男に尾行させるため(ホースは使われない)。柱は人がもたれるため。シャンデリアに宝石を隠すのはラストシーンを階段で終わらせるため。階段は人が座るため。